二次創作小説(紙ほか)
- 43話「ラヴァー再戦」 ( No.164 )
- 日時: 2014/11/18 19:35
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
かくして始まった、暁とラヴァーのデュエル。
「《不屈の翼 サジトリオ》を、召喚……」
「呪文《ネクスト・チャージャー》! 手札は入れ替えないでチャージャーをマナに!」
「……呪文《ジャスティス・プラン》……ジャスティス・ウイングと、エンジェル・コマンドを、手札に……」
「呪文《メテオ・チャージャー》! 《ムルムル》を破壊して、チャージャーをマナに!」
序盤は堅実に動くラヴァーと、マナを増やして飛ばしていく暁。後のための準備という面では共通しているが、動き方はまるで違う。
「……《龍覇 レグルスピア》を、召喚……《浮遊する讃美歌 ゾディアック》を、バトルゾーンへ……」
ラヴァーはドラグハート・フォートレスを呼び出す。除去の得意な火文明だが、フォートレスを場から退かすのは難しい。微量とはいえラヴァーのクリーチャーのパワーが上がれば、バトルに勝つことも難しくなってしまう。派手さはないものの、地味に厄介なカードだ。
「《偽りの名 バルキリー・ラゴン》を召喚! 山札から《怒英雄 ガイムソウ》を手札に!」
暁のデッキの核となる切り札の一つ、《ガイムソウ》を手に入れる。あとは、もう一枚の切り札が来れば完璧だ。
「……私の、ターン。このターンの初めに、私の場に、光のクリーチャーが二体……よって、《ゾディアック》の龍解条件、成立……龍解」
浮遊する教会は、その姿を変えていく。多くの聖歌と祈りを受け、秘めた力が解き放たれ、本来の姿を現す。
「——《賛美の精霊龍 ハレルヤ・ゾディア》」
賛美の聖霊龍 ハレルヤ・ゾディア 光文明 (6)
ドラグハート・クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 5000+
バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべてのパワーは+1000される。
自分のターンの終わりに、バトルゾーンにある自分のクリーチャーをすべてアンタップする。
「……さらに、《高貴の精霊龍 ペトローズ》を、召喚……ターン、終了……」
「私のターン!」
手札には既に《ガイムソウ》がいる。そしてここで、あのカードが引ければ——
「——来ったぁ! さあ一気に決めるよ!」
「…………」
狙い通りのカードを引き当てた暁。
そんな彼女を見て、ラヴァーはほんの少しだけ、表情を変える。
「暁の先に並ぶ英雄、龍の力をその身に宿し、熱血の戦火で武装せよ! 《怒英雄 ガイムソウ》を召喚!」
七枚のマナをタップして現れるのは、真紅の鎧に身を包んだ英雄《ガイムソウ》だ。
「《ガイムソウ》のマナ武装7発動! 手札から火のクリーチャーを一体、タダで出せる!」
『早速お出ましかぁ……飛ばすぜぇ!』
突如、暁のマナが怒り狂ったかのように燃え盛った。《ガイムソウ》のマナ武装により、その炎は《ガイムソウ》を取り囲み、そしてその中から一体の龍を呼び出す。
巨大で、圧倒的で、勝利を呼び込む龍を。
「暁に先に、歴史を残せ——《勝利天帝 Gメビウス》!」
《ガイムソウ》のマナ武装の力を得て呼び出されたのは、《Gメビウス》。
先ほど、暁が手に入れたばかりのカードだ。
場に出ると《Gメビウス》は、雄々しく吠える。その姿は、まるで勝利を呼んでいるかのようだった。
そして暁は、《Gメビウス》たちと共に、すぐさま攻勢に転じる。
「《Gメビウス》で攻撃! その時、パワー6000以下の《サジトリオ》を破壊!」
「《サジトリオ》が破壊されたから、山札を捲って……《栄光の翼 バロンアルデ》。コスト3以下のブロッカーだから、出す……マナ、追加……ブロック……」
しかし、一度のブロックでは意味がない。
「《Gメビウス》は、ターン中初めてタップしたらアンタップする! つまり二回攻撃ができるんだよ! 《Gメビウス》でもう一度攻撃! 今度は《ペトローズ》を破壊! そして、シールドをTブレイク!」
ラヴァーのブロッカーが消え去り、《Gメビウス》の強烈な一撃が叩き込まれる。さらに、
「《バルキリー・ラゴン》でWブレイク!」
続けて《バルキリー・ラゴン》の攻撃も決まり、ラヴァーのシールドは一瞬でゼロになってしまった。
一気に優位に立つ暁。しかし、暁の割った最後のシールドが、光の束となって収束し——
「——S・トリガー……《ヘブンズ・ゲート》・手札から光のブロッカー……《栄光の翼 バロンアルデ》、そして」
天国の門扉が開かれる時、正義を掲げた使者と、もう一体。正義を執行する龍が舞い降りる——
「私の世界に奇跡を起こす——《蒼華の精霊龍 ラ・ローゼ・ブルエ》」
蒼華の精霊龍 ラ・ローゼ・ブルエ 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7500
ブロッカー
自分のドラゴンが攻撃またはブロックした時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
W・ブレイカー
光以外の呪文によって相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
天門より降り立った光の龍は、青い薔薇の花びらを散らせる、高貴なる龍、《ラ・ローゼ・ブルエ》。
自分のドラゴンの攻撃とブロック時にシールド追加、そして自身は光以外の呪文では選ばれないという、かなり強固な防御性能と除去耐性を持つクリーチャーである。
「っ……ターン終了。《ガイムソウ》の効果で出た《Gメビウス》は手札に戻すよ」
序盤からチャージャーを連打し、高速で《Gメビウス》を繰り出して勝つつもりだったが、やはりそう上手くは行かず、攻め切れない。どころか反撃の準備を手助けしてしまったようにも思える。
(いやいや、あと2マナ溜めればもう一回《Gメビウス》出せるんだし、大丈夫)
そう自分に言い聞かせ、ターンがラヴァーに移る。
「……《救護の翼 フィルミエ》《龍覇 アリエース》を、召喚……超次元ゾーンから、《革命槍 ジャンヌ・ミゼル》を、《アリエース》に装備……」
革命槍 ジャンヌ・ミゼル 光文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
「《ジャンヌ・ミゼル》の能力で、《ガイムソウ》を、タップ……」
『ちぃ!』
《アリエース》の持つ、鈍く光る槍の力でタップされてしまう《ガイムソウ》。無防備を晒すこと強要され、舌打ちする《ガイムソウ》。
「……《ラ・ローゼ・ブルエ》で、《ガイムソウ》を攻撃」
『くそが……っ!』
そこに《ラ・ローゼ・ブルエ》の一撃が放たれ、《ガイムソウ》はあえなく破壊されてしまった。しかも、
「私のドラゴンが攻撃したから……《ラ・ローゼ・ブルエ》の、能力、発動……シールドを追加」
なにもないシールドゾーンに蒼薔薇が咲き、なくなったラヴァーのシールドが一枚、増やされる。
「さらに、《ハレルヤ・ゾディア》で、《バルキリー・ラゴン》を、攻撃……」
《ハレルヤ・ゾディア》自身のパンプアップ効果で、《ハレルヤ・ゾディア》のパワーは6000。《バルキリー・ラゴン》とは相打ちだが、《フィルミエ》がセイバー能力で身代わりとなる。
「この攻撃で、《ラ・ローゼ・ブルエ》の能力、発動……シールドを追加……」
「せっかく全部割ったのに、二枚も増やされるなんて……!」
《Gメビウス》の連続攻撃から、即座に体勢を立て直すラヴァー。
しかし、暁もまだまだ食いついていく。
「厄介なのは《ラ・ローゼ・ブルエ》……でも、光の呪文じゃないと選べない……」
暁の手札には今、《天守閣 龍王武陣》があるが、これではなにを手に入れようとも破壊できないのだ。
「ターン終了……そして、《ハレルヤ・ゾディア》の能力で、私のクリーチャーはすべて、アンタップ……」
攻撃後も隙を見せず、ラヴァーはさらに守りを盤石なものとする。これでは殴り返しも出来ない。
「でも、放っておいたらどんどんシールド増やされちゃうし、ここは……これだ! 《爆竜 GENJI・XX》召喚!」
今しがた引いたばかりのカードを、投げつけるようにして場に出す暁。
《ラ・ローゼ・ブルエ》は光以外の呪文では選べないが、クリーチャーの能力でなら選ぶことができる。つまり、クリーチャーでなら破壊できるのだ。
「《GENJI》で攻撃! その能力で《ラ・ローゼ・ブルエ》を破壊! 頼むよ、《GENJI》!」
『承知いたした! 斬!』
空中を翔け、二刀流の十字の刀を振るう《GENJI》。気勢を発しながら、《ラ・ローゼ・ブルエ》を一刀両断にした。
「よしっ! さらにシールドもWブレイク!」
「《バロンアルデ》でブロック……」
シールドこそ削れなかったが、ラヴァーの敷こうとしていた鉄壁布陣をいち早く崩すことができた。それだけでも大きな成果だ。
「…………」
しかし、この程度で終わるラヴァーでもない。
彼女はさらに、守備の砦を築いていく——今度は盾ではなく、支配によって。
「私が世界を支配する——《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》」