二次創作小説(紙ほか)
- 76話 「月影神銃」 ( No.264 )
- 日時: 2016/03/15 03:23
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: Ak1jHfcH)
月影神銃 ドラグノフ 闇文明 (8)
進化クリーチャー:ダークロード/ドラゴン・ゾンビ 9000
進化—自分の《月影の語り手 ドライゼ》1体の上に置く。
メソロギィ・ゼロ—バトルゾーンに自分の《月影の語り手 ドライゼ》または《ドラグノフ》と名のつくクリーチャーがおらず、自分のダークロードまたはコマンド・ドラゴンを含む闇のカードのコストの合計が12以上なら、進化元なしでこのクリーチャーをバトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーはバトルゾーン以外のゾーンにある時、進化でないクリーチャーとしても扱う。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見る。その中から1枚選んで、持ち主の墓地においてもよい。
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から3枚を見て、その中からカードを3枚まで選んで持ち主の墓地に置き、残りを好きな順序で山札の一番上に戻してもよい。こうしてカードを墓地に置いた場合、墓地にあるコスト7以下の闇の呪文を1枚、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、その呪文を持ち主の山札の一番下に置く。
自分の闇のクリーチャーが破壊される時、自分の墓地にあるそのクリーチャーと同じコストの闇のカードを1枚、山札に戻してシャッフルしてもよい。そうした場合、そのクリーチャーは破壊されるかわりにバトルゾーンにとどまる。
W・ブレイカー
月光を浴び、月影より出ずる者がいた。
黒い外套を纏い、身の丈を超えるほどに長大な銃を携えた狙撃手。
その姿は、正に影。光の中に、明瞭な闇を浮かび上がらせるほどの、黒い影となる存在だった。
『なにをしたかは知らぬが、それがどうした! 今更なにが出て来ようと、俺の渇望を妨げさせはしない! その女は——俺が頂く』
刹那。
「っ!」
沙弓に巻き付いていた鎖が急激に蠢く。そのまま足首を磨り潰さんばかりの勢いで彼女の身体を這い、太腿を辿り、さらに上へと昇っていく。
さらには他の鎖までもが、沙弓の腕、肩、胸、腹へと取りつき、彼女を取り込まんとばかりに、そして犯さんとばかりに締め、縊り、引きこんでいく。
「っ——」
思わず、手を伸ばす。
圧倒的で凌辱的な邪淫の力。とても抗えないほどに強大な力。
万力のように締め上げ、とても沙弓一人では抜け出すことはできない、渇望の束縛。
だが。
影が、閃く。
『————』
一瞬にして、沙弓を縛る鎖はすべて切り落とされていた。
その先にいるのは、黒き狙撃手。
長く、太く、そして巨大な狙撃銃の銃身、その先端には刃が屹立している。
『……おい』
低い声が響く。
射抜くような声。そして、射殺すような視線が、《アスモシス》に突き刺さる。
『俺の女に手を出すな』
そして彼は、銃を構えた。
パァンッ
『ッ!?』
狙撃銃から放たれた一発の弾丸が、《アスモシス》の手元を撃ち抜く。
その手を掠め、そして彼の知識たる手札を、撃ち落とした。
『今のはほんの威嚇射撃だ。次は、頭をぶち抜くぞ』
銃口から黒煙を吐き出し、彼は吐き捨てるようにそう言って、銃を下した。
「あ、ありがとう……」
『気にするな。俺はただ、俺のすべきことをしただけだ』
背をそむけたまま、彼は言う。
なにかを言いたげな表情。しかし、今はまだその時ではない。
今すべきことは、ただ一つ。
「……それじゃあ、やりましょうか、《ドラグノフ》。今までの仕返しをね」
『あぁ。主人をここまで傷つけた罰は、あの淫乱野郎に受けてもらわないとな』
互いに顔を見合わせ、頷き合い、動き出した。
「まずは《ドラグノフ》で《アスモシス》を攻撃!」
主が攻撃を命じる。
その瞬間《ドラグノフ》は狙撃銃を構えた。スコープを覗き、トリガーに手をかけながら、撃つべき敵を見据える。
『標準設定、目標補足。重力、風向、湿度、その他要因による補正零……最高のショットだ』
「《ドラグノフ》で攻撃する時、能力発動! 《ドラグノフ》は攻撃時、山札の上から三枚を見て、その中の好きなカードを墓地に落とせる……《ロマノフ・ホール》と《デッド・リュウセイ》を墓地に置くわ。そして、こうした場合——」
ガコン、と《ドラグノフ》はレバーを引き、弾丸を装填する。
真っ黒に染まった、一発の弾丸を。
『さぁ、行くぜ。次弾装填! 発射!』
そして、トリガーを引いた。
狙撃銃から一発の弾丸が放たれる。だが、それはただの銃弾ではない。
闇の力が込められた魔弾。失われた魔術を取り戻す、魔法の弾丸だ。
「——墓地からコスト7以下の闇の呪文を、タダで唱えられる! 墓地から呪文《超次元ロマノフ・ホール》!」
《ドラグノフ》が放つ魔弾は、暗黒の銃弾となり、戦場を飛来する。
その弾丸は自害の意志を持つものを貫き、射殺す魔弾。そしてその意志は、否応なしに持たされる。
「さあ、破壊するクリーチャーを選びなさい」
『チィ……俺も奴もパワーは9000、相打ち狙いか』
苦い顔をする《アスモシス》。だがその口元は、すぐ淫らに歪む。
『ならば、《タイガマイト》を破壊だ!』
《アスモシス》の命によって《タイガマイト》が爆散する。
そして、その余波が超次元の穴を生み、新たなクリーチャーを呼び込むのだった。
「超次元から出て来なさい! 《時空の悪魔龍 ディアボロス ZZ》!」
《ドラグノフ》の放つ《ロマノフ・ホール》から出るのは、別世界を支配する最悪の悪魔——それがまた別の世界で、龍としての存在する姿。
まだその凶悪さは内に秘めているが、それでも滲み出る禍々しい空気が、アスモシスを威圧する。
それでも《アスモシス》は己の罪を忘れない。
その罪を放出し、死をもたらす。
『俺の能力によって、俺のクリーチャーが破壊されるたびに、貴様は自身のクリーチャーを一体破壊しなければならない! さあ、生贄を選べ!』
《アスモシス》もタダでは死なない。彼の渇望が再び牙を剥き、沙弓たちへと襲い掛かる。
一度は恐怖した、邪淫への渇望という大罪。
数多の悪霊たちが押し寄せ、死を要求する。悍ましく果てない渇望の死を。恐怖を喚起する邪淫の死罪を。
だが今は、その恐怖も消え失せた。その程度の渇望は、取るに足らない軽罪である。
「あんなこと言ってるけど、どうする?」
『生贄か。そんなもののために、仲間を見殺しにできるものか——“俺が”生贄となろう』
仲間の死を否定し、《ドラグノフ》が、その身を捧げる。
《アスモシス》の渇望の毒牙が、罪深き邪淫が、《ドラグノフ》を死へと追いやる。
大罪の力が、押し寄せる。
『さぁ死ね! 《ドラグノフ》!』
『死ぬ? なにを言っているんだ』
数多の悪霊が、縛鎖が、そして大罪が、《ドラグノフ》を包み込む。
その先に待つのは、死という顛末。
如何なるものでも逃れることのできない運命が、加速する——
『俺はもう、誰も死なせやしない……仲間も、主も、そして——俺自身さえも』
——その時だ。
「《ドラグノフ》の能力発動!」
大罪に包まれた瘴気の中で、《ドラグノフ》は銃口を向ける。
《アスモシス》に、ではない。己にだ。
「さぁ、訪れる死に抗いましょう……墓地の《ガナルドナル》を、山札へ」
沙弓は墓地に落ちていた《ガナルドナル》を拾い上げ、山札に押し込んだ。
そして、光が差す。
決して煌びやかではない。どこか陰りを感じ、それでいて穏やかな光。
その光と共に瘴気が消え、そしてそこには、《ドラグノフ》が立っていた。
『な……なに……!? どういうことだ!?』
『俺は一人じゃない。死んだ仲間たちの無念も背負って、こうしてここに立っている。そしてそれは、俺だけでない。俺たちは、戦死した仲間たちと共に、戦っている』
彼は欠けた月を満ちさせるべき、影。欠けた三日月を、半月を、満月に成すべき存在。
それゆえに、
「《ドラグノフ》は墓地の同コストのカードを山札に戻せば、クリーチャーの破壊を無効化できる……誰も、死なせはしないわ」
《ドラグノフ》のコストは8。沙弓は墓地の《ガナルドナル》——コスト8のカードを山札に戻すことで、《ドラグノフ》の破壊を無効化した。
《アスモシス》の渇望は、月影を語り、その神話を受け継ぐ者には、届かなかった。
直後に月影の継承者と邪淫の悪魔龍の戦闘が起こる。銃の先端に黒い刃を装着し、銃剣を《アスモシス》へと突き込む。《アスモシス》も鎖を伸ばし、《ドラグノフ》を縛り首にするが、
『墓地の《デストロンリー》を山札へ! 《ドラグノフ》は破壊させないわ』
「ぐぬぅ……!」
訪れる死を、《ドラグノフ》は否定する。
いくら《アスモシス》が死を渇望しようとも、それは彼らの下へは訪れない。《ドラグノフ》の魔弾は、あらゆる生命を救い、死を超越する。
死に抗い、欠けた月を満たすかのように。
「ぐ、ぐぅ……クソッ、クソが! せっかくいいところまで満たされた俺の渇望が! 俺の欲望が、快楽が! すべて台無しじゃねえか! 畜生が!」
不満を、鬱憤を、満たされない情欲と渇望を、アスモシスは半狂乱になりながら、叫び散らす。
あと一歩で彼の渇望は満たされたことだろう。しかし、それが達成される直前で、邪魔された。
この上なく、不服であることだろう。
「墓地進化! 《暗黒の悪魔神ヴァーズ・ロマノフ》を召喚! その能力で、《クラクランプ》破壊!」
『させねぇっての』
《ドラグノフ》は、銃を《クラクランプ》へと向ける。
《ヴァーズ・ロマノフ》によってその身を破砕された《クラクランプ》。その身に向けて、銃口を向け、引き金を引いた。
『死なせてたまるかよ、俺の仲間をな』
「墓地の《超次元リバイヴ・ホール》を山札に戻して、《クラクランプ》は破壊させないわ!」
死にゆく《クラクランプ》は、《ドラグノフ》魔弾によって一命を取り留める。散った身体は再生し、魂はとどまり、戦場へと立ち続ける。
『ぐ、くそが……!』
『俺の魔弾は、神話の命の代替にすらなる。お前程度の雑魚が、その生を塗り潰せるものか』
意趣返し、と言わんばかりに《ドラグノフ》は、アスモシスに高圧的に言い放つ。
《ドラグノフ》が存在する限り、沙弓のクリーチャーを破壊することは困難だ。どうしたって、その破壊は防がれてしまう。
このまま攻めようにも、《ディアボロス ZZ》が睨みを利かせており、攻め込めない。
ここに来てアスモシスは、防戦を強いられることとなってしまったのだった。
「《ブラッディ・メアリー》を召喚し、ターン終了……!」
「私のターン……この時、マナゾーンから闇のカードを三枚、墓地に落とすわ」
沙弓のターンが訪れる。
マナゾーンにあった《ボーンおどり・チャージャー》《魔狼月下城の咆哮》《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》の三枚を墓地へと落とす沙弓。
これは単なるディスアドバンテージではない。これは儀式だ。
最凶最悪の悪魔龍が、究極の姿へと覚醒するための、生贄だ。
「これにより、《ディアボロス ZZ》の覚醒条件が満たされたわ」
《ディアボロス ZZ》の覚醒条件。それは、ターン初めに自分の闇のクリーチャー、またはマナゾーンにある闇のカードを、合計で三枚墓地に落とすこと。
「《時空の悪魔龍 ディアボロス ZZ》——覚醒」
墓地へと落ちた三つの闇の力を糧に、破壊の悪魔は覚醒する。
時空を超え、神話の力すらも受け入れ、究極の姿へと成る——
「——《究極の覚醒者 デビル・ディアボロス ZZ》!」
時空の悪魔龍 ディアボロス ΖΖ ≡V≡ 闇文明 (10)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 9000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
相手のクリーチャーの能力によって、相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
覚醒—自分のターンのはじめに、バトルゾーンとマナゾーンにある自分のカードの中から合計3枚選び、墓地に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
究極の覚醒者 デビル・ディアボロス ΖΖ ≡V≡ 闇 (20)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 23000
このクリーチャーが攻撃する時、相手の光のクリーチャー、水のクリーチャー、闇のクリーチャー、火のクリーチャー、自然のクリーチャーを1体ずつ破壊する。
Q・ブレイカー
解除
「《デビル・ディアボロス ZZ》で攻撃! その時、相手の各文明のクリーチャーを一体ずつ破壊! 《ブラッディ・メアリー》を破壊よ!」
すべてを無へと還す、破壊の咆哮が轟く。
あらゆる文明を消滅させる破滅は、《ブラッディ・メアリー》を跡形もなく消し飛ばした。
「そして、シールドをQブレイク!」
さらにその力は強大無比。クリーチャーを破壊するだけでなく、アスモシスのシールドすらも、すべて消し去ってしまう。
「クソッ、クソッ、クソがぁ! 俺の、俺の渇望は、まだ満たされてねぇんだよおぉぉぉぉぉぉぉっ! S・トリガー! 《魔狼月下城の咆哮》! 《地獄門デス・ゲート》! 《凶殺皇 デス・ハンズ》!」
《デビル・ディアボロス ZZ》の一掃したシールドが、光の束となり収束する。
そこから現れるのは、魔狼の雄叫びで、獄門からの誘いで、死神の魔手である。
これほどまでに追いつめられてもなお、渇望するアスモシス。邪淫の大罪の深さは、思っていた以上に深淵だった。
「死ねぇ! 《ドラグノフ》ッ!」
『……だから、何度も言ってんだろうが』
だが、それでも、
『俺はもう、誰も死なせねえって決めたんだよ』
月影の光は、その深淵を照らし出す。
「墓地の《フォーエバー・オカルト》《デッド・リュウセイ》《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》を山札に戻して、《ドラグノフ》は破壊させない!」
《ドラグノフ》に死が訪れる。
しかしそれは、墓地より這い出した闇の霊魂が塞ぎ止めた。
『サンキュー、リュウセイ。恩に着るぜ』
『気にするな、ネバーマインド。それよりも、俺の分もあいつをぶっ飛ばして来い! クラッシュ!』
咆哮を掻き消し、獄門を閉ざし、魔手を受け止めるリュウセイ。
その魂を乗り越え、《ドラグノフ》は再び銃を構える。
今度は遮蔽物の存在しない、目標を直接狙える、絶好の位置を望み、狙いを定める。
あとは仲間がそこまで敵陣を突破し、誘導するだけだ。
「《デス・ゲート》の能力で、《ブラッディ・メアリー》を復活だ! まだ、まだ俺の渇望は満ち足りねぇ! まだ終わらねぇんだよ!」
地獄の扉から、自分が犯した悪夢の人形を呼び戻す。
罰を受けた彼女は、罪に従わなくてはならない。しかし、主たる罪の思い通りにはならず、罰を受ける彼女の望みは果たされる。
その顛末は、既に見えていた。
「《ウラミハデス》で攻撃!」
「《ブラッディ・メアリー》でブロック!」
「なら《クラクランプ》で攻撃! 最後のシールドをブレイクよ!」
アスモシスを守る最後の盾が砕かれる。
これで条件は揃った。狙撃手にとって最も好都合なフィールドが出来上がる。
あとはただ、撃つだけだ。
罪を滅する、罰の魔弾を。
「《ドラグノフ》で攻撃! 山札の上から三枚すべてを墓地に置いて、墓地から呪文《魔狼月下城の咆哮》! 《デス・ハンズ》のパワーを−3000! さらにマナ武装5で《ヴァーズ・ロマノフ》を破壊よ!」
ガコン、とレバーを引き、魔弾を装填。
すぐさまトリガーを引き、魔弾を射出。
まっすぐ飛ぶ弾丸は、沙弓のマナゾーンの闇の力を得て、魔狼の咆哮となり、《デス・ハンズ》と《ヴァーズ・ロマノフ》を消滅させる。
「が、ぐ……クソッ! こんな……こんな、俺の渇望が満たされないようなこと、やってられっかよ!」
「っ、逃げた……!?」
突如、アスモシスが飛び立つ。
魔弾から、戦いから、現実から——そして、あらゆる罰から、逃れるように。
『——逃がすかよ』
しかし即座に《ドラグノフ》が動く。
レバーを引き、ガコン、と弾丸を装填する。
引き金を素早く引き、一発の銃弾が飛ぶ。
その弾は、アスモシスの翼の根元を、撃ち抜いた。
「ぐは……っ!」
『もう一発だ』
ガコン。
装填、そして直後に射出。
今度は、もう片方の翼を撃ち飛ばす。
両翼を破られ、もはやアスモシスは動くことができない。
そんなアスモシスを、《ドラグノフ》は踏みつける。
『敵前逃亡は銃殺刑……それに、後ろから撃たれても文句は言えねぇ、ってな』
「が、ぐ……!」
『俺はアルテミスの神話を受け継ぐ。ライの奴じゃねぇが、その引き継ぎとして、あいつの罪だけでも贖っておくべきだろう。つまりは……そう、断罪だ』
罪を裁き、罰を与える。
すべてを渇望する、邪淫の大罪を、断罪する時だ。
『沙弓……いいか?』
「……えぇ、いいわ」
主の許可も下りた。
それにより、正式にアスモシスの断罪が始まる。
『俺としては、沙弓を嬲ったお前には個人的な恨みもある……だからちっとばかし、手荒く裁かせてもらうぜ』
《ドラグノフ》は手にした銃の銃口をアスモシスに向け、銃身をその口に突っ込んだ。
「っ、む、がぁ……!」
即座に昇天する構図。痛みは一瞬、苦しみはない。
それが、罪とはいえかつて彼女の心の一部だったものに対する、敬意だった。
『……あばよ』
そして、引き金を引いた。
カチリ、という音に導かれ、銃声が響き渡る。
「《月影神銃 ドラグノフ》で、ダイレクトアタック——」