二次創作小説(紙ほか)
- 51話/烏ヶ森編 18話 「暁vsラヴァー」 ( No.190 )
- 日時: 2015/06/28 21:04
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 0qnzCmXU)
「《龍覇 グレンモルト》召喚!」
爆発するような炎をかき分けて現れたのは、火文明のドラグナー《グレンモルト》。
登場時にコスト4以下のドラグハートを呼び出し、それがウエポンならば自分自身が装備する能力を持つ。そんな彼の獲物は、剣だ。
火文明の龍の力が込められた数々の剣を操る彼だが、《グレンモルト》が剣を振るえても、暁が呼ぶ《グレンモルト》が同様に剣を振るうことができるわけではない。
ゆえに、今回ばかりは、暁なりの、暁だからこその剣を、彼に授ける。
「来て! 《爆熱剣 バトライ刃》!」
遥か彼方の銀河の先にある、太陽の如き爆熱の中から、一振りの剣が解き放たれる。
それは剣というにはあまりに荒々しく無骨だが、しかし、同時に熱い魂を感じ取ることができた。
「《バトライ刃》を《グレンモルト》に装備!」
《グレンモルト》は、友の魂が込められたその剣を、しっかりと握りしめる。
「続けて、私の場には火のドラグナーがいるから、G・ゼロ発動! 呪文《暴龍警報》! 《グレンモルト》をスピードアタッカーに!」
これで、暁の攻撃準備は整った。
「さぁ、行くよ! 《グレンモルト》で攻撃! その時、《バトライ刃》の能力発動!」
爆熱剣 バトライ刃 ≡V≡ 火文明 (3)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せてもよい。それが進化でないドラゴンか進化でないヒューマノイドであれば、バトルゾーンに出す。それ以外なら山札の一番下に置く。
これを装備したクリーチャーは攻撃されない。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、ドラゴンをバトルゾーンに出していれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。
《バトライ刃》から放たれる熱気が、暁の山札を飛ばす。そして、暁は飛ばされた一枚のカードを、掴み取った。
これが《バトライ刃》の熱血に応えられるクリーチャーであれば、その熱き魂に続くことができる。そしてそれがドラゴンならば、龍解条件も満たされるのだ。
果たして、捲られたカードは、
「……ドラゴンじゃないけど、ヒューマノイド爆! ニ体目の《グレンモルト》だよ!」
残念ながら《バトライ刃》で捲れたのは、ヒューマノイド爆の《龍覇 グレンモルト》。ドラゴンではないため、龍解条件が満たされないが、ヒューマノイドではあるので、問題なくバトルゾーンに現れる。
そして《グレンモルト》が場に出たということは、またドラグハートが出現するということだ。
「《グレンモルト》の能力で、今度は超次元ゾーンから、コスト4のドラグハート・フォートレス——《大いなる銀河 巨星城》をバトルゾーンに!」
今度呼び出すのは、武器ではなく、要塞。
銀河を内包したかの如き火文明の巨大な城、《巨星城》だ。
《巨星城》を呼び出すと、一体目の《グレンモルト》が《バトライ刃》を振りかざす。
「続けるよ。《グレンモルト》でシールドをブレイク!」
《バトライ刃》を振り下ろし、《グレンモルト》はラヴァーのシールドを一枚、切り裂いた。
しかしそのシールドは、瞬く間に光の束となり、収束する。
シールドから飛び出たのは、一体の龍だった。
「……S・トリガー、発動……《記憶の精霊龍 ソウルガルド》」
「!」
「《バトライ刃》を、超次元ゾーンに……」
《ソウルガルド》の光を浴び、《グレンモルト》に装備された《バトライ刃》が、超次元ゾーンへと還ってしまった。
本来《ソウルガルド》は、コスト5以下のカードをシールドに埋める能力を持つが、この能力の真価は、選ぶ対象がクリーチャーではなく、カードであること。
つまり、除去することが難しいドラグハートを、直接除去できるのだ。特に《バトライ刃》は装備したクリーチャーの殴り返しを防止する能力があるが、武器を失ったグレンモルトは、これで無防備なった。
「……ターン終了だよ」
「私の、ターン……《高貴の精霊龍 ペトローズ》を召喚……」
これで、ラヴァーのドラゴンはパワーが4000上昇する。バトルが得意な火文明とはいえ、これは苦しいだろう。
しかも《グレンモルト》は《バトライ刃》を失い、殴り返しへの耐性がなくなっているのだ。
「《ソウルガルド》で、《グレンモルト》を攻撃……」
「くぅ、《グレンモルト》……!」
《ペトローズ》によって強化された《ソウルガルド》が、《グレンモルト》を破壊する。
《グレンモルト》はバトル時にパワーが3000上昇し、7000となるのだが、《ペトローズ》によって《ソウルガルド》のパワーは10000。《グレンモルト》は簡単に討ち取られてしまった。
「さらに、《アリエース》で、シールドをブレイク……ターン終了、する時」
ターンの終わりに、《ウルオヴェリア》を装備した《アリエース》がタップされているので、龍解条件は満たされた。
《ウルオヴェリア》に秘められた、天使龍の力が解放される。
「《神光の龍槍 ウルオヴェリア》、龍解……《神光の精霊龍 ウルティマリア》」
神光の龍槍 ウルオヴェリア 光文明 (2)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーは「ブロッカー」を得る。
龍解:自分のターンの終わりに、これを装備したクリーチャーがタップされていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
神光の精霊龍 ウルティマリア 光文明 (5)
ドラグハート・クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
「っ、まだ、まだだよ! 私のターン! 《爆竜 バトラッシュ・ナックル》召喚! その能力で《ペトローズ》とバトル!」
号砲のような《バトラッシュ・ナックル》の雄叫びがこだまし、《バトラッシュ・ナックル》はその鋭い鉤爪で、《ペトローズ》を引き裂く。
《ペトローズ》の能力は、自分自身には適応されないため、《バトラッシュ・ナックル》に戦闘破壊されてしまった。
さらに、ここからが、戦闘龍たる彼らの本領発揮だった。
「まず、私の火のクリーチャーがバトルに勝ったから、《巨星城》の能力発動! カードをドローするよ!」
《巨星城》は味方の火のクリーチャーがバトルで勝利するたびに、恩賞として、カードを引くことができる。
血気盛んゆえに、バトルが得意だが手札が枯渇しやすい火文明にとっては、非常にありがたい一枚だ。
そして、《バトラッシュ・ナックル》の勝利は、《巨星城》の能力を発動させるだけにとどまらない。
仲間の勝利は、さらなるドラゴンを呼び出す引き金となる。
「暁の先に、勝利を刻め——《爆竜勝利 バトライオウ》!」