二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】目を止めた双子の話 ( No.7 )
日時: 2014/04/14 16:32
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)


<2>  目で伝える咄

朝、俺達メカクシ団は近くのコンビニに行った帰り道を歩いていた。

「うるさいぞ、もう少し静かにしろ」

「え〜キドだって楽しいくせに〜」

数秒後、カノは顔を真っ青にしてヨタヨタと俺達の後をついてきた。

「カノはこりないっすねー!」

「もう慣れっこだから!!」

カノは嬉しそうに俺に抱きつく。しかも…

「つーぼみちゃーん!」

と丁寧に言葉まで添えて。
これも秒殺、いや瞬殺だった。

「その言葉、次聞いたら本気で殴ってやるよ」

すると、セトとマリー以外の三人が首をかしげる。

「つぼみ…って誰ですか?」

名前だ、なんて言えるかああぁぁ!!
俺は聞かなかったふりをして、足早にアジトへ向かう。

「つぼみっていうのは…キd「アホかああぁぁぁ!!!」

この…バカノが…。
ぜぇ、ぜぇ、と息を荒くしてカノを思いっきり殴った。

「言うなと…言っただろうが…!」

「うううぅぅ…痛いよ、つぼみ」

「ええっ!?団長さん、つぼみって名前なんですか!?」

終わった…。

顔、真っ赤なんだろうな。頬が熱い。
俺はフードをより深く被った。

「可愛いですね!」

「…はやく……忘れてくれ…」

可愛いとか言うな。身がもたない。

「あーあ、キドばれちゃった〜」

「お前がばらしたんだろ…」

キッとへらへら笑っているカノを睨みつける。

「いいじゃん、可愛いよ」

「………っ/////」

どうしてこいつは平然とそういう事を口に出せるんだろう。
まぁ、欺いてたら言えるかもな。

「はは、キド顔真っ赤〜!」

「………黙れ、殴るぞ」

刹那、俺達の横を一人の少女が紫色の髪をなびかせながら、駆けていった。
その少女の一瞬見えた目が…ほんのりと赤くなっていたような気がした。

「…………キド?」

何か、大事な事を忘れている。
今日は……今日は8月14日……?

しまった。

俺は急いであの少女を追いかけた。が、一歩遅かった。

少女は目の前でバランスを崩すと、その”目”を段々と綺麗な赤に染め、地面に倒れ……なかった。

「…セーフ」

そこにはいつの間にかカノがいた。
どうやったらそんなに速く走ってこれるんだ?

まぁ、よかったが…。

「お〜い!」

みんなが駆け寄ってくる。
すると、シンタローが少女を見て言う。

「まさか…こいつも能力持ちか?」

少女のうっすらと開いた瞳は、完全に赤く染まっていた。

「おそらく、な…」俺達は駆け足でアジトに戻っていった。