二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】目を止めた双子の話 ( No.8 )
日時: 2014/04/14 16:33
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)

<2>  目で伝える咄 -2


少女を連れてきたものの、一向に目を覚まさない。
まるで固まったように薄く開いた目は、先程とは違い、青くなっている。

「こいつ、赤い目だったよな」

シンタローが少女の顔を覗きこみながら首をかしげた。

「お兄ちゃん、キモい」

「いや、俺なにもしてないから」

「でもキモい。女の子の顔を覗きこむなんて童貞のやることだよ?」

「妹さん、ご主人は童貞ですから仕方ないんですよ!!」

「…………やめてくれ…」

不憫な奴だな。俺は少し笑った。
すると、動かなかった手がピクッと揺れる。

「…………っ……」

少女は目をゆっくりと開いた。
俺は後ろで慌てている奴らを放って問い掛けた。

「大丈夫か?痛いところとかないか?」

少女は口を開けてパクパクさせたかと思いきや、不思議そうな顔をして首を縦に振って、ペコリとおじきする。

「俺はキドだ、お前、名前は何ていうんだ?」

「〜〜〜〜っ!!…………!…!!」

少女はまた口をパクパクさせた。と、突然、頭の中に何かの映像が流れ出す。

『私の名前は…なな……いえ、陽菜子といいます』

「……陽菜子?」

陽菜子はにっこりと微笑む。その瞳は……赤い。隣のキサラギはハテナを浮かべて俺を見ていた。

どういうことなんだろうか…?