二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】目を止めた双子の話 ( No.10 )
日時: 2014/05/14 19:17
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)

<2>  目で伝える咄 -3

「だ、団長さん?”ひなこ”って…この女の子の名前、なんですか?」

俺は少し頭を抱えた。

「………お前…”目”を持っているのか…?」

すると少女は戸惑ったようにうつむいて、苦笑いした。
そして俺の目を見る…赤く輝く目で…。

『今、”目”は…赤いですか?』

「あ、ああ…」

『赤……』

少女はまたうつむく。と、キサラギが割り込んで少女の目を見る。

「赤い…ですね…やっぱり」

「じゃあこいつも…”目”を?」

シンタローは暗い顔をして言った。
するとキサラギが耳を押さえた。

「あ、あれ?なんか声が…」

俺はもう一度少女を見た。
赤い目、目を見る、そして声…。

『目を見つめることで、私の声を伝えることが出来るんです』

「なるほど、な……おい!全員集まれ!」

「ん〜?キド、どうかしたの?」

カノが扉のむこうから顔を出す。

「いいから来い」

「えぇ〜、めんどくさ…くないね」

拳を構えていただけでカノは焦ったように言葉を訂正した。
そんなに殴られたくないのか?







少女の前に全員が並んで立った。

エネはケータイの中で独り言とは思えない程、大きい声でブツブツ呟いている。

「この女の子もあのセカイに行ったんですかね〜…でもそうしたら誰かと…いや、特殊な場合もありますからね〜うーん…」

「エネ、うるさい」

シンタローが苦い顔をして言った。

「あわわっ!すみません!」

こっちもこっちでいつも通り、か…。
ふと目を隣にやると、マリーが怯えた様子でセトにしがみついていた。

「うぅ…セト〜」

「大丈夫っすよ!キサラギさんみたいに友達になればいいっす!」

「……そうだね!ありがとう、セト」

マリーの人見知りもそろそろ克服させないとな…。

そして俺達はもう一度、少女の方を向いた。

「ようこそ、メカクシ団へ」