二次創作小説(紙ほか)

42話「最終龍理.+3D龍解」 ( No.150 )
日時: 2014/11/03 21:08
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

 浬とラヴァーのデュエル。
 互いにシールドは五枚。
 浬の場には《一撃奪取 マイパッド》《アクア鳥人 ロココ》《龍素記号Bg ニュートン専用パンツァー》。
 ラヴァーの場には《純白の翼 キグナシオン》《聖龍の翼 コッコルア》。
「私のターン……《超過の翼 デネブモンゴ》を、召喚。効果で一枚ドロー……そして手札から、コスト3以下の光のクリーチャーを一体、バトルゾーンへ……《聖龍の翼 コッコルア》」
 二体目の《コッコルア》がラヴァーの場に現れる。
「俺のターンだ」
 場数ではラヴァーが上回ったが、しかし浬は表情を変えない。
 いやむしろ、不遜にさえ見える。
「……よし。お前には、俺の新しい切り札を見せてやる。《マイパッド》と《ロココ》の二体でコストを2下げ、《龍素記号Og アマテ・ラジアル》を召喚!」


龍素記号Og アマテ・ラジアル 水文明 (7)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見て、その中から、コスト4以下の水の呪文を1枚選び、山札をシャッフルしてからその呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
W・ブレイカー


 召喚されたのは、かの殿堂カード《蒼狼の始祖アマテラス》が、Ogの龍素記号を取り込むことで龍化した姿、《アマテ・ラジアル》だ。
 水文明の龍素によって龍化したため、従来のようなすべての文明の呪文を使うことはできなくなったが、代わりに《アマテラス》にはないパワーと打点を得ている。
 それを抜きにしても、水の呪文をタダで唱えられること、そして《ロココ》などのドラゴンのサポートを受けられるだけでも十分に強いのだが。
「《アマテ・ラジアル》の登場時能力によって、山札からコスト4以下の水の呪文を、コストを支払わずに唱える。それにより呪文《ヒラメキ・プログラム》を発動! 《アマテ・ラジアル》を破壊!」
 浬は山札から《ヒラメキ・プログラム》を唱え、召喚したばかりの《アマテ・ラジアル》を破壊する。《アマテ・ラジアル》のコストは7、つまり山札から出るのはコスト8のクリーチャー。
 山札がパラパラと捲られていく。するとやがて、その動きが止まり、狙ったカードが弾かれる。
「……来たか。《ヒラメキ・プログラム》で、捲られたコスト8のクリーチャーを呼び出す。《ニュートン専用パンツァー》を進化!」
 《ニュートン専用パンツァー》が光に包まれる。そしてその中で姿を変えていき、

「浬の知識よ、累乗せよ——《甲型龍帝式 キリコ3》!」

 新たな龍の方程式を示す。
 進化した《ニュートン専用パンツァー》は《キリコ3》となる。《アマテラス》を超えるプレミアム殿堂カード《エンペラー・キリコ》にも似ているが、その姿は完全に龍と化している。
 どころか、龍帝式によって生み出された存在ゆえに、リキッド・ピープル閃の力に適合するよう、そして彼らの力を十全に発揮できるよう、調整を施されている。
 いや、調整というには、その能力は完全に変質していた。
「《キリコ3》の能力で、俺の手札をすべて山札の下へ戻す。そして呪文が三枚出るまで山札を捲り、捲った呪文をすべて使うことができる」


甲型龍帝式 キリコ3(キュービック) 水文明 (8)
進化クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 13000
進化—自分の水のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて、好きな順序で山札の下に置く。その後、自分の山札の上から呪文が3枚出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せたそれ以外のカードをすべて山札に加えてシャッフルし、その後、その3枚の呪文をコストを支払わずに唱える。
T・ブレイカー


 その能力は、いわば《エンペラー・キリコ》の呪文版。陣形によって呪文の力を使いこなすリキッド・ピープル閃が生み出したドラゴンらしい能力と言えるだろう。
 浬は手札をすべて失ったが、代わりに山札を捲っていく。
 捲られた呪文、一枚目は《ブレイン・チャージャー》。二枚目は《幾何学艦隊ピタゴラス》。三枚目は《龍素解析》。
「いいカードだ。まずは一枚目の呪文《ブレイン・チャージャー》を唱え、一枚ドロー、チャージャーをマナへ。続けて二枚目の呪文《幾何学艦隊ピタゴラス》で《キグナシオン》をバウンス。マナ武装5発動で《コッコルア》もバウンスだ。最後に三枚目の呪文《龍素解析》、手札をすべて山札に戻す」
 またしても手札を山札に戻す浬。しかし今度は、戻した後にドローができる。
「そして四枚ドロー……その後、手札からコスト7以下の進化でないコマンド・ドラゴン場に出すことができる。《アマテ・ラジアル》をバトルゾーンへ」
 手札から踏み倒されるのは、二体目の《アマテ・ラジアル》。
「山札から呪文《ヒラメキ・プログラム》。《アマテ・ラジアル》を破壊し、コスト8のクリーチャーが出るまで山札を捲る……浬の知識よ、結晶となれ! 《龍素記号IQ サイクロペディア》をバトルゾーンに!」
 《アマテ・ラジアル》が閃いて現れたのは、今度はブロックされない《サイクロペディア》だ。
 これで浬の切り札が二体も並んだ。しかもハンドアドバンテージは、減るどころかむしろ増えている。
「《サイクロペディア》の能力で三枚ドロー。《キリコ3》でTブレイクだ!」
「《デネブモンゴ》でブロック……」
 浬の場にはTブレイカーの《キリコ3》とブロックされない《サイクロペディア》。まだ序盤でこの大型クリーチャー二体には、さしものラヴァーも厳しいだろう。
「……私の、ターン。《コッコルア》でコストを1下げて、《導きの精霊龍 サリヴァン》を召喚……カードを二枚ドローして……手札から、《キグナシオン》《サジトリオ》を、バトルゾーンに……ターン終了」
 とりあえず、ブロッカーで守備を固めるラヴァー。除去の乏しい光文明では、返しのターンにすぐさま大型クリーチャーを退かすことは難しい。なので今はまだ守るしかできないのだ。
 その間に、どんどん浬がリードしていく。
「随分と悠長なプレイングだが、俺の切り札はまだ他にある。俺のターン、《龍覇 M・A・S》を召喚!」
 水流から現れたのは、浬が多く呼び出していたドラグナー《メタルアベンジャー》によく似たクリーチャーだった。いや、似ているどころか同一人物。《メタルアベンジャー》が修業から帰った姿、《M・A・S》だ。
「《M・A・S》が場に出た時の能力で、《キグナシオン》をバウンスだ」


龍覇 M・A・S(メタルアベンジャーソリッド) 水文明 (6)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃/ドラグナー 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト4以下の水のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のコスト6以下のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。


 修行によりバウンス能力を得た《M・A・S》は、《キグナシオン》をラヴァーの手札へと送り返す。
「さらに超次元ゾーンから、コスト4以下の水のドラグハートを呼び出す」
 元の《メタルアベンジャー》と比べるとパワーが落ち、呪文への耐性もないので場持ちが悪くなってしまったおり、《真理銃 エビデンス》を装備しても除去の的になりやすい。
 ここで呼び出すのが、ドラグハート・ウエポンであるのなら、だが。
 《M・A・S》の発信する波動電波を受信した、水文明最強の基地、空母要塞が雲間を掻き分け、超次元の彼方より飛来する——

「来い、ドラグハート・フォートレス——《龍波動空母 エビデゴラス》!」