二次創作小説(紙ほか)
- 42話「最終龍理.+3D龍解」 ( No.152 )
- 日時: 2014/11/04 09:14
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
浮遊する賛美歌 ゾディアック 光文明 (3)
ドラグハート・フォートレス
バトルゾーンにある自分の光のクリーチャーすべてのパワーは+1000される。
龍解:自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の光のクリーチャーが2体以上あれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
《レグルスピア》により呼び出されたのは、その名の通り、賛美の聖歌を奏でる、浮遊する教会だった。
ラヴァーも浬と同じように、ドラグハート・フォートレスを繰り出す。
「ターン、終了……」
「……俺のターン。《エビデゴラス》の能力でターン初めに一枚ドロー、その時《ヴェール・バビロニア》の能力で二枚引き、一枚を捨てる。次に通常ドロー、これも二枚引き一枚捨てる」
カードを引き終え、山札が残りわずかとなった浬。彼は自身の手札、マナ、墓地、シールド、そして山札へと順番に目を移していく。
「このカード枚数なら……《散舞する世界 パシフィック R》《アクア超人 コスモ》を召喚。さらに《ガリレオ・ガリレイ》のマナ武装5、発動。俺の呪文を唱えるコストを3軽減し、呪文《龍素の宝剣》。《ムルムル》とお前のマナにある《グローリー・スノー》をバウンス。そして《ガリレオ・ガリレイ》で攻撃、その時《エウクレイデス》の能力で一枚ドロー」
《エウクレイデス》は自分の水のクリーチャーが攻撃するたびにカードを引くことができる水のフォートレス。デッキ枚数が残り少ない状況で、無理にカードを引く浬だが、それには確固たる目的があった。
「このターンは俺は、《エビデゴラス》と《ヴェール・バビロニア》で二枚、通常ドローと《ヴェール・バビロニア》でさらに二枚、そしてこの《エウクレイデス》の効果で一枚、合計五枚のカードを引いた」
それはカードを引くこと。残りデッキが一枚になるまでカードを引き続け、浬はカードを五枚引いた。それにより、
「《龍波動空母 エビデゴラス》の龍解条件達成! 勝利へ導く方程式は完成した、これより最終証明に入る!」
《エビデゴラス》は浮上していき、空高くに移動する。そして、各部の動力炉から水のマナと龍素を放出、空母の全バイパスにエネルギーを流し込み、その姿を変形させる。
「勝利の方程式、龍の理を解き明かし、最後の真理を証明せよ。龍解——」
そして《龍波動空母 エビデンス》は、龍素を最大まで解放し、その力によって新たな姿を顕現させる——
「——《最終龍理 Q.E.D.+》」
最終龍理 Q.E.D.+ ≡V≡ 水文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 11000
自分のターンのはじめに自分の山札の上から5枚を見る。そのうちの1枚を山札の上に戻し、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。その後、カードを1枚引いてもよい。
自分の水のドラゴンはブロックされない。
W・ブレイカー
龍回避—このクリーチャーがバトルゾーンを離れるとき、バトルゾーンを離れるかわりに、フォートレス側に裏返す。
《エビデゴラス》が龍素の力を変換することで変形した姿——その名も《最終龍理 Q.E.D.+》。
そもそも《エビデゴラス》自体が《真理銃 エビデンス》と《幾何学艦隊ピタゴラス》を合体させたものであり、その二つの力を融合させることでさらなる真理、そして最後の龍の理へと辿り着いた存在だ。
「《エビデゴラス》を《Q.E.D.+》に龍解! 《ガリレオ・ガリレイ》で攻撃!」
「……《シール・ド・レイユ》でブロック……」
「まだだ! 《Q.E.D.+》で攻撃!」
「《バロンアルデ》でブロック——」
しようとしたが、しかし《Q.E.D.+》の攻撃はラヴァーのブロッカーをすり抜けていく。
「無駄だ。《Q.E.D.+》がいる限り、俺の水のドラゴンはブロックされない。《Q.E.D.+》でWブレイクだ!」
《Q.E.D.+》の砲撃が、ラヴァーのシールドを二枚撃ち抜く。
もしもこれでS・トリガーが出なければ、そのままブロックされなくなった《ヴェール・バビロニア》の攻撃で終わりだが、
「……S・トリガー《ヴァルハラ・マジック》……《ヴェール・バビロニア》をタップ……」
「決めきれなかったか……」
最後の一枚でS・トリガーが発動し、《ヴェール・バビロニア》がタップされてしまう。
「私のターン……このターンの初めに、私の光のクリーチャーは二体以上……《ゾディアック》の龍解条件成立……」
今度は《ゾディアック》が聖なる讃美歌を受け、その姿を変える。
「《浮遊する讃美歌 ゾディアック》、龍解……《賛美の精霊龍 ハレルヤ・ゾディア》」
そして現れたのは、槍を携え、教会と一体になった讃美歌の龍だ。
「呪文《ジャスティス・プラン》で、ジャスティス・ウイングとエンジェル・コマンドを手札へ……《協奏の翼 メダロ・アンドロム》を召喚。さらに《ハレルヤ・ゾディア》進化……《聖霊龍王 スタグネイト》。そして《スタグネイト》で、《ヴェール・バビロニア》を攻撃……ターン終了」
「それだけか。なら、このターンで俺の勝ちだ」
ラヴァーのターン、《Q.E.D.+》を除去できなかったことで浬の勝利がほぼ確定する。なぜなら、《Q.E.D.+》はブロックされず、ラヴァーのシールドはゼロ。
だがそれ以前に、浬のデッキは残り一枚。ターン初めのドローで負けになるが、
「《散舞する世界 パシフィック R》の効果発動。俺の手札と墓地をすべて山札に戻し、新たに三枚ドローする」
散舞する世界(ワールド・リセット) パシフィック R 水文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジ 5000
自分のターンのはじめに、このクリーチャーと自分の手札と自分の墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、カードを3枚引く。
浬のデッキは度重なるドローで山札の減りが激しい。その対策、それと《エビデゴラス》を龍解させるために投入しているアウトレイジ。このカードで三枚、《エビデゴラス》の追加ドローで一枚、通常ドローで合計五枚引き、山札切れを回避しつつ龍解させようという魂胆だ。
これでライブラリアウトは回避した。あとはアンブロッカブルの《Q.E.D.+》でとどめを刺すだけだ。
「終わりだ。《最終龍理 Q.E.D.+》で、ダイレクト——」
——アタック、と言おうと思ったところで、浬は気付いた。
《Q.E.D.+》がタップされたままであることに。
「っ、これは……!」
タップし忘れていたわけではない。ローカルルールではターン初めのアンタップを忘れるとそのままというルールがあるが、この神話空間内でのデュエルは、アンタップもタップもドローも、基本的なことはほぼすべてオートで行われる。なのでターン最初にアンタップを忘れるということはありえない。
ならばなぜか。その理由は、ラヴァーのバトルゾーンにあった。
聖霊龍王 スタグネイト 光文明 (5)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 10500
進化—自分の光のドラゴン1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーがタップしている時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーは相手のターンのはじめにアンタップされない。
「……《スタグネイト》がタップされていれば……相手クリーチャーは、ターン初めにアンタップされない……」
「アンタップされないだと……? くっ、そんな方法で《Q.E.D.+》を止めるとはな……! だったら、《龍覇 メタルアベンジャー》を召喚! 《真理銃 エビデンス》を装備!」
《Q.E.D.+》が止められると、今度は《メタルアベンジャー》から《エビデンス》を呼び出す。
「続けて、シンパシーでコストを下げ、呪文《エナジー・フォーメーション》! カードを二枚ドロー」
そして手札補充。これで水のクリーチャーを一体、水の呪文を一枚使った。
「さらに《アクア隠密 アサシングリード》を召喚! 俺のマナはすべて水文明、《スタグネイト》をバウンス!」
次々とカードを使用していき、これで水のカードを三回使った。《エビデンス》の龍解条件は満たされた。
「《パシフィック R》で攻撃! 《エウクレイデス》の効果で一枚ドロー!」
「《シール・ド・レイユ》でブロック……」
一見無意味な攻撃。無駄に《パシフィック R》が破壊されてしまったが、これにもれっきとした意味がある。それが分かるのは次の浬のターンだ。
だがその前に、
「このターン、俺は水のクリーチャーを二体、水の呪文を一回使った。よって《エビデンス》の龍解条件達成!」
《メタルアベンジャー》が《エビデンス》を空高く掲げる。そして、龍素を最大まで充填した銃身を、天空へ解き放つ。
「勝利の方程式、龍の素なる解を求め、王の真理を証明せよ——龍解」
放たれた《エビデンス》は、中空でその姿を変形させていく。龍素によって、新たな姿を得る。
「——《龍素王 Q.E.D.》!」
すべての龍素を統べる、王へと変貌した。
「龍解——完了。お前のターンだ」
「…………」
《Q.E.D.+》に《Q.E.D.》、浬の新旧両方の切り札が場に揃ってしまった。
「……呪文《ドラゴンズ・サイン》、手札から《天運の精霊龍 ヴァールハイト》をバトルゾーンに。そして、効果で山札の上から二枚見る……そのうち一枚を手札に、一枚をシールドに」
ここまで浬は、数多くの新しい切り札を見せて来た。
しかし、新しい切り札を持つのは、浬だけではないのだ。
「……《サリヴァン》を進化」
「っ、なんだ……?」
急に、場が静かになった。酷く感覚的なものではあるが、どことなく沈黙が訪れたように感じる。
そして《サリヴァン》が光に包まれる。その中から、現れるのは——
「私の世界に沈黙を——《聖霊龍王 アルカディアスD》」