二次創作小説(紙ほか)
- 烏ヶ森編 11話「怠惰の城下町」 ( No.155 )
- 日時: 2014/11/06 19:22
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
一騎とFINALカイザーのデュエル。
シールドは一騎が五枚、FINALカイザーが四枚と、一騎が一歩リード。
一騎の場には《一撃奪取 トップギア》と、《熱血剣 グリージーホーン》が装備された《龍覇 ストラス・アイラ》。
一方FINALカイザーの場には《ポーク・ビーフ》と《ブラッディ・メアリー》。
龍解したい一騎だが、FINALカイザーのブロッカーがそれをさせてくれないこの状況。どうにかして二体のブロッカーを突破したいところだ。
「俺のターン、ドロー」
ここで、一騎はこの状況を打開するカードを引き込むことに成功した。
「よしっ、これなら行ける! 頼んだよ、《爆師匠 フィディック》を召喚!」
『任せよ、少年。私の能力で、味方のドラグハート、及びドラグナーのパワーを+3000!』
それにより、《ストラス・アイラ》のパワーは7000となり、FINALカイザーのブロッカーたちを上回った。
「《ストラス・アイラ》で攻撃!」
「ヴゥゥ……! ヴゥッ!」
その攻撃は《ポーク・ビーフ》に防がれる。一騎の攻撃はこれで終わりだが、しかしターン終了時に、《グリージーホーン》を装備した《ストラス・アイラ》がタップされているので、
「龍解条件達成! 《熱血剣 グリージーホーン》龍解——《熱血龍 リトルビッグホーン》!」
熱血剣 グリージーホーン 火文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーはタップされていないクリーチャーを攻撃できる。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
熱血龍 リトルビッグホーン 火文明 (5)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 5000
このクリーチャーは、タップされていないクリーチャーを攻撃できる。
《ストラス・アイラ》の携える炎熱の剣《グリージーホーン》は、灼熱の龍《リトルビッグホーン》へと龍解する。
龍解前後共に淡泊な性能のドラグハートだが、2コストのドラグハートサイクルは、その軽さとカードの種類に依存しない龍解条件が強みなのだ。ほとんどのドラグナーから呼び出すことができ、特定のカードがなければ龍解ができなかったり、困難であるという事態が起こりえない。その文明が本来持たない能力——火文明にブロッカー能力や、光文明にハンデス能力——を付加させることができ、ただ攻撃して生き残るだけで龍解できるのだ。
デッキの核になるほどのカードパワーはないが、取り回しが良く、超次元ゾーンに置けるカードならではの、臨機応変で汎用性の高い点が魅力である。
「龍解、完了! これでターン終了だよ」
「ヴヴゥ……ウゥゥ……!」
FINALカイザーは《コッコ・ドッコ》と二体目の《ブラッディ・メアリー》を召喚し、ターン終了。
「俺のターン! 呪文《ネクスト・チャージャー》で手札を入れ替えて……《爆打者 猛トラック》を召喚。《リトルビッグホーン》で《コッコ・ドッコ》を攻撃!」
「ヴゥ……!」
《コッコ・ドッコ》への攻撃は《ブラッディ・メアリー》がブロックし、守る。
どうやら、相手としては《コッコ・ドッコ》はどうしても守りたいようだ。
「でも、破壊手段はない……なら、とにかく攻める! 《フィディック》でシールドをブレイク!」
「ヴウゥゥ……ッ! ウゥッ!」
《フィディック》が切り裂いたシールドが光の束となり、収束した。そして収束した光の中から地獄の門が開き、悪魔の手が伸びる。
「狙いは《ストラス・アイラ》……なら《フィディック》のウルトラ・セイバーで守るよ!」
しかし《デス・ゲート》は身代わりのクリーチャーが破壊されても、復活能力は使用可能だ。墓地から《ポーク・ビーフ》が蘇る。
「《リトルビッグホーン》はいるし、できるだけブロッカーは減らしておきたい……《ストラス・アイラ》で攻撃!」
「ヴウゥ!」
その攻撃は《ポーク・ビーフ》が防ぎ、相打ちとなった。
FINALカイザーのターン。呪文《キリモミ・ヤマアラシ》が発動され、続けて《コッコ・ドッコ》が爆散する。
そして、口寄せによって呼び出された、銀河級の破壊力を持つ剣を携える黒き龍が現れる。
「ヴ……ヴヴヴヴヴヴ、ヴゥゥゥゥゥ……ッ!」
THE(ザ) FINAL(ファイナル)カイザー 闇文明 (10)
クリーチャー:ブラック・コマンド・ドラゴン/ハンター 21000
G・ブレイカー(このクリーチャーは、相手のシールドをすべてブレイクし、その攻撃の後、自分のシールドをすべてブレイクする)
「な、うわ……初めて見た……!」
パワーと打点、両方で圧倒的破壊力を備えた闇のコマンド・ドラゴン。その姿に一騎は戦慄するが、そんな暇はない。《キリモミ・ヤマアラシ》でスピードアタッカーと化した《FINALカイザー》が即座に襲い掛かる。
『ヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!』
銀河を超越する力を秘めた剣を一振りし、その衝撃ですべてのシールドが吹き飛ばされる。
「くぅ……!」
相手のシールドをすべて吹き飛ばし、その後に自分のシールドもすべて破壊するG・ブレイカー。その一撃で一騎のシールドは勿論、《FINALカイザー》のシールドも破られる。
破壊力は抜群だが、その分、自分への被害も大きいG・ブレイク。一騎の場にはアタッカーが三体いるので、返しのターンには決められる——と、考えるのは流石に浅はかだ。
『ヴウウウウウッ! ヴゥ! ウゥッ!』
砕かれた《FINALカイザー》の三枚のシールドがすべて、光の束となり収束する。
「S・トリガーを多く積んでいたのか……!」
発動したS・トリガーは《凶喜にして凶器なる一撃》《魔狼月下城の咆哮》《インフェルノ・サイン》の三枚。
《凶喜にして凶器なる一撃》で《リトルビッグホーン》が、《魔狼の月下城の咆哮》で《トップギア》と《猛トラック》が破壊され、そして《インフェルノ・サイン》によりブロッカーの《ヌイヌイ・グルグル》が蘇った。
これでブロッカーが二体。双方ともにシールドはゼロだが、一騎の場には本当になにもないのだ。あるのは無駄に増えた手札と、決して多いとは言えないマナ。
次のターンで決めないと、とどめを刺される。
「俺のターン……!」
生憎、一騎のデッキにはブロッカーなどという気の利いたクリーチャーはおらず、こんな時に限ってシノビもドラグナーもいない。つまり、次のターンで決めないと、どうしたって負け確定だ。
「…………」
一騎は手札をジッと見つめる。次に、《FINALカイザー》のクリーチャーを見遣る。
そして、
「……《爆轟 マッカラン・ファイン》召喚!」
まずはクリーチャー一体目。《マッカラン・ファイン》を召喚する。あと二体アタッカーを出せれば、マナ武装5で一騎のクリーチャーはすべてスピードアタッカー。とどめまで行けるが、残念なことに一騎のマナは残り3マナ。速攻でもなく1マナのクリーチャーなど積んでいないので、流石にあと二体は無理だ。
ならばどうするか。アタッカーが足りないのなら——ブロッカーを減らせばいい。
「呪文《メテオ・チャージャー》! 《ヌイヌイ・グルグル》を破壊!」
火のマナをエネルギー源とし、隕石が降り注ぐ。その隕石に押し潰され《ヌイヌイ・グルグル》は破壊された。
しかし《ヌイヌイ・グルグル》はファンキー・ナイトメア。タダで死ぬようなクリーチャーではない。
『ヴッ!』
《ヌイヌイ・グルグル》は破壊されると、相手の手札を捨てさせる。捨てさせる手札こそ相手が選ぶが、なかなか面倒な能力だ。
しかしこの時は、その能力が仇になることもある。
「破壊された《ヌイヌイ・グルグル》の効果で俺は手札を捨てる……捨てるのはこれだ!」
熱血提督 ザーク・タイザー 火文明 (8)
クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 7000
相手の呪文またはクリーチャーの効果によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中からヒューマノイド爆とコマンド・ドラゴンをすべて自分の手札に加え、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
相手のカードによって手札から捨てられると場に出るクリーチャー群、いわゆるマッドネスと呼ばれるドラゴン、《ザーク・タイザー》。
登場時に手札補充ができるが、この場合、手札補充はあまり関係がない。
「《熱血提督 ザーク・タイザー》をバトルゾーンに! これでアタッカーが二体だよ!」
《メテオ・チャージャー》で破壊するだけではアタッカーが足りなかったが、これでとどめまで持って行くことができる。
「《ザーク・タイザー》でプレイヤーを攻撃!」
『ヴゥ……ッ!』
一回目は《ブラッディ・メアリー》に防がれる。
しかし、二度目はない。
「《マッカラン・ファイン》で、ダイレクトアタック!」