二次創作小説(紙ほか)
- 烏ヶ森編 10話「フォートレス ( No.145 )
- 日時: 2014/11/02 21:01
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: d2sOH2lv)
天守閣 龍王武陣 —闘魂モード— 火文明 (3)
ドラグハート・フォートレス
自分の火のクリーチャーがバトルする時、そのターン、そのクリーチャーのパワーは+2000される。
龍解:自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の火のクリーチャーが2体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
立ち上るのは威風堂々とした、龍の天守閣を備えた城——いや、要塞だ。その堅牢さと迫力は、難攻不落の要塞そのものだ。
「ウエポンでもクリーチャーでもないドラグハート……!?」
『そうだ、少年よ。しかしただの要塞ではない、熱血の魂が込められた龍の要塞だ。ここに龍の魂が秘められていることを忘れるな』
そして《フィディック》は、ターンを終える。
「よく分からないけど、クリーチャーじゃないってことは攻撃もできないはず」
置いてあるだけで能力が発動するのは厄介だが、無視できる範囲だ。除去も出来ないので、とりあえずは放っておくしかない。
「呪文《勝負だ!チャージャー》を《グレンモルト》に使うよ。これで《グレンモルト》はアンタップクリーチャーを攻撃できる。さらに《爆打者 猛トラック》召喚! 《グレンモルト》で《リンクウッド》を攻撃!」
《プロトハート》を振りかぶり、《グレンモルト》は《リンクウッド》を一刀両断にする。
「そして《プロトハート》の能力で《グレンモルト》をアンタップ。次は《猛トラック》を攻撃だ!」
続けて《フィディック》の場にいる《猛トラック》を、横薙ぎの一太刀で一閃。こちらも破壊する。
「これで俺のターンは終わりだけど、このターン《プロトハート》を装備した《グレンモルト》が二回攻撃したので、龍解条件成立!」
《グレンモルト》は龍の鼓動を刻む《プロトハート》を、空高く、銀河の果てまで投げ飛ばす。燃える大宇宙の中、《プロトハート》の内に秘めた龍の魂は、その存在を剣の外へと解放せんと、自らを炎に包んだ。
「宇宙の星々、熱き血潮を漲らせ、銀河の鼓動を解放せよ。龍解——」
その炎が最大となった時、《プロトハート》は真の姿を顕現させる——
「——《星龍解 ガイギンガ・ソウル》!」
——そして龍は、銀河の果てより地上へと降り立った。
「龍解完了! さあ、これで勝負はまだ分からないよ」
『……龍解した程度で、あまりつけ上がらない方がいいぞ。私のターン』
一騎の切り札に怯むどころか、むしろ一騎を諌めるような言葉までかける《フィディック》は、。
『《爆師匠 フィディック》を召喚! 《スコッチ・フィディック》で《グレンモルト》を攻撃!』
「でも、《グレンモルト》はバトル中パワー+3000だから、フォートレスの効果があっても相打ちだよ」
『どうだろうな』
爆師匠 フィディック 火文明 (5)
クリーチャー:ヒューマノイド爆 5000
バトルゾーンにある自分のドラグナーとドラグハート・クリーチャーすべてのパワーは+3000される。
ウルトラ・セイバー:ドラグナー
《フィディック》のもう一つの姿は、ドラグナーとしての力を行使するのではなく、ドラグナーやドラグハートを援助するものであった。
『《爆師匠 フィディック》がいるため、フォートレスと合わせて《スコッチ・フィディック》のバトル時のパワーは10000、《グレンモルト》を破壊だ!』
「うっ……でも、《ガイギンガ・ソウル》はもう龍解してるし、大丈夫。俺のターン」
事実、《ガイギンガ・ソウル》が龍解していればそれだけで四打点あることになるため、《フィディック》にとどめを刺すには十分だ。
「まずは《ネクスト・チャージャー》で手札を入れ替えて……《ガイギンガ・ソウル》で攻撃! シールドをWブレイク!」
その時《ガイギンガ・ソウル》は自身の能力でアンタップ。二の太刀の構えを取りつつ、《フィディック》のシールドを二枚切り裂く。
しかし、
『S・トリガー発動! 《爆流剣術 紅蓮の太刀》! 《天守閣 龍王武陣》!』
切り裂かれた二枚のシールドは、光の束となって収束した。
『《紅蓮の太刀》により《トップギア》を破壊! マナ武装5を発動し《猛トラック》も破壊だ!』
《フィディック》が燃える刀を携え、一太刀目で《トップギア》を、二の太刀で《猛トラック》を切り捨てる。そして、
『さらに《龍王武陣》により山札から《熱血龍 タイラント・ダイラント》を選択! パワー8000以下の《ガイギンガ・ソウル》を破壊!』
闘魂モードを一時的に解除した《龍王武陣》が、砲塔から《タイラント・ダイラント》を射出し、《ガイギンガ・ソウル》の身体を貫く。
ドラグハートと言えど、クリーチャーの姿である限り、そのクリーチャーに耐えられない負荷をかけられれば身体が持たなくなり、破壊される。
《ガイギンガ・ソウル》は、その負荷に耐え切れず破壊され、超次元ゾーンへと戻された。
「……! そんな、《ガイギンガ・ソウル》が……!」
切り札の喪失に、目を見開く一騎だが、《ガイギンガ・ソウル》だけではない。一騎のクリーチャーが根こそぎ破壊され、場にはなにもなくなってしまった。
『私のターン。この時、私の場には火のクリーチャーが二体存在するため、《天守閣 龍王武陣 —闘魂モード—》の龍解条件が成立した』
「龍解……!? フォートレスも龍解するのか……!」
バトルゾーンにそびえ立つ戦闘龍の城が、そこに眠る魂が目覚める。城のすべてが躍動し、龍の姿をここに現す。
『目覚めよ、牙城に眠りし龍の魂! 秘めたる熱血の力を、この戦場にに解放せよ——』
闘魂モードとなった《天守閣 龍王武陣》が、真の姿へとその身を変えてゆく——
『——《熱血龍 ガイシュカク》!』
現れたのは、天守閣を背負った戦闘龍。火文明の居城、《天守閣 龍王武陣》と一体化したドラゴンだ。
「っ……!」
『行くぞ少年! 呪文《ネクスト・チャージャー》! そして《熱血龍 マーダル・ビッシュ》を召喚! さらに《ガイシュカク》で攻撃! Wブレイクだ!』
《ガイシュカク》が吠え、一騎のシールドへと一直線に突っ込んで来る。
「に……ニンジャ・ストライク! 《ハヤブサマル》を召喚してブロック!」
先ほど使わなかった手札から飛び出すのは《ハヤブサマル》。火単と思われた一騎のデッキだったが、防御用のシノビを数枚差していたようだ。
だが、それだけでは無意味だ。
『無駄だな。《ガイシュカク》は自分のクリーチャーがそのターン初めてブロックされた時、アンタップする!』
熱血龍 ガイシュカク 火文明 (6)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 7000+
自分のクリーチャーがバトルする時、そのターン、そのクリーチャーのパワーは+2000される。
自分のクリーチャーがそのターンはじめてブロックされた時、そのクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー
一度は防がれたものの、再び攻撃体勢を取る《ガイシュカク》。二度目の突撃を開始する。
「ぐぅ……《ゼロカゲ》を召喚! ブロック!」
本来なら《フィディック》を持って行く予定だったが、Wブレイクは受けられない。一騎はもう一体のシノビ《ゼロカゲ》を盾になんとか乗り切る。
『《フィディック》と《スコッチ・フィディック》でシールドをブレイク!』
二体の《フィディック》がそれぞれ一騎のシールドを両断する。これで残るシールドはあと一枚になってしまった。
「S・トリガーもない……一体、どうすれば……」。
切り札は通じず、逆に相手の切り札を落とすこともできない。完全に打つ手なしだ——現状では。
「一騎、落ち着いて。大丈夫、まだ可能性はあるよ」
「で、でも残りシールドは一枚……S・トリガーにかけても、後がない——」
「違うよ。可能性っていうのはそういうことじゃない」
「……?」
ならばどういうことか、と一騎はテインに問う。
「簡単な話だよ。今の武器で目の前の敵が倒せないなら、新しい武器を使えばいい。戦争においては、時間の経過と共にどんどん新しい武装が取り入れられる……それと同じ。それに、武器にも相性があるんだ。《プロトハート》と相手の相性はあまりよくないみたいだし、ここは別の剣を使うのが得策なんだよ」
「そんなこと簡単に言われても……新しい剣なんて、どこにもない——」
と思ったが、ふと超次元ゾーンを見てみると、一騎が持つ唯一の武器、《プロトハート》が燃えていた。めらめらと燃え、その炎で煌々と輝いている。
「これは……!」
「マルス隊長が残した剣の一つ、その力が解き放たれたんだ……君に呼応してね」
「俺に、呼応して……?」
一騎はその剣をジッと見つめる。
そして、
「行くよ……《龍覇 グレンモルト》を召喚!」
その能力で、超次元ゾーンからコスト4以下の火のドラグハートを呼び出す。
だが、ここで呼び出すのは《プロトハート》ではない。今この状況で《プロトハート》を呼ぶ余裕はない。
ゆえに呼び出すのは、もう一つのドラグハート・ウエポン。勝利を意味する猛将の刀剣。
一騎の、新たな力だ。
「来てくれ……《将龍剣 ガイアール》!」