二次創作小説(紙ほか)

烏ヶ森編 12話「太陽山脈」 ( No.170 )
日時: 2015/05/20 23:18
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: rGbn2kVL)

 ミシェルとジーク・キャヴァリエのデュエル。
 ジーク・キャヴァリエは早くも場に《蒼天の翼 ラウ》《救護の翼 フィルミエ》《ポッピ・ラッキー》と、場数を揃えていた。
 一方、ミシェルの場には《白骨の守護者ホネンビー》が一体。
「《救援の翼 サスペーガ》を召喚」


救援の翼 サスペーガ 光文明 (4)
クリーチャー:ジャスティス・ウイング 3000
マナ武装 5:自分のコスト3以下のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンに光のカードが5枚以上あれば、カードを1枚引いてもよい。


「3コスト以下を対象とした置きドローか。厄介だけど、除去はできないな……」
 生憎ながら、今のミシェルの手札に、《サスペーガ》を退かすことのできるカードはない。
 手札補充はさせたくないが、今は見逃すしかないだろう。
「あたしのターン。《アラゴト・ムスビ》を召喚! マーシャル・タッチで《ホネンビー》を手札に戻して、1マナ加速!」
「私のターン。《超過の翼 デネブモンゴ》を召喚。その能力で、カードを引き、今しがた引いた《栄光の翼 バロンアルデ》を場へ。《バロンアルデ》の能力で、マナを追加だ」
「あくまで守りを固めるか。だったら、ここらで攻めるか……《ホネンビー》を召喚! 山札の上から三枚を墓地へ送り、墓地の《爆砕面 ジョニーウォーカー》を回収! そのまま《ジョニーウォーカー》を召喚し、即破壊!」
 《ジョニーウォーカー》は、ヒューマノイド爆がビーストフォーク號と手を組み、現れたクリーチャー。
 場に出た時に自身を破壊する。そうすることで、マナを肥やすか、敵クリーチャーを破壊するかを選択できる。いわば、《霞み妖精ジャスミン》と《自爆屋ギル・メイワク》をまとめて選択制にしたようなクリーチャーだ。
「選択するのはマナ加速だ。1マナ追加し、これであたしの墓地にクリーチャーが六体! G・ゼロ達成! 出て来い《百万超邪 クロスファイア》!」
 ちょうどミシェルの墓地にはクリーチャーが六体いる。先の《ジョニーウォーカー》の自壊で、G・ゼロ条件が満たされたのだ。
「《クロスファイア》でシールドをWブレイク! 続けて、《アラゴト・ムスビ》でシールドをブレイク!」
「ぬ……!」
 ミシェルの猛撃を受け、ジーク・キャヴァリエのシールドは一気に二枚まで減らされてしまった。
「なかなかの攻撃だ。だが、その程度では、まだ温い」
「なに?」
「S・トリガー発動、《グローリー・スノー》。貴様のマナゾーンカードが、私のマナゾーンのカード枚数を上回っている。よって、山札の上から二枚を、マナゾーンに置かせてもらおう」
 これでジーク・キャバリエのマナが一気に増える。 
 ただマナが増えただけで、場にはなんの変化もない。しかし、なにかミシェルは嫌な予感を覚えた。
「では、私のターンだ。まずは《ラウ》を召喚。コスト3以下のクリーチャーなので、《サスペーガ》の能力で一枚ドロー」
 今までと同じようにクリーチャーを並べていくジーク・キャヴァリエ。しかし今回は、その先がある。

「そして、ここから制裁の本懐と行こう——《ラウ》を進化! 《聖霊龍王 ジーク・キャヴァリエ》!」



聖霊龍王 ジーク・キャヴァリエ 光文明 (6)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 11500
ブロッカー
進化−自分の「ブロッカー」を持つクリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー
自分の他の、「ブロッカー」を持つ光のクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにこのクリーチャーの下に置いてもよい。
メテオバーン—このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを10枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、自分はゲームに勝つ。



「出やがった……!」
 《聖霊龍王 ジーク・キャヴァリエ》。ブロッカーから進化する、巨大な進化エンジェル・コマンド・ドラゴン。
 高いパワーとそれなりの打点、ブロッカーという防御能力を備えているが、このクリーチャーの真の力はそこにはない。
 このクリーチャーの真価。それはメテオバーンだ。《ジーク・キャヴァリエ》は光のブロッカーが破壊されるたびに、そのクリーチャーを自分の下へと取り込む。そしてその枚数が十に達した時に攻撃し、メテオバーンを発動すると、そのままゲームに勝利してしまうのだ。
 いわゆる、エクストラウィン能力。条件が厳しいが、相手はブロッカーだらけ。普通に殴っていても、攻撃は通らず、メテオバーンの種を補充されてしまうだけだ。
「どうにかして除去したいが、それも難しいか……」
 その理由の一つは、ここまで大型クリーチャーだと、ミシェルのデッキでは除去手段が限られること。今すぐに倒せるというわけではない。
 そしてもう一つが、相手の場にいる、小さな光の鳥——《ポッピ・ラッキー》だ。



ポッピ・ラッキー 光文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード 2000
相手がバトルゾーンのクリーチャーを選ぶ時、自分のドラゴンを選ぶことはできない。



 自身のドラゴンをアンタッチャブルにする白いファイアー・バード、《ポッピ・ラッキー》。
 このクリーチャーがいるせいで、さらに除去難度は上がる。この鳥自体が囮のような役割を担うため、先にこちらから除去しなければならないのだが、そんなにもたもたもしていられない。
『さらに場にはエンジェル・コマンド・ドラゴンたる私がいる。G・ゼロ発動《巡霊者ウェビウス》を召喚。《サスペーガ》の能力でカードを引き、二体目の《ウェビウス》を召喚! そして、私で《クロスファイア》を攻撃!』
「っ、ちぃ……!」
 相手の攻撃が放たれ、そこでミシェルも対戦に意識が戻る。
 小型ブロッカーを一気に展開されたばかりか、《ジーク・キャヴァリエ》の攻撃で、《クロスファイア》がやられた。
 ミシェルの攻め手が一つ、潰されたのだ。
『続き、《ラウ》で《アラゴト・ムスビ》を攻撃! 相打ちだ』
 次に《ラウ》が《アラゴト・ムスビ》を攻撃し、《アラゴト・ムスビ》も反撃に出て、両社とも破壊される。
 《アラゴト・ムスビ》は墓地へ。そして《ラウ》は、《ジーク・キャヴァリエ》に吸収される。
『破壊された《ラウ》は私の下へと送り込まれる』
 まずは二枚目。これで、あと八枚。
 ミシェルの敗北へのカウントダウンは、残り八だ。