二次創作小説(紙ほか)
- 東鷲宮中学校放送部 第四回「霞 柚」 ( No.132 )
- 日時: 2014/06/30 23:06
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
青葉
「みなさんこんにちは、お昼の放送のお時間です。今回も司会進行を務めますのは放送部一年青葉、そして本日のゲストはこの人、一年二組の霞柚さんです!」
柚
「ど、どうも、こんにちは……」
青葉
「そんなに固くならなくていいですよ、ちょっとトークするだけなので」
柚
「は、はひ……」
青葉
「なんだか仕草が小動物っぽいというか、庇護欲をかきたてられますね……それはさておき、進行しましょう」
柚
「な、なにをお話すればいいのでしょうか……?」
青葉
「うーん、そうですねぇ……とりあえず困ったときは、寄せられているお便りを読みましょう。霞さんも、空城さんのご友人というだけあって、わりと有名人ですからね」
柚
「そうなんですか?」
青葉
「ええ。なんでも、空城さんとは大親友だそうで。馴れ初めは、どういった感じでしたか?」
柚
「えぇっと……確か、小学校の頃、お友達のいなかったわたしに、なんの躊躇もなく話しかけて来てくれたのがあきらちゃんで……」
青葉
「おぉ、なんかベタな展開ですが、いいですね、そういう友情は。ではではお便りですが」
柚
「もう進んじゃうんですかっ?」
青葉
「お昼の放送なんで、時間は限られているんですよ。えー、ではではお便りですが……ん? ちっ」
柚
「舌打ち!?」
青葉
「あ、いえ、青葉、舌打ちなんてしてませんよー? というわけでお便りなんですが」
柚
「はぁ……」
青葉
「『霞さんは小柄で細いわりに胸は大きいと聞いたのですが、本当でしょうか?』と、やたら可愛い子ぶった丸文字で書かれてますけど、たぶん男子ですね。好奇心と欲望が剥き出しの下劣なレターですが、どう思います霞さん?」
柚
「はわわわ……」
青葉
「おや、顔真っ赤です。無垢ですねー」
柚
「あ、いえ、だって、こんな……」
青葉
「まあ気になる気持ちは分からないでもないですがね。こうして見ても、服の上からじゃ全然分かりませんし。着やせするタイプですかね?」
柚
「あ、青葉さんっ!」
青葉
「とまあ、本人もお怒りですし、こんな下種なお便りはシュレッダーにかけて燃やしておきましょうか。次のお便りです……ん?」
柚
「こ、今度はなんですか……?」
青葉
「いや、なんか奇妙なお便りというかなんというか……とりあえず読みますね。『先日、霞さんが黒いスーツにサングラスの男の人たちと一緒にいるところを見かけました。あれはどういうことなのでしょうか?』というお便りです」
柚
「えっ、み、見られてたんですか……っ!?」
青葉
「これは確かに気になりますね。脂汗浮かせた豚みたいなおじさんではなく、黒いスーツにサングラスというアウトレイジ的な殿方と一緒に……前者でないことが救いですが、それでもやばいにおいしかしないですね。どういうことなんでしょうか?」
柚
「あ、いや、その、ですね……えっと……」
青葉
「わくわく」
柚
「そんな目で見られても……あ、あの人たちは、その……」
青葉
「家族の方ですか? お兄さんがたくさんいたり?」
柚
「お兄さんは一人です……家族、ではないんですけど、それに近い人たちというか……わ、悪い人たちじゃ、ないんですよ……っ」
青葉
「そうなんですか」
柚
「な、なんかちょっと残念そうにしてません……?」
青葉
「そんなことないですよ。いやー、安心しました。霞さんが道を踏み外していなくて」
柚
「なんだか、すごくわざとらしいです……」
青葉
「こういうのは新聞部に任せましょう。放送部は黙秘権を発動されたら手も足も出ませんからね……後で新聞部に同名結びに行こう」
柚
「なにやら不穏な空気を感じるのですが……」
青葉
「気のせいです。さてそれでは次のコーナー、行ってみましょう!」
柚
「ちゃんとコーナーを作ったんですね……最初に言えばいいと思うのですが……」
青葉
「細かいことは気にしません。というわけでコーナー名『気になるゲストのデッキ大公開!』です」
柚
「そういえば、あきらちゃんたちもデッキレシピを明かしてました」
青葉
「そうそう。この学校もデュエマブームですし、招いたゲストのデッキを教えてもらえたら嬉しいなー、と思ってのコーナーです。風の噂では、霞さんもデュエマを始められたようで。初心者に一番近い立場ということで、どんなデッキを使っているのか気になる所存です」
柚
「そ、そうなんですか……えっと、じゃあ、これがわたしの使っていたデッキです」
枚数:コスト:文明:名前
3:9:自然:《帝王類増殖目 トリプレックス》
4:8:自然:《王龍ショパン》
2:7:自然:《緑神龍ミルドガルムス》
3:7:自然:《クラッシャー・ベア子姫》
2:7:自然:《幻想妖精カチュア》
4:5:自然:《緑神龍バルガザルムス》
4:4:自然:《エコ・アイニー》
4:2:自然:《結界の面 ブオン》
4:2:自然:《霞み妖精ジャスミン》
4:1:自然:《緑神龍ドラピ》
4:2:自然:《フェアリー・ライフ》
2:5:自然:《グローバル・ナビゲーション》
青葉
「過去形ですね」
柚
「えっ……? あ、はい、最近はジュラシック・コマンド・ドラゴンをもっとたくさんいれたデッキを試しているんですけど、まだちゃんと作れてなくて……」
青葉
「調整中ですか。ならば出来上がった時にまたお尋ねするとして、これは……カチュアシュート、それにセイバードラピ、ですか?」
柚
「そ、そうです」
青葉
「序盤のマナ加速から《カチュア》に繋げて、《カチュア》の能力で自壊するドラゴンを《ブオン》で守る感じですね。そこに《ブオン》と相性がよく、《カチュア》や《トリプレックス》で呼んでこれる《ドラピ》を加えたと」
柚
「ぜ、全部言われちゃいました……」
青葉
「ただ、《カチュア》で呼んでおいしいクリーチャーが《トリプレックス》くらいですね。マナゾーンから《ブオン》を呼ぶことで、一緒出した《ドラピ》を守ったり、ターン終わりに自爆する自身を守れるところがコンボですけど」
柚
「わたし、あんまり強い自然のドラゴン持ってなくて……」
青葉
「あ、資産的な問題でしたか。失礼しました」
柚
「ゆーひさんは、《緑神龍ディルガベジーダ》とか相性がいいって言ってたんですけど……」
青葉
「破壊されても山札に戻るQブレイカーですからね。ちょっと古いカードですけど」
柚
「あとは、マナカーブ? っていうのも意識するようになりました」
青葉
「ほほぅ? 初心者のわりに専門用語を。どのように意識していますか?」
柚
「えっと、まずは《フェアリー・ライフ》か《ジャスミン》でマナを増やせば、次のターンには4マナですよね。次に《エコ・アイニー》を出して、2マナ溜まればさらに次のターンには7マナです。なので……」
青葉
「《緑神龍ミルドガルムス》が出せますね」
柚
「そっちですかっ!?」
青葉
「冗談ですよ、ジョークです。《カチュア》ですよね、当然」
柚
「は、はひ……そのためにドラゴンをできるだけ多くしてるのですが……」
青葉
「S・トリガーも《ショパン》とかにしてますしね」
柚
「それでもたまに外れちゃうので、そういう時は《緑神龍バルガザルムス》で補強するか、もう一回《エコ・アイニー》などでマナを増やしてください」
青葉
「《バルガザルムス》なら手札補充ができますし、《エコ・アイニー》はさらにマナが増えて、《ドラピ》をセイバーを使わずに残せますね」
柚
「それでも、なかなか上手くいかないんですけどね……」
青葉
「いやー、結構考えられていると思いますけどね。マナに落ちたカードを回収するために、S・トリガーを《グローバル・ナビゲーション》にしたり、小型獣をばら撒く相手に対して《クラッシャー・ベア子姫》をいれたりと、細かいところで霞さんらしい気遣いが見えます」
柚
「気遣いっていうか……わたしも、いつまでもあきらちゃんたちの後ろにいるのは、よくないと思うので……」
青葉
「? よく分かりませんが、そろそろ時間ですね。今日はありがとうございました」
柚
「い、いえっ、こちらこそ……」
青葉
「そんなこんなで、今回はゲストに霞柚さんに来ていただきました。次回の放送もお楽しみに!」