二次創作小説(紙ほか)
- 烏ヶ森編 10話「フォートレス 」 ( No.146 )
- 日時: 2014/11/02 23:43
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: d2sOH2lv)
将龍剣 ガイアール ≡V≡ 火文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
このドラグハートをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手クリーチャーを1体、選んでもよい。そのクリーチャーとこのドラグハートを装備したクリーチャーをバトルさせる。
龍解:自分のガイアール・コマンド・ドラゴンまたは名前にガイアールを持つクリーチャーが攻撃する時、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
超次元の彼方より飛来するのは、金色に輝き燃え盛る刀。《グレンモルト》は地面へと深く突き刺さったそれを抜き、構えた。
『《ガイアール》……新しい剣を手に入れたか、グレン』
ふっと呟く《フィディック》。だがその呟きは、《ガイアール》の轟々と燃える炎に掻き消される。
「《将龍剣 ガイアール》を《グレンモルト》に装備! そして《ガイアール》が場に出た時の能力で、《グレンモルト》と《マーダル・ビッシュ》をバトル!」
《グレンモルト》はバトル時パワー7000、《マーダル・ビッシュ》は《ガイシュカク》の力を得てもそのままではパワー6000。《グレンモルト》の方が高い。なので、そのまま《グレンモルト》と《ガイアール》により斬り捨てられた。
「さらに《爆轟 マッカラン・ファイン》召喚! 続けてG・ゼロで呪文《暴龍警報》を発動!」
暴龍警報 火文明 (2)
呪文
G・ゼロ—バトルゾーンに自分の火のドラグナーがあれば、この呪文をコストを支払わずにすぐ唱えてもよい。
バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、種族にガイアール・コマンド・ドラゴンを追加する。
「その能力で《マッカラン・ファイン》の種族にガイアール・コマンド・ドラゴンを追加! スピードアタッカーの《マッカラン・ファイン》で攻撃、シールドをブレイク!」
今更一枚のブレイク程度では勝ちに直結するとは言い難いこの状況。しかし一騎にとって重要なのは、“ガイアール・コマンド・ドラゴンとなった《マッカラン・ファイン》が攻撃すること”だ。
それにより、《将龍剣 ガイアール》の力が解放される。
「《将龍剣 ガイアール》の龍解条件は、ガイアールが攻撃すること。今の《マッカラン・ファイン》は《暴龍警報》でガイアール・コマンド・ドラゴンだから、龍解条件成立!」
『ほぅ……』
勝利を呼ぶ龍となった《マッカラン・ファイン》の攻撃に応じ、《ガイアール》がカタカタと揺れ動いた。
「戦場の爆炎、熱き闘志を燃え上がらせ、勝利の鼓動を解放せよ。龍解——」
《グレンモルト》は鼓動する剣を天高く投げ飛ばす。宙を舞った剣は戦火の如く燃え盛る炎に包み込まれ、そのうちに秘めたる龍の魂を解放させる。
「——《猛烈将龍 ガイバーン》!」
猛烈将龍 ガイバーン ≡V≡ 火文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 8000
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーよりパワーが小さい相手のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー
深紅の鎧を身に纏い、輝く金色の刃と真っ赤に燃える刀身の剣を構え、一体の戦闘龍が目覚めた。
勝利を意味する龍に付けられる、ガイアールの名。それらを統べる将軍たる龍が、今ここに推参する。
「龍解完了! 頼んだよ、《ガイバーン》!」
一騎の言葉に、《ガイバーン》は猛々しく吠えて返答した。
「本来なら場に出たターンに龍解したドラグハート・クリーチャーは攻撃できないけど、《マッカラン・ファイン》のマナ武装5で俺のクリーチャーはすべてスピードアタッカーだ! 《ガイバーン》で《爆師匠 フィディック》を攻撃!」
《マッカラン・ファイン》の力を借り、《ガイアール》が戦場を疾駆する。猛る闘志を剥き出しにして、轟々と燃え盛る刀を振りかざした。
「そしてこの時、《ガイバーン》の能力発動! 《ガイバーン》よりパワーの低い相手クリーチャーを一体破壊する!」
《ガイバーン》のパワーは8000、なので破壊できるのは、基本的にパワー7500以下のクリーチャーとなる。《ガイバーン》は標的に据えたクリーチャーへと、鋭い眼光を向けた。
「パワー7000の《ガイシュカク》を破壊!」
猛々しく《ガイバーン》が吠えると、振りかざした刀を一息で振り下ろす。刹那、爆炎が大地を割るかのごとく暴発し、《ガイシュカク》へと襲い掛かった。
『っ、《ガイシュカク》……!』
最後に飛び上がって、上空より天守閣を一刀両断に断ち割る。
それにより、難攻不落の熱血の要塞が変質した龍は、落城するのであった。
「さあ、これで厄介なドラグハートはいなくなったよ。《ガイバーン》の攻撃で《爆師匠 フィディック》を破壊! 続けて《グレンモルト》で《スコッチ・フィディック》も破壊!」
《ガイバーン》と《グレンモルト》、刀に封じられた龍と、その刀の持ち主がそれぞれ、師である《フィディック》を破壊する。
「ぐぅ……! 私のターン! 《開眼爆剣 アイラ》《龍覇 ストラス・アイラ》を召喚! 超次元ゾーンより《熱血剣 グリージーホーン》を呼び出し、《ストラス・アイラ》に装備! ……だが、ここまでか」
最後の最後まで無駄にターンを終わらせないフィディックではあるが、もはや勝敗は決している。
「俺のターン! 呪文《必殺!バトライ・フィンガー》で《ガイバーン》と《ストラス・アイラ》をバトル! そしてそのバトルで、俺の火のクリーチャーが勝利! 手札から《焦土の語り手 テイン》をバトルゾーンに!」
焦土の語り手 テイン 火文明 (5)
クリーチャー:ヒューマノイド/ボルケーノ・ドラゴン 4000
自分のコスト3以上の火のクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーを手札からバトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のパワー4000以下のクリーチャーを一体選び破壊する。
「遂に僕の出番だね。僕の登場時能力で、パワー4000以下の《アイラ》を破壊するよ!」
鞘から軍刀を抜き、《テイン》は炎の衝撃波と共に《アイラ》を切り裂く。
「《テイン》で最後のシールドをブレイクだ!」
「……S・トリガー発動《ドリル・トラップ》。《マッカラン・ファイン》を破壊」
さらに返す刀で残った一枚のシールドも叩き割る。その最後のシールドから出たS・トリガーも、もはや無意味だ。
そして、牙城は崩され、防壁は失われ、逃げることもできない敵将に、燃え盛る勝利の一閃が放たれる——
「——《猛烈将龍 ガイバーン》で、ダイレクトアタック!」
神話空間が閉じると、そこにフィディックの姿はなかった。
しかし足元を見てみると、何枚かのカードが落ちていた。
「《フィディック》と、ドラグハート・フォートレス……」
『受け取れ、少年。私を倒した戦利品だ』
拾い上げた《フィディック》は淡々と言う。
「いいの?」
『当然だ。戦いとは、勝者がすべてを手に入れ、敗者にはなにも残らない、そういうものだ。それに、あのテインと共にある貴様にも少し興味が湧いた。もう少し、お前たちを見ていたい』
「《フィディック》……ありがとう」
『こちらこそよろしく頼む……それと、テイン』
忘れないうちに、と《フィディック》はテインを指名する。
「どうしたんだい?」
『マルスの残したものがある。右4、下6だ』
「……隊長が残したもの、か」
《フィディック》に促されるまま、テインは壁面へと移動し、少しずつ手を動かしていく。そして、しばらくしてその手を止めた。
「ここかな……一体なんだろう、隊長が《フィディック》に託して、僕に残したものって……」
テインが手をかざすと、壁面の一部が燃えるような光を放ち始める。光は次第に強くなっていき、その強さが最大に達した時、弾けるようにフラッシュした。
「っ……なに? なにが起こったの? テイン?」
「一騎さん、手!」
「……?」
氷麗に言われて、自分の手に視線を落とす一騎。そこには、見覚えのないものがあった。
「え、なに、これ……」
気付けばなにか持っている。どこか見覚えのある物体。そう、たしかこれは、いつしかテインと出会った時、彼が眠っていた岩塊とよく似ている。似ているが、まったくの別物。
研磨されたかのような岩塊に、一本の刀剣が深く、深く突き刺さっていた——