二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま【企画開催中】 ( No.27 )
日時: 2014/08/07 20:32
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)

 真選組に入隊して、はや数週間。

 屯所内での生活や任務にも慣れ、隊士のみんなの顔と名前がようやく一致した。みんなの人となりも少しずつ分かってきた。


 例えば山崎さんは、人畜無害で情けない地味な人だということ。

 例えば沖田さんは、サドスティック星から来たドS王子だということ。

 例えば土方さんは、血気盛んなニコチン野郎だということ。



 例えば近藤さんは、ただのゴリラと見せかけて実は頼りになるということ。




 ————そんな近藤さんの様子が、最近おかしい。










 第九訓【そんなしつこさも含めてうちの局長はゴリラなんだよ】










 厳密に言えば、今までの変態ぶりにさらに磨きがかかったと言うか、発情期の雄ゴリラみたいと言うか。
 とにかく、変なのだ。





 まず第一に、夜遅くに帰ってくることが多くなった。あと、屯所を留守にすることも多くなった。
 そして、帰ってくるときには決まってどこかに怪我をしていて、何故かデレッデレの笑顔を浮かべている。


 第二に、やたら町で見かけるようになった。
 ある時には八百屋の果物に紛れ、またある時にはスケッチブック片手に高速で走る電車を追いかけ……。
 この前なんて、かぶき町内の電柱によじ登っていた。



 真選組内でも、最近の近藤さんの行動に対して心配する声がいくつも上がっている。局長はなにか危ないヤマを抱えているんじゃないか、とか、仲間たちにも打ち明けられない重大なことを隠しているんじゃないか、とか。


 私としても真相が気になるところではあるが、当の本人が幸せそうなので、とりあえず事の成り行きを見守ろうと思っていた。





 ——……のだが。







「……こ、近藤さん?」




 見回りに出ていた私と土方さんが目にしたものは、無様にも河川敷で気絶している近藤さんの姿だった。