二次創作小説(紙ほか)

109話「仲間と友」 ( No.322 )
日時: 2016/02/19 21:42
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: 9Mczrpye)

 眠りから目覚めた《古代王 ザウルピオ》。すべての古代龍を統べるかの王は、大地の大槌を振りかざす。
 柚のシールドはゼロ。ブロッカーもいない。障壁となるものは存在しない。
 ——《ザウルピオ》を除いては。
(《ザウルピオ》がいる限り、私はダイレクトアタックができない……《エバーラスト》の能力でも、《ザウルピオ》の効果を無効にすることはできない……)
 《エバーラスト》が無効化できるのは、クリーチャー自身の攻撃できない“能力”。《ザウルピオ》のように後から付加された“効果”までは無効化できない。
 つまり、恋はどうにかして《ザウルピオ》を除去しなければ、柚にとどめが刺せないのだ。
「なら……呪文《マスター・スパーク》。相手クリーチャーを、すべてタップ……」
「……っ」
 眩い閃光が放たれる。その光は、柚のクリーチャーをすべて、地にひれ伏させる。
 無防備を晒す古代龍たちは正義の名の下に裁かれる。盟約に従い、恋のクリーチャーたちは動き出した。
 《エバーラスト》の矛先が、《ザウルピオ》へと向けられる。
「これで終わり……、《エバーラスト》で《ザウルピオ》を攻撃……破壊」
 輝く槍が《ザウルピオ》の身を貫く。
 絶対的な正義の前では、古代の栄光も塵芥と同じ。いくら古代龍を統べる王と言えども、容易く滅される。
 しかし、
「させませんっ! セイバー発動ですっ!」
 突如、《ザウルピオ》の身が木葉のように舞い散る。
 槍が貫通した空間はただの虚空だ。
 いや違う。
 よく見れば、蛙の面を被ったドラグナーが、《エバーラスト》の長槍の切っ先に突き刺さっていた。
 しかし《ザウルピオ》を貫いてはいない。古代王は柚の傍に付き、彼女を守るように座している。
「……どうして……?」
「《ケロスケ》のセイバー発動ですっ! 《ケロスケ》を破壊して、《ザウルピオ》を守りますっ!」
「セイバー……?」
 小さな戸惑いを見せる恋。柚の言っていることが分からない。
 《ケロスケ》の能力はドラグハートの呼び出しと、自身の強化。セイバーなどは持ち合わせていないはず。そのため、《ザウルピオ》を守ることは不可能だ。
 しかし現実では、《ケロスケ》が《ザウルピオ》の身代わりとなっている。
 その事実に、恋は困惑していた。
「《メイプル》さんの能力です。わたしの自然のクリーチャーはぜんぶセイバーになって、自然のドラゴンを守れますっ」
「セイバー付加……」
 つまり《メイプル》が味方にセイバー能力を与えることで、《ザウルピオ》は守られたのだった。
 面倒な能力だと思ったが、それだけならまだ手はある。
「だったら……倒れるまで殴り続ける……《ネバーラスト》で攻撃」
 単なるセイバーだけならば問題はない。相手クリーチャーが尽きるまで、攻撃を続ければいいだけだ。
 《エバーラスト》に続き、《ネバーラスト》の槍が、再び《ザウルピオ》を突き刺す——
「《メイプル》さんっ!」
『あぁ、仲間の死は無駄にはしない。もう、私の仲間を、傷つけさせはしない』
 ——はずだった。
 《ザウルピオ》を貫通した《ネバーラスト》の槍。しかし、貫かれた《ザウルピオ》の身体は、木葉が舞い落ちるように散った。
 槍が貫いた空間に《ザウルピオ》はいない。しかし、《ザウルピオ》の姿はそこにあった。
 恋は思い返す。さっきも、同じ光景を見た。
「これは……」
「さっきのターンも、言いましたよ……《メイプル》さんの能力、発動です……っ!」
 このターン、柚の《ケロスケ》はセイバーによってその身を犠牲にした。つまり、バトルゾーンを離れている。
 そのため、《メイプル》の能力が発動したのだ。
「クリーチャーがはなれたときに発動する、《メイプル》さんのもう一つの能力……わたしの自然のドラゴンは、攻撃されませんっ!」
「攻撃されない……っ」
『自然文明の仲間意識を舐めるなよ。命を尊ぶということは、理由なく命が大事だと叫ぶことではない。仲間思いということは、仲間同士で慣れ合うことではない。大地を肥やす、主を守る——その目的は様々だが、本当に大切なもののためならば、彼らは躊躇いなく己の命を捧げる。自然の摂理に逆らうこととなっても、それが彼らの矜持であり、己の本分。そして彼らの譲れないものだ。そんな彼らの覚悟が、あなたに分かるか?』
「…………」
 恋は閉口した。
 《メイプル》の言葉はさておいても、この状況は良くない。
 攻撃中に破壊できず、攻撃もできない。
 元々除去が苦手で、殴り返しとブロックが主な除去手段になる光文明にとっては——恋にとっては、非常に厄介な能力だ
(……ちょっと、まずいかも……)
 いよいよ、恋は突破手段がなくなってしまった。
 相手ターン中は《メイプル》らがマナゾーンから踏み倒しを行うため、ほぼ確実に破壊不可。自分のターンにしても、セイバーで肝心の《ザウルピオ》を守られてしまい、そのセイバーが発動することで二度目以降の攻撃が封じられるため、やはり殴り倒せない。
 タップキルの殲滅は不可能。光文明の除去の弱さが招いた結果。これで恋は、柚の布陣を崩すことができなくなってしまった。
(……いや、まだ、手はある……)
 詰ませたと思ったら、逆に詰まされてしまったこの状況。限りなく詰み見に近いが、まだ完全に詰んだわけではない。光は残っている。
 唯一と言ってもいい一手が。
(ブロックがダメ、殴り倒すこともできない……なら、直接葬る……《ザウルピオ》を、盾にとじこめれば……)
 光文明における、タップキル以外の除去手段——シールド送り。
 これで《ザウルピオ》を直接超次元ゾーンに戻してしまえば、《メイプル》の能力やセイバーに邪魔されることなく《ザウルピオ》を処理し、ダイレクトアタックを通すことができる。
(私のデッキに入ってるシールドへの除去カードは、二種類……《シール・ド・レイユ》と《ソウルガルド》……でも《ソウルガルド》じゃ《ザウルピオ》には届かないから、除去できるカードは一枚だけ)

 《護英雄 シール・ド・レイユ》

 この一枚が来ることに賭けるしかない。
(私の方がデッキ多いし、粘ってライブラリアウトを狙う手もあるけど……クリーチャーの増やし方が尋常じゃない。こっちのブロッカーの数を超えてきたら、処理できなくなるし、はやめに決着をつける……)
「わたしのターンですっ!」
 《メイプル》と《ザウルピオ》の障壁に絶対的なまでの信頼を寄せている柚は、その壁を自信に変え、攻めに転じた。
「増殖します、帝王様! 《帝王類増殖目 トリプレックス》!」
 《ザウルピオ》に続くのは《トリプレックス》。さらに《トリプレックス》も、大地に眠る化石に命を吹き込み、仲間を増殖させる。
「《トリプレックス》の能力で、マナゾーンから《連鎖類大翼目 プテラトックス》《連鎖庇護類 ジュラピ》をバトルゾーンに! さらに《プテラトックス》の能力で、《エッグザウラー》をバトルゾーンに!」
「く……っ」
 《トリプレックス》が増殖させた仲間たちは、さらなる仲間を呼び、連鎖させる。《トリプレックス》の咆哮と《プテラトックス》の雄叫びが、《ジュラピ》と《エッグザウラー》の殻を破り、戦場へと送り出した。
 一体一体が打点とパワーを備えているうえに、これらも《メイプル》の能力で保護され、逆に他の古代龍たちも護る盾にもなる。
 連鎖類目の展開力と《メイプル》の仲間を守る能力が噛み合い、互いを守り合いながら、恋と、恋の従える天使龍たちに牙を剥く。
 太古の栄光を蘇らせることを諦めなかった彼らは、今まで幾度と折られてきたその牙を研ぎ澄まし、遂に反撃の時を迎えたのだ。
『さぁ、ここからは競争だ。私たちの自然の攻撃が勝るか、それともあなたたち光の防御が勝るか……ふふっ、わくわくするな』
 それらの軍勢の先頭に立ち、《メイプル》は子供っぽく微笑んだ。
 柚がクリーチャーを大量展開し、恋の防御を貫けるか。恋が《シール・ド・レイユ》を引くまで、柚の攻撃を耐え切れるか。
 勝負の行方は、そこに定められた。
「《ティラノヴェノム》で攻撃! マナゾーンから《エバン=ナム=ダエッド》をバトルゾーンに!」
 柚の連鎖は止まらない。《ティラノヴェノム》の雄叫びが大地からさらなる古代龍を呼び、戦力を増やしていく。
「S・トリガー……《ヘブンズ・ゲート》」
 砕かれたシールドのうち一枚が収束し、天国の門を開く。
「私の世界に、支配と奇跡を——《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》《蒼華の精霊龍 ラ・ローゼ・ブルエ》」
 そして、天門から二体の天使龍が舞い降りた。
「《ヴァルハラナイツ》の能力で、《メイプル》をフリーズ……」
『止められてしまったか……もうこのターンに攻撃する意義はないな』
「そうですね……ターン終了です」
「私のターン。《天運の精霊龍 ヴァールハイト》を召喚……《ヴァルハラナイツ》で《メイプル》を攻撃……《ラ・ローゼ・ブルエ》の能力で、シールドを追加……」
 目的のカードを探しながら、守りを固めていく恋。
 恋のデッキは、どうしたって展開力では柚に劣る。シールド補充で守りを固めつつ、《メイプル》や《ティラノヴェノム》で展開を狙った攻撃を利用し、間接的なカード収集も行う。
 《ラ・ローゼ・ブルエ》の能力を起動させつつ、《ヴァルハラナイツ》の攻撃が《メイプル》へと放たれるが、
「《サソリス》さんのセイバーで、《メイプル》さんを守りますっ! そしてこれで、《メイプル》さんの能力が発動しました! もうわたしのドラゴンは攻撃されませんよ!」
 これでこのターンの攻撃は終わる。
 柚のクリーチャーはドラゴンが主体なので、実質的に1ターン一度しか攻撃できないようなものだ。
「わたしのターンですっ。《ティラノヴェノム》で攻撃! マナゾーンから《ケロスケ》をバトルゾーンに出して、《トゲトプス》を装備ですっ!」
「……S・トリガー《マスター・スパーク》……相手クリーチャーをすべてタップ……」
「なら、ターン終了時に《ケロスケ》がタップされているので、《トゲトプス》の龍解条件成立ですっ! 龍解っ、《多角類衝撃目 ブッツブ・トプス》!」
 またクリーチャーが増えた。
 やはり、できるだけ早く決着をつけなくてはならないと、恋はカードを引く。
「《ヘブンズ・ゲート》……《ラ・ローゼ・ブルエ》を二体、バトルゾーンへ……《ヴァルハラナイツ》で《メイプル》を攻撃……《ラ・ローゼ・ブルエ》三体の能力で、シールドを三枚追加……」
「《ケロスケ》のセイバーで守ります!」
 《メイプル》への攻撃は《ケロスケ》によって阻まれ、それによって《メイプル》の能力が起動。このターンの攻撃はこれまでだ。
「《メイプル》さんで攻撃! 墓地の《ハコオシディーディ》をマナゾーンへ送ります! さらにわたしのマナゾーンから《ブラキオヤイバ》をバトルゾーンに!」
「……トリガー、なし……」
「《ティラノヴェノム》で攻撃ですっ! マナゾーンから《ハコオシディーディ》をバトルゾーンに」
「……トリガー、《マスター・スパーク》……」
 柚の攻撃を止めつつ、カードを引く恋。
 しかし、目的のカードは来ない。それにより、恋の焦燥はだんだんと募っていく。
 勝負を決められず、この対戦の終わりが見えてきたことによる焦りだ。
(まずい……このままじゃ、私の山札が……)
 爆発的なマナ加速を行っていた柚に対し、恋もシールド追加を多用することで、山札が大きく削れていた。
 こうなってしまえば、自分も山札切れの危険に晒される。以降はシールド追加にも気を配らなくてはならないが、下手に防御を薄くすると、あっという間に押し切られる。かといってこのまま目的のカードが来なければ、それでも負ける。ここからは今まで以上に防御に気を遣わなくてはならず、緊張が走る。
「私のターン……ドロー……」
 引いたカードを見て、苦い思いをする恋。シールド除去のカードは引けたが、目的のカードではなかった。
 しかしシールド追加という防御手段が使いにくい今、相手の場数を少しでも減らしておきたい。恋はマナを七枚タップする。
「《記憶の精霊龍 ソウルガルド》を召喚……《エバン=ナム=ダエッド》をシールドに……」
 《ソウルガルド》が《エバン=ナム=ダエッド》を盾に閉じ込める。
 微々たる変化ではあるが、これで柚のクリーチャーを減らすことができた。
「《ヴァルハラナイツ》で《ブラキオヤイバ》を攻撃……《ラ・ローゼ・ブルエ》三体の能力で、シールドを三枚追加……」
「セイバーは使いません。《ハコオシディーディ》の能力で、《ブラキオヤイバ》をマナゾーンに送ります!」
 マナに装填される《ブラキオヤイバ》。《ハコオシディーディ》によって、古代龍たちは死を受け付けない。また《メイプル》の能力で呼び出されてしまう。
 しかし、他の龍など気にしていられない。とにかく今のターゲットは《ザウルピオ》。もしくは厄介な庇い合いを促している《メイプル》だ。
 この二体のうち、どちらかを除去できれば、恋の勝利へと結びつく。
 そうして、恋のターンが終わり、柚のターンを迎える。
「……今です」
 彼女は、小さく呟いた。
「手札にのこしておいて、よかったです……」
 ジッと耐えた甲斐があった。
 手の中に残しておいた種は、死んでいなかった。
 発芽する時が、そのチャンスが、やって来たのだ。
「マナ進化! 《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を召喚! シールド・フォース発動ですっ! 《エバン=ナム=ダエッド》がおかれたシールドを選びますっ!」
「《キリンソーヤ》……でも、パワーはこっちが上……」
「そうです。でも、まだ終わりじゃありませんっ!」
 再びマナを支払う。大地のエネルギーが柚の手に集い、そして古代龍たちに放たれる。

「呪文《カンクロウ・ブラスター》!」

「あ……」
 一瞬、恋はそのカードに呆気に取られる。
 そしてその直後に、焦燥と後悔が募った。
 《カンクロウ・ブラスター》。自分のクリーチャーすべてのパワーを4000上昇させ、ブロック貫通能力と、呪文へのアンタッチャブルを付与する呪文。
 このタイミングで、しかも《キリンソーヤ》と共に放たれるのは、恋にとっては非常にまずい。
(プレミった……《キリンソーヤ》も《カンクロウ・ブラスター》も考慮してなかった……シールドを増やしたのは、失敗……)
 結果的には恋のプレイミス。《ソウルガルド》の除去が、シールド・フォース発動を手助けする形となってしまった。
 クリーチャーの大量展開と合わせて物量で押し切るだけだと思っていたが、さらに押し込むためのフィニッシュカードまで積んでいたとは思わなかった。
 かつての英雄の力を受けた古代龍たちは、怒涛の勢いで恋へと牙を突き立てる。
「《ザウルピオ》でTブレイクですっ!」
 まずは、古代王の鉄槌が放たれる。
 ブロックしたいが、《キリンソーヤ》のシールド・フォースが発動しているため、こちらの方がクリーチャーのパワーが高くなければブロックできない。《カンクロウ・ブラスター》で増強された《ザウルピオ》のパワーは16000。恋の最もパワーが高い《ネバーラスト》でもパワー14500。僅かに届かない。
 いくら勝利が確定しているとはいえ、そもそも戦いが起こせなければ勝利もなにもない。恋を守るブロッカーたちは、古代龍たちが纏う大見得に圧倒され、彼らの進軍を止められない。
 《ザウルピオ》の大槌が薙ぎ払われ、恋のシールドが砕け散る。
 その砕かれた一枚目が彼女の手の中へと入ると、恋は少しだけ目を見開く。
(っ……来た、《シール・ド・レイユ》……!)
 ここで遂に探し求めていたカードが手に入る。
 これで《ザウルピオ》を超次元ゾーンに送り返せば、柚の防御壁はなくなる。
(でも、そのためには、このターンを切り抜けないと……残りの二枚から、トリガーが出れば……)
 続けて二枚目のシールドが砕かれる。
 ふと顔を上げると、柚がこちらを見据えていることに気付く。険しい、というより、覚悟を決めたような眼だ。
 彼女は恋を見据えたまま、口を開く。
「わたしは、あきらちゃんが大好きです」
「……わたしだってそう……だからなに……」
 そんなことは当たり前だ、と言わんばかりに吐き捨てる恋。
 二枚目のシールド。光は収束しない。トリガーではなかった。
 残るシールドは一枚。
「わたしはあきらちゃんが好きだから、あきらちゃんが笑えば、うれしくなります。あきらちゃんがしあわせなら、わたしもしあわせです。あきらちゃんが、他の誰かと一緒にいても、ずっとそうでした」
 でも、と柚は続ける。
「あなたといるときのあきらちゃんは、なんだか、ちがうんです。ひゅうがさんと一緒にいるときのあきらちゃんを見てても、わたしはうれしくないし、しあわせも感じません……」
「……ただのひがみ………」
「そうかもしれません。でも、あきらちゃんはやさしいんです! だから、ひゅうがさんともお友達になった。だから、だからこそ、伝わってくるんです!」
 だんだんと、彼女の感情の溢れを感じる。
 叫ぶように言葉を紡ぎ、支離滅裂になっていく。
「あきらちゃんは、わたしともお友達になってくれました……霞の家にしばられたわたしでも、わたしの鎖なんて関係なく、お友達になってくれたんですっ! わたしは、そんなあきらちゃんが好きになったんです! だから……だから……!」
「そんなの私も同じ……ずっと言ってる……ラリってるのか狂ってるのかわからないけど……そういうの、やめてほし——」
「あきらちゃんは!」
 恋の言葉を遮って、柚は大きく叫ぶ。
 今までにない力強さで、今まで以上の覚悟を持って。
 彼女へと、伝える。

「あきらちゃんは、あなただけのものじゃありませんっ!」

「……!」
 そして、恋の最後のシールドが砕かれた。
「あなたがあきらちゃんをしばりつけてる……だから、わたしがその呪縛を解き放ちますっ!」
 あの時、あきらちゃんがわたしにしてくれたように——
 そして、あきらちゃんがひゅうがさんを解き放ったように——

「《萌芽神花 メイプル》で、ダイレクトアタックですっ——!」