二次創作小説(紙ほか)

42話「最終龍理.+3D龍解」 ( No.151 )
日時: 2014/11/03 22:52
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

龍波動空母 エビデゴラス ≡V≡ 水文明 (4)
ドラグハート・フォートレス
自分のターンのはじめに、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分がカードを引いた時、それがそのターンに引く5枚目のカードであれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。


 ドラグナーの《M・A・S》に呼ばれ、超次元の彼方より、地上へと姿を現すのは水文明の誇る龍波動の力を蓄えた空母、《龍波動空母 エビデゴラス》だ。
 《M・A・S》は除去耐性に難があるが、《エビデゴラス》はドラグナーからは独立したドラグハート・フォートレス。《M・A・S》が除去されようと関係なく場に残り続ける。
「《エビデゴラス》をバトルゾーンへ。そして《キリコ3》でTブレイク!」
「《サジトリオ》でブロック……効果発動、山札を捲って……《栄光の翼 バロンアルデ》を、バトルゾーンへ。効果発動、マナを一枚追加……」
「なら《サイクロペディア》で攻撃! 《サイクロペディア》はブロックされず、シールドをWブレイクだ!」
 攻撃を通すにもひと苦労するラヴァーのシールドを二枚、《サイクロペディア》は削り取った。
「……S・トリガー発動」
 しかしその代わりに、ラヴァーにS・トリガーを与えてしまったが。どこからともなく、讃美歌のような音曲と歌声が響き渡る。
「《聖歌の聖堂ゾディアック》……《キリコ3》《サイクロペディア》《マイパッド》をタップ……そして、マナ武装5発動……タップしたクリーチャーは、次のターン初めにアンタップされない……」
「くっ……ターン終了だ」
 主要なアタッカーがフリーズされてしまった。それでも浬の場が優勢であることに変わりはないが、
「私のターン……呪文《ドラゴンズ・サイン》……手札からコスト7以下の、進化でない光のドラゴンをバトルゾーンへ出す……」
 この1ターンの隙は、ラヴァー相手では致命的だ。

「私が世界を支配する——《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》」

 光文明の龍の扉が開かれ、その中からラヴァーの切り札《ヴァルハラナイツ》が姿を現す。
「《ヴァルハラナイツ》が出たことで、《ロココ》をフリーズ……さらに《光陣の使徒ムルムル》を召喚……《ヴァルハラナイツ》の能力発動。今度は《M・A・S》を、フリーズ……」
「っ……!」
 《ゾディアック》からの《ヴァルハラナイツ》で、浬のクリーチャーをすべてフリーズさせてしまったラヴァー。これで浬のクリーチャーは、完全に動きを封じられる。
「《バロンアルデ》で《マイパッド》を攻撃……《コッコルア》で《ロココ》を攻撃……そして、《サリヴァン》で《M・A・S》を攻撃……」
 タップされた浬のクリーチャーが次々と破壊され、あっという間に半数以下にまで減らされてしまった。
「《キリコ3》と《サイクロペディア》はいるが、アンタップできないか……俺のターン」
 浬のターンの初め、ここで《エビデゴラス》の能力が発動する。
「《エビデゴラス》の能力発動、俺のターンの初めにカードを一枚ドロー。そして通常ドローだ」
 要は自分のターンにカードを二枚引く能力だ。派手な能力ではないが、除去されにくいフォートレスなので、長期的にハンドアドバンテージが約束されるというのは、長い目で見れば堅実かつ強力だ。
 それに、《エビデゴラス》そのものについても、この能力は重要である。
「《龍覇 ガンバランダー》を召喚! それにより、超次元ゾーンから《立体兵器 龍素ランチャー》を呼び出し《ガンバランダー》に装備!」


立体兵器 龍素ランチャー 水文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。


 《ガンバランダー》が装備したのは、氷結した龍の頭を模した遠距離兵器《龍素ランチャー》。一見すると普通のドラグハート・ウエポンだ。
 しかしカードを見てみると、普通のカードよりも三倍ほど厚みがある。
「さらに《ガンバランダー》を《クリスタル・ブレイダー》に進化! 続けてシンパシーでコストを3軽減し、呪文《スパイラル・フォーメーション》! 《ヴァルハラナイツ》をバウンス!」
 しかしそんな疑問はデュエルの中では消え去ってしまうもの。特にこれは神話空間内での、実体化したクリーチャー同士のデュエルだ。カードそのものについてなど、そうそう触れられはしない。
「《クリスタル・ブレイダー》で攻撃する時、《龍素ランチャー》の効果で一枚ドロー。そしてシールドをブレイクだ!」
「S・トリガーは……ない……」
 ブロックはせず、攻撃を通すラヴァー。これで彼女のシールドは残り二枚。
「ターン終了。そしてターン終了時に《龍素ランチャー》を装備した《クリスタル・ブレイダー》がタップされている。それにより《龍素ランチャー》の龍解条件成立だ!」
 《クリスタル・ブレイダー》は《龍素ランチャー》を高角砲の如く仰角へ傾ける。そしてその《龍素ランチャー》を、天高く撃ち出した。
「龍解はこちらから先に見せることになるか……まあいい。《立体兵器 龍素ランチャー》——2D龍解!」
 龍解、ではなく、2D龍解、と呼称する浬。
 捲られるドラグハートも、ただ単純に捲られるだけではない——広がった。比喩でも誇張でもなく、そのままの意味で、カードが広がったのである。実にカード二枚分の大きさだ。
 そして撃ち出された《龍素ランチャー》も、大空へ飛翔し、その姿を変形させる。
「天空へ飛び立て! 来い! 《龍素戦闘機 エウクレイデス》!」


龍素戦闘機 エウクレイデス 水文明 (4)
ドラグハート・フォートレス
自分の水のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンのはじめに、自分の手札が5枚以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。


 遥か天空より、高速で地上へ降り立つのは、その名の通り戦闘機のような姿をしたドラグハート——しかし、クリーチャーではない。コックピット部分に龍のような頭を持つが、それはクリーチャーではなかった。
 ウエポンから龍解したその先の姿は、クリーチャーではなくフォートレス。ウエポンからフォートレスへと龍解したのである。
「ターン終了。お前のターンだ」
「……私の、ターン」
 ドラグハート・フォートレスが二枚。いつ龍解するかも分からない二つの存在を意識しながら、ラヴァーはとりあえず、一番の脅威となり得る《キリコ3》《サイクロペディア》に目を向ける。
「……《コッコルア》を召喚。そして、二体の《コッコルア》で、コストを2軽減……」
 残るマナをすべてタップして、ラヴァーは《ヴァルハラナイツ》に続く切り札を呼び出す。

「私の世界の英雄、龍の力をその身に纏い、聖歌の祈りで武装せよ——《護英雄 シール・ド・レイユ》」

 神々しき聖歌がどこからともなく響き渡る。そしてその歌声と光のマナの力を得て武装した、英雄のクリーチャー《シール・ド・レイユ》が現れた。
「《シール・ド・レイユ》の、マナ武装7、発動……《キリコ3》と《サイクロペディア》を、シールドへ……」
 遂に《キリコ3》と《サイクロペディア》が、直接シールドに叩き込まれて除去されてしまった。
「さらに、《サリヴァン》で《クリスタル・ブレイダー》を攻撃……」
「クリーチャーを残させてはくれないか」
 しかし《ヴァルハラナイツ》を再び出されなかったのは僥倖だ。あのクリーチャーがいるだけで、恒久的に浬の攻撃は止められてしまうのだから。
「俺のターン。《エビデゴラス》の能力で一枚ドロー、そして通常ドロー。《蒼神龍ヴェール・バビロニア》を召喚」


蒼神龍ヴェール・バビロニア 水文明 (5)
クリーチャー:ポセイディア・ドラゴン/オリジン 4000
自分がカードを1枚引く時、1枚のかわりに2枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を1枚捨てる。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見て、その中から1枚選ぶ。相手はそれを自身の山札の一番下に戻した後、カードを1枚引く。


「効果でお前の手札から《ヴァルハラナイツ》を選択。山札の下に置け」
「…………」
 切り札を山札の底に送られ、少しだけ目つきを細めるラヴァー。
 その後にドローするので手札の総数は変わらないが、切り札を封じ込める変則的なハンデスだ。
「さらに《アクア大尉 ガリレオ・ガリレイ》召喚。ターン終了」
「……呪文《グローリー・スノー》。相手のマナが、自分より多いから……2マナ追加」
 一気にマナ数が浬を上回るラヴァー。
 そして、さらに彼女は仕掛けていく。
「《龍覇 レグルスピア》を召喚……超次元ゾーンから、コスト3以下の光のドラグハートを、バトルゾーンに……」
「出されたか。どの武器が出る……?」
「……武器じゃない」
 浬の言葉を、ラヴァーは短く否定する。
「フォートレスを使うのは、あなただけじゃないから……来て」
 そして天空より、神々しき賛美の歌声が響き渡った。

「——《浮遊する讃美歌 ゾディアック》」