二次創作小説(紙ほか)
- Another Mythology 11話「バニラビート」 ( No.37 )
- 日時: 2014/05/05 14:31
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
クリスタル・ランサー 水文明 (6)
進化クリーチャー:リキッド・ピープル 8000
進化—自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーはブロックされない。
W・ブレイカー
《ヒラメキ・プログラム》によって《アクア・ティーチャー》から進化した《クリスタル・ランサー》。高いパワーにブロックされないWブレイカーと、単純だが、それ故に強力なスペックの進化クリーチャー。
しかも、《ヒラメキ・プログラム》で破壊したのは《トライグラマ》だ。なので、
「《トライグラマ》が破壊された時、《トライグラマ》は手札に戻ります」
これにより、またバニラ三体を並べればすぐにG・ゼロで現れてしまう。
だがやはり、それ以上に厄介なのは《クリスタル・ランサー》だろう。
「いくらブロッカーが並んでいようと、この《クリスタル・ランサー》がいれば問答無用です。《クリスタル・ランサー》でWブレイク!」
「ぐぁ……!」
「ご主人様!」
《クリスタル・ランサー》の槍が浬のシールドを二枚突き破る。
「また、眼鏡が吹っ飛んだ……」
その衝撃で、またも浬は眼鏡を失くしてしまったようだ。
「まだ、行けるか……? 俺のターン、《アクア・ジェスタールーペ》を召喚」
《アクア・ジェスタールーペ》は連鎖で山札の一番上を捲り、自身よりコストが低いクリーチャーが捲ればそのままバトルゾーンに出せる。
ここで一気にクリーチャーを展開したい浬だったが、
「くっ、《アクア・サーファー》か……」
運の悪いことに、捲れたのはコスト6の《アクア・サーファー》だった。
「なら……《アクア・ソニック・ウェーブ》と《アクア・ジェスタールーペ》でシールドをブレイク!」
「残念ですね、S・トリガー発動《アクア・バースター》! 自身を破壊して、《ジェスタールーペ》を手札に戻します!」
「っ、まだだ! 俺の水のクリーチャーが手札に戻されたことで、手札のこいつの能力が発動する。行け、エリアス!」
「了解です、ご主人様!」
賢愚の語り手 エリアス 水文明 (5)
クリーチャー:サイバー・ロード/リキッド・ピープル 3000
自分の《賢愚の語り手 エリアス》以外の水のクリーチャーがバトルゾーンから手札に戻された時、このクリーチャーを手札からバトルゾーンに出してもよい。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から4枚を見る。その中から1枚を選んで手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番上、または下に置く。
「頼むぞ、《エリアス》」
「お任せあれ! 私の能力は、私がバトルゾーンに出た時、山札の上から四枚を見て、その中の一枚を手札に加えられます」
浬のデッキからカードが四枚捲られる。浬はそれらのカードをジッと見つめると、そのうちの一枚を手札にし、残りを山札の上に戻した。
「場数を減らせませんでしたか。ですが、それでも私の《クリスタル・ランサー》は止めりません。わたしのターン、《アクア・ティーチャー》と《アクア・ガード》、そして《アクア戦闘員 ゾロル》を召喚! 私の能力で一枚ドローし、呪文《スパイラル・ゲート》! 《ジェスター・ルーペ》を手札に!」
そして、
『《クリスタル・ランサー》でWブレイク!』
「ぐ……!」
これで浬のシールドは残り一枚。いよいよ追い詰められてきた。
「俺のターン……《アクア・ジェスタールーペ》を召喚。連鎖で山札を捲り、《アクア戦士 バットマスク》をバトルゾーンに」
『むぅ……』
呻く《アクア・ティーチャー》。小型ばかりとはいえ、一気にクリーチャーを展開されてしまい、少々厳しくなった。
だが、これらのリキッド・ピープルたちは布石でしかなかった。浬の、切り札を呼ぶための。
「俺の場にリキッド・ピープルは七体。なので、シンパシーによりマナコストはマイナス7、よって1マナでこいつを召喚だ」
たったの1マナだけで、浬の切り札が召喚される。
「海里の知識よ、結晶となれ——《龍素記号iQ サイクロペディア》!」
数多のリキッド・ピープルの力を受け、現れた《サイクロペディア》。このターンに攻撃することはできないが、《クリスタル・ランサー》と同じブロックされないWブレイカーだ。さらに登場時にカードも引ける。
「《サイクロペディア》の登場時能力でカードを三枚ドロー。そして《アクア・エボリューター》を召喚し、ターン終了だ」
『むむむ……いやいや、まだ終わっていません。私のターン! 《アクア・ティーチャー》を召喚、《ゾロル》と《アクア・ビークル》を召喚、カードを引き、《アクア・ガード》を二体召喚! さらにG・ゼロ! 《ゾロル》二体と《アクア・ビークル》を進化元に、《零次龍程式 トライグラマ》を召喚!』
こちらもクリーチャーを並べながら大型クリーチャーを呼び出す。
『《クリスタル・ランサー》で最後のシールドをブレイク! 《トライグラマ》も攻撃です!』
「《トライグラマ》は《アクア・ガード》でブロックだ」
そして、浬のターン。
「《アクア・エボリューター》の能力で、俺の水の進化クリーチャーを召喚するコストは1少なくなる。なのでコスト3で《アクア・ガード》を進化、《超閃機 ジャバジャック》!」
浬の切り札の一つ、《ジャバジャック》。登場時にカードを四枚引き、手札二枚を山札の底へと戻すことで、手札の質をよくする進化クリーチャーだ。そして、
「続けて《アクア・ガード》を進化、《超閃機 ヴィルヴィスヴィード》!」
超閃機 ヴィルヴィスヴィード 水文明 (5)
進化クリーチャー:リキッド・ピープル閃 6000
進化—自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
W・ブレイカー
「お前の《アクア・ガード》をバウンス!」
『むむ、ぬぅ……!』
クリーチャーは増え、ブロッカーは減らされ、《アクア・ティーチャー》には厳しい状況。
浬は《エリアス》の能力で《サイクロペディア》を手に入れており、同時に山札の上を操作して《ジャバジャック》を手に入れる算段もつけていた。さらにそこからデッキを掘り進み、《ヴィルヴィスヴィード》も加え、一気に攻める。
「《ジャバジャック》と《ヴィルヴィスヴィード》でWブレイク!」
『《アクア・ティーチャー》と《アクア・ガード》でブロックです!』
「まだだ! 《ソニックウェーブ》《ジェスタールーペ》《バットマスク》《エボリューター》でシールドをブレイク!」
『ぐぬぬぬ……!』
なんとか残るブロッカーで攻撃を防ぐものの、アクア・ティーチャーの場からブロッカーは消え去った。
そして浬の場には、《エリアス》と《サイクロペディア》が残っている。
「《エリアス》で最後のシールドをブレイク! 《サイクロペディア》で、ダイレクトアタックだ!」
神話空間が閉じ、浬はカードとなった《アクア・ティーチャー》を掴み取る。
「カイ!」
「ゆみ……部長。そっちも終わったんですか?」
「まあね。思ったより骨のない連中で、簡単に薙ぎ払ってやったわ」
「そんなことないですよー部長、数が多くて倒すの大変で……もうへとへと……」
沙弓の後ろでは、暁がぐったりしていた。しかし、クリーチャーはすべて倒したようだ。
「み、みなさん……だいじょうぶですかぁ……?」
「もう終わったかな?」
講堂の扉から、柚とリュンが顔を出す。
「大丈夫だ、問題ない」
「そうですか、よかったです……」
「うー……もう帰ろうよー、すっごい疲れた……」
「そうね。ここのクリーチャーも倒したわけだし、これ以上ここにいる必要はなさそうね。今日はもう帰りましょうか」
《語り手》の封印は解けなかったが、北部要塞のエリアを解放し、一応は当初と違うが目的を果たした暁たち。
だが、
「…………」
「どうしました、ご主人様? 眼鏡を探しているのですか?」
「いや……あいつらはどうしてこんなところで龍素の実験をしていたのかと思って」
「ああ、そのことですか。うーん、なんででしょう。私には分かりません……」
「そうか。まあ、それならそれでいいんだが……」
考えても分からない。なら、考えるだけ無駄だ。
浬はすぐさま思考することを放棄した。