二次創作小説(紙ほか)
- 73話 「憤怒紛争地帯」 ( No.257 )
- 日時: 2015/10/05 00:15
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: arA4JUne)
葬英雄 ゲンセトライセ 闇文明 (6)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 7000
マナ武装 5:自分のターンの終わりに、このクリーチャーが自分の墓地にあり、自分のマナゾーンに闇のカードが5枚以上あれば、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、このクリーチャーをバトルゾーンに出す。
マナ武装 7:このクリーチャーが攻撃する時、自分のマナゾーンに闇のカードが7枚以上あれば、自分の墓地から好きな枚数のファンキー・ナイトメアをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
W・ブレイカー
煉獄刃 ヘルフエズ 闇文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは−6000される。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、相手のクリーチャーが破壊されていれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。
煉獄宮殿 ヘルクライム 闇文明 (7)
ドラグハート・フォートレス
自分の闇のクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは−6000される。
龍解:相手のクリーチャーが破壊された時、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。
破壊した《ゲンセトライセ》は蘇り、ドラグハート・ウエポンは龍解し、フォートレスへと変わってしまった。
ペースをライに引き寄せられつつあるガナルドナル。この自分に悪い流れは、彼の苛立ちを加速させ、さらなる怒りを積み重ねる。
「《オタカラ・アッタカラ》召喚! 山札からカードを二枚墓地へ送り、呪文《復活のトリプル・リバイブ》! 墓地から《ジル・ワーカ》《ポーク・ビーフ》《ボンバク・タイガ》をバトルゾーンに蘇らせる! さらに手札から《ボンバク・タイガ》を召喚!」
ガナルドナルは、墓地から一気にクリーチャーを蘇らせる。
「《ボンバク・タイガ》の能力で、お前の《ボンバク・タイガ》のパワーを3000下げて破壊だ! さらに、《パックポック・ピッグ》は墓地のファンキー・ナイトメアの数だけパワーが1000加算される! 今、俺の墓地にファンキー・ナイトメアは九体! パワー10000となり、Wブレイカーだ! シールドをWブレイク!」
「……《ボンバク・タイガ》を召喚。《パックポッグ・ピッグ》のパワーを−3000」
「っ、また小賢しいことを……! だが、その程度では《パックポック・ピッグ》は破壊できんぞ!」
「《ゲンセトライセ》で《パックポッグ・ピッグ》を攻撃……能力発動」
攻撃と同時に《ゲンセトライセ》は、英雄としての力を発動させる。
ライのマナが黒く光を放ち、《ゲンセトライセ》は墓地へと手をかざした。そして、墓地が蠢く。
「マナ武装7……私の墓地から、コスト合計が5以下になるように、ファンキー・ナイトメアをバトルゾーンに。墓地から《オタカラ・アッタカラ》《爆弾団 ボンバク・タイガ》をバトルゾーンに。さらに、《ヘルクライム》の能力も発動。《ボンバク・タイガ》を破壊し、《パックポッグ・ピッグ》のパワーをさらに−6000」
「なっ、ぐ、このアマ……!」
二体の《ボンバク・タイガ》に《ヘルクライム》のパワー低下が累積し、《パックポッグ・ピッグ》のパワーは合計で12000マイナスされる。《バックポッグ・ピッグ》は遂に負荷に耐え切れなくなり、その身体は消滅した。
だが、破壊の連鎖は、罪の怨嗟は終わらない。
この時の死が、憤怒の罪にさらなる罰を与える。
「……貴方のクリーチャーが破壊された時」
「あ?」
「《ヘルクライム》が……龍解します」
刹那。
煉獄の魔宮が、蠢く。
ゴゴゴゴゴ、と地鳴りを起こすかのように、震える。
それは、内に秘めた龍の力が高まる証左だった。
「貴方の罪を、数えましょう」
彼女は歌うように、彼の断罪を告げる。
「私の罪と、比べましょう」
そして——
「——二人一緒に、罰しましょう」
時が来た。
断罪の時が。
「憤怒の罪に、殺界の罰を——龍解」
《ヘルクライム》に秘められた、龍の魂が、解放される——
「——《大殺壊 ヘルセカイ》」
大殺壊 ヘルセカイ 闇文明 (10)
ドラグハート・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 12000
このクリーチャーが攻撃する時、自分のクリーチャーを好きな数、破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、相手のクリーチャーを1体破壊する。
T・ブレイカー
龍回避—このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンに自分の他のクリーチャーが1体もいなければ、かわりにこのドラグハートをフォートレス側に裏返す。
《ヘルクライム》がその姿を変形させ、龍へと成り変わる。
それは、正に世界。半身に悍ましき悪魔龍の頭を擁し、血のような深紅に染まった双刃を携えた、魔神の龍。
すべての運命を闇で塗り潰す、大殺界の支配者。
この存在が顕現した瞬間、すべては煉獄に飲み込まれる定めとなる。
「《ヘルセカイ》で攻撃……する時」
刹那、《ヘルセカイ》が大鎌を振るう。
まずは、味方へと。
「私のクリーチャー……《ウルボロフ》《ゲンセトライセ》《オタカラ・アッタカラ》《ボンバク・タイガ》を破壊。そして、その数だけ、貴方のクリーチャーにも罰を与えます」
殺害という、死の罰を。
《ヘルセカイ》は大鎌を振るう。
次は、ガナルドナルのクリーチャーへと。
「んな……ッ!?」
一瞬にして、ガナルドナルのクリーチャーは、全滅した。
続けて、三枚のシールドが、一斉に砕かれる。
「クソが……ッ! S・トリガー《凶殺皇 デス・ハンズ》を召喚! 《ヘルセカイ》を破壊だ!」
「…………」
砕かれたシールドから、《デス・ハンズ》が現れる。
かの者も黒き鎌を振るい、煉獄の世界を悪魔の手で葬る。
「ハァ、ハァ……ハッ、ざまぁ、ねぇな。結局はただのクリーチャー、破壊すれば、簡単に死ぬ……!」
数多の魔手に抱かれた《ヘルセカイ》は、その身を崩していく。ボロボロと、ガラガラと、身体が壊れる。
双刃の大鎌は地に落ち、宮殿の如き意匠の身体は、縮こまるように収縮していき——
「……龍回避、発動……」
——大殺界の支配者は、再び煉獄の宮殿の姿へと戻る。
「あぁ!?」
「私のバトルゾーンに、他のクリーチャーが存在しない時、《ヘルセカイ》の龍回避が発動します……フォートレスの姿、《ヘルクライム》へ」
「んだと……!? クソがッ!」
悪態をつくように拳を握りしめるガナルドナル。ライの切り札を、《ヘルセカイ》を無力化したかと思ったが、そう簡単に《ヘルセカイ》が終わらない。
破壊されようとも、塗り潰された運命は変えられないのだ。もはや、この世界は闇に飲まれつつある。
「《束縛の守護者ユッパール》! 《ポーク・ビーフ》を召喚! 《デス・ハンズ》で最後のシールドをブレイクだ!」
《デス・ハンズ》の鎌がライの最後のシールドを切り裂く。
これで彼女を守る盾はなくなった。だがしかし、それでも構わない。
彼女は今、ひたすら破壊を為すだけだ。
「《白骨の守護者ホネンビー》を召喚……山札の上から三枚を墓地へ。墓地から《爆弾団 ボンバク・タイガ》を手札に加え、召喚。《ユッパール》のパワーを−3000、破壊です」
《ボンバク・タイガ》が、《ユッパール》を爆破する。
《ユッパール》が破壊された。
ガナルドナルのクリーチャーが、破壊されたのだ。
つまり、
「……《ヘルクライム》の龍解条件、達成です」
相手クリーチャーが破壊されたことで、《ヘルクライム》が再び鳴動する。
「3D龍解——《大殺壊 ヘルセカイ》」
そして、現れた。
大殺界を統べる存在が。
《大殺壊 ヘルセカイ》が。
「《ヘルセカイ》で攻撃……《ホネンビー》と《ボンバク・タイガ》を破壊します。それにより、貴方の《デス・ハンズ》と《ポーク・ビーフ》も破壊です」
柄の両端にある刃を振るい、味方を切り裂く《ヘルセカイ》。
殺されたクリーチャーの無念は、闇よりも深い怨恨となり、来たるべき運命の時を加速させる。刹那のうちまでに、その運命へと近づける。
すべての生ける者に訪れる、“死”という運命に。
運命に抗えないガナルドナルのクリーチャーたちは、否応なしにその運命を受け入れる。
即ち、すべて死に至る。
さらにはシールドも、すべて粉砕された。
この戦場には、何も残っていない。
《ヘルセカイ》という、暗黒に染まった運命の支配者を除いては。
『クソガアァァァァァァァァァァァッ! 俺様を、《憤怒の悪魔龍 ガナルドナル》を召喚ッ! 死にやがれッ! 《ヘルセカイ》ッ!』
「龍回避——《ヘルセカイ》を《ヘルクライム》へ」
怒号が響き渡る。ありったけの激憤を込めて、溢れ出る衝動のままに、すべての怒りをぶちまける。
だが、それでも、『死神』という『断罪者』には、その怒りは届かない。
微塵も響くことなく、断罪の刃を振るう。
「呪文《魔狼月下城の咆哮》……《ガナルドナル》を破壊します」
『グ、ガアァァァァァァァァァァッ!』
「3D龍解——《大殺壊 ヘルセカイ》」
《ガナルドナル》の破壊。
それは、世界潰えた後に残る宮殿を、再び突き動かす。
そして三度顕現する、《大殺壊 ヘルセカイ》。
命も、肉体も、運命すらも破壊し、闇の世界に染め上げる、世界の在り方とも言える存在。
《ヘルセカイ》は今、ライの命に応じ、すべてを壊す。
「これで……終わりです」
『が、ぐ、ぐあぁぁ……畜生ガァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!』
怒り狂った断末魔の叫び。
「《大殺壊 ヘルセカイ》——貴方の刃で、断罪を」
それが、ガナルドナルの最期だった。
「憤怒の罪、断罪しました——」