二次創作小説(紙ほか)

36話「世界を照らす龍王」 ( No.130 )
日時: 2014/07/03 18:03
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

「……《ヌーベル・バウラ》で、《コッコ・ルピア》を、攻撃……能力で、墓地の呪文……《ジャスティス・プラン》を、回収……」
「《コッコ・ルピア》が……!」
 暁とラヴァーのデュエルは、序盤の勢いが削がれつつある暁の劣勢だった。
 シールドこそ、暁は七枚、ラヴァーはゼロ枚と差がついているが、
「《ヴァルハラナイツ》で、《バトルネード》を、攻撃……破壊」
「っ、くぅ……!」
 暁のクリーチャーは《爆竜 バトラッシュ・ナックル》一体。一方ラヴァーの場には《栄光の翼 バロンアルデ》《鏡面の翼 リブラミラ》《聖龍の翼 コッコルア》《白壁の精霊龍 ヌーベル・バウラ》《提督の精霊龍 ボンソワール》《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》《護英雄 シール・ド・レイユ》の七体。
 シールドでは暁が優勢だが、盤面では圧倒的にラヴァーが有利だった。
「いや、でもまだ……私のターン! このクリーチャーで流れを変える! 《ジャックポット・バトライザー》召喚! 《ヴァルハラナイツ》を攻撃!」
「……《バロンアルデ》でブロック」
 《ジャックポット》の刃に切り裂かれ、《バロンアルデ》が破壊される。つまり、《ジャックポット》がバトルで勝利した。
「能力発動! 山札を三枚捲るよ」
 こうして捲られたカードは、《フレフレ・ピッピー》《超熱血 フルボコ・ドナックル》《龍世界 ドラゴ大王》の三枚。
「大当たりぃ! 《ジャックポット》の能力で、《ドラゴ大王》をバトルゾーンに!」
『我を呼んだか』
「うん。頼んだよ、《ドラゴ大王》!」
『貴様の言葉の通りに動くのは癪だが、なにやらあの陰気そうな小娘からは、嫌な気配を感じる……致し方あるまい。我の力で、再び行け! 《ジャックポット・バトライザー》!』
 《ドラゴ大王》の咆哮で、《ジャックポット》が再び駆け、《ヴァルハラナイツ》を切り裂いた。
「《ヴァルハラナイツ》とのバトルに勝利! もう一回能力発動!」
 再び山札が捲られる。捲られたのは《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《撃英雄 ガイゲンスイ》《超竜サンバースト・NEX》の三枚。
「よし……これだ! 出て来て《ガイゲンスイ》!」
『《ドラゴ大王》に続き、次は儂の出番か』
「そう、任せたよ、《ガイゲンスイ》!」
『よかろう。マナ武装7、発動だ』
 刹那、《ガイゲンスイ》が炎に包まれ、鎧を身に纏った。
 同時に、その炎が他のクリーチャーをも包み込む。
「これでこのターン、私のクリーチャーのパワーはプラス7000! 《バトラッシュ・ナックル》でダイレクトアタック!」
「……《コッコルア》でブロック」
「《ガイゲンスイ》でもダイレクトアタック!」
「《ボンソワール》でブロック……」
 《ジャックポット》を起点とした、ドラゴンの連続召喚と連続攻撃に押されるラヴァー。残るブロッカーは一体で、暁の場にはアタッカーが四体。しかもうち一体は《ドラゴ大王》だ。
『我が君臨する限り、龍以外の存在は認めぬ』
「そういうわけだから、小型ブロッカーを並べて守ろうなんてことはできないよ」
「…………」
 ラヴァーの手札には今、《ジャスティス・プラン》があるはずだ。それで小型ジャスティス・ウイングを手に入れても、《ドラゴ大王》が展開を許さない。
 ドラゴンのブロッカーを並べたとしても、精々二体か三体が限度だろう。
 実際その通りで、今のラヴァーが召喚できるブロッカーのドラゴンは一体だけだ。だが、その一体で十分だった。

「私の世界を照らし出す——《聖霊龍王 バラディオス》」


聖霊龍王 バラディオス ≡V≡ 光文明 (8)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 12000
進化—自分の光のコマンド1体の上に置く。
ブロッカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、または自分のシールドの最後の1枚がブレイクされた時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。次の相手のターンのはじめに、そのクリーチャーはアンタップされない。
T・ブレイカー


 《ヌーベル・バウラ》から進化したのは、光の龍王《バラディオス》だ。
 《バラディオス》が降り立ったその刹那、激しい稲妻の如く光が放たれ、暁のクリーチャーすべての身動きが封じられてしまった。
「な、なに……!?」
『ぬぅ、動けん……!』
『固められたか。儂としたことが、不覚を取った……』
 なにが起こったのか分からず、戸惑う暁。対するラヴァーは、淡々としていた。
「《バラディオス》の能力……登場時、相手クリーチャーをすべて、フリーズ、する……」
 つまり、次のターンの初めに暁のクリーチャーはアンタップされず、攻撃できない。一回休みになってしまうのだ。
「で、でも、《ドラゴ大王》は残ってるから、まだ大丈夫——」
「呪文《ヘブンズ・サンダー》を、《バラディオス》に……パワー、プラス4000……」
「!」
 これで《バラディオス》のパワーは16000、《ドラゴ大王》を超えた。
「《バラディオス》で、《ドラゴ大王》を、攻撃……」
 次の瞬間、《バラディオス》の放った光り輝く円月輪に、《ドラゴ大王》が切り裂かれた。
『ぐおぉぉぉ!』
「《ドラゴ大王》!」
 攻めと守り、両方の要であった《ドラゴ大王》が破壊されてしまう。さらに、
「《シール・ド・レイユ》で、《ガイゲンスイ》を、攻撃……」
『ぐぅ、抜かったか……!』
 《ガイゲンスイ》も《シール・ド・レイユ》の光線に射抜かれ、こちらも破壊されてしまった。
「あぅ、《ガイゲンスイ》まで……」
 いい調子で攻め返せていたが、すぐさま切り返しを受けてしまう暁。
 だが、まだシールドは暁が圧倒的有利。ブロッカーもすべて寝ているので、ここでスピードアタッカーを引ければ勝てる。
「……《フレフレ・ピッピー》召喚! 《ボルシャック・NEX》も召喚! 能力発動!」
 しかし、スピードアタッカーは引けなかった。そもそも暁のデッキは、それほどスピードアタッカーは多くないのだ。
 なので《ボルシャック・NEX》からルピアを呼び出し、場数を並べに出る。
「《スピア・ルピア》をバトルゾーンに! ターン終了!」
「……私のターン……呪文《ジャスティス・プラン》を、発動……」
 山札の上から三枚捲り、その中のエンジェル・コマンドとジャスティス・ウイングをすべて手札に加える呪文だ。
 捲れた三枚は《蒼天の翼 ラウ》《聖歌の翼 アンドロム》《龍覇 エバーローズ》。すべてジャスティス・ウイングなので、手札に加えられる。
「《ラウ》を召喚……さらに、《龍覇 エバーローズ》も、召喚……《エバーローズ》の能力で、超次元ゾーンから、コスト4以下の光のドラグハートをバトルゾーンに。来て……《不滅槍 パーフェクト》」
 超次元の彼方より、不滅の力が込められた光の槍が、《エバーローズ》に授けられる。
「《パーフェクト》はウエポン……よって、《エバーローズ》に装備……」


龍覇 エバーローズ 光文明 (6)
クリーチャー:ジャスティス・ウイング/ドラグナー 4000
ブロッカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト2以下のドラグハート1枚、または、コスト4以下の光のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)


不滅槍 パーフェクト ≡V≡ 光文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーがバトルゾーンから墓地以外のどこかに離れる時、離れるかわりにバトルゾーンにとどまる。
龍解:自分のターンの終わりに、バトルゾーンに自分のクリーチャーが5体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。


「《バラディオス》で《ジャックポット》を、《シール・ド・レイユ》で《バトラッシュ・ナックル》を……攻撃」
 二筋の光が、それぞれ暁の龍を貫く。
「《ジャックポット》、《バトラッシュ・ナックル》……! そんな……」
 次々と破壊される、暁のドラゴンたち。これでラヴァーのターンは終了。
 だがしかし、このターンはただ終わるだけではなかった。このターンの終わりに、不滅の槍に封じられた正義が解き放たれる。
「ターン終了時、私の場に、クリーチャーが五体……《不滅槍 パーフェクト》の、龍解条件、クリア……」
 刹那、《エバーローズ》の構える《パーフェクト》が、光を纏い天高くに飛んで行く。
 直後、天高くに飛んで行った光が、滝が流れるように地上へ落ちて来る。
「世界の王よ、正義を掲げ天より降り立ち、不滅の生と命を授ける。龍解——」
 天命を授け、正義を執行する精霊龍の王が、天空より舞い降りる——

「——《天命王 エバーラスト》」