二次創作小説(紙ほか)
- 番外編 合同合宿1日目 「花園へ至る道の防衛線3」 ( No.424 )
- 日時: 2016/08/16 00:02
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
「で、デッキを合わせるのはいいが、これだと一つのデッキに一種四枚以上のカードが入ったり、殿堂ルールを順守できないぞ?」
「は? そんなの守るわけないじゃない。160枚のデッキを使う時点で既存のルールなんてくそくらえよ。あなたはなにを言っているの?」
「…………」
お前がそれを言うか、と言い返したかったが、浬は黙った。
「とりあえずデッキはできたけど……えぇっと、俺と卯月さんがこれを使って対戦する、ってことでいいのかな?」
「そうね。でもこれは女子と男子の一番風呂を賭けた対戦だから、女子は女子内、男子は男子内での相談も可能にするわ」
「まあ、あたしらのデッキも入ってるわけだしな……動きは読めないが」
「超次元ゾーンの扱いはどうするの?」
「八枚なんてちゃっちぃ制限は取っ払うわ。無制限よ」
「まあそうだよな……」
殿堂ルール無視の時点で分かっていたことだ。今更なにも言うまい。
というわけで、160枚のデッキをシャッフルして、シールドを展開。手札を持ち、対戦の準備を始める。
「対戦中のルールに変更はないよね……?」
「そこは流石にないわね。これ自体が思いつきだし、そこを弄るとカオスになるわ」
「今も十分カオスだがな」
まず160枚のデッキが非常にシャッフルしにくい。後で本人に返す時に大変そうだった。
「じゃあ、とりあえず超次元ゾーンの確認からね。私たちはこれよ」
超次元ゾーン(女子陣:沙弓、柚、ミシェル、美琴)
《始原塊 ジュダイナ》×1
《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》×1
《卵殻塊 ジュラピル》×1
《龍棍棒 トゲトプス》×1
《神光の龍槍 ウルオヴェリア》×1
《革命槍 ジャンヌ・ミゼル》×1
《無敵剣 プロト・ギガハート》×1
《熱血剣 グリージー・ホーン》×1
《時空の悪魔龍 ディアボロス ZZ》×1
《勝利のガイアール・カイザー》×1
《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》×1
《勝利のリュウセイ・カイザー》×1
《ヴォルグ・サンダー》×1
《勝利のプリンプリン》×1
《時空の英雄アンタッチャブル》×1
《時空の喧嘩屋キル》×1
「自然のドラグハート……それに、闇メインのサイキックだね」
「霞と部長のだけか」
「四天寺先輩も黒月さんも、超次元は使わないデッキですからねー」
枚数はいつもの倍だが、それぞれがまったく別個に独立しているので、枚数が多い、程度の感想しかない。
それに、柚のものと思われるドラグハートも、実際に使うのは上の三種類が精々だろう。超次元を使う人数が少ないということは、それだけドラグナーと超次元呪文が少ないということ。つまり、それらのカードを引く確率も、通常デッキと比べて格段に落ちる。超次元から強襲される危険度は低いと言えるだろう。
「えっと、じゃあ、こっちの超次元はこれだよ」
と言って、一騎も超次元ゾーンを公開する。
超次元ゾーン(男子陣:一騎、空護、八、浬)
《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》×1
《真理銃 エビデンス》×1
《龍波動空母 エビデゴラス》×1
《銀河大剣 ガイハート》×1
《将龍剣 ガイアール》×1
《大いなる銀河 巨星城》×1
《魂喰いの魔狼月下城》×1
《天守閣 龍王武陣 —闘魂モード—》×1
《最前戦 XX幕府》×1
《立体兵器 龍素ランチャー》×1
《悪夢卍 ミガワリ》×1
《熱血爪 メリケン・バルク》×1
《無敵剣 プロト・ギガハート》×1
《激天下!シャチホコ・カイザー》×1
《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》×1
《勝利のガイアール・カイザー》×2
《ヴォルグ・サンダー》×1
《流星のフォーエバー・カイザー》×1
《勝利のリュウセイ・カイザー》×3
《ブーストグレンオー》×1
《勝利のプリンプリン》×2
《剛腕の政》×2
《時空の踊り子マティーニ》×1
《ドラゴニック・ピッピー》×1
《時空の英雄アンタッチャブル》×1
《時空の喧嘩屋キル》×1
《ウコン・ピッピー》×1
《サコン・ピッピー》×1
「うわ……」
「これは……凄いな」
「い、いっぱいあります……」
「これが超次元ゾーンとは思えないわね……」
相手の反応は、概ね予想通り。
男子は四人全員が超次元ゾーンをフルで使う。ゆえに、8枚×四人で32枚のサイキック、ドラグハートが超次元ゾーンに詰め込まれている。割合で言えば通常デッキの80%だ。
しかし、それぞれ使う超次元の中身が微妙に違うので、ドラグハートが浮いてしまっている。サイキックは汎用性の高い勝利シリーズが詰め込まれているが、正直、《勝利のリュウセイ・カイザー》は三枚もいらない。
またこの超次元を見て、沙弓はなにかに気付いたようだった。
「カイ……あなた、サイキックを使うの?」
「……なんでそんなことが言えるんだ?」
「だって、水のドラグハートが三枚しか見えないんだもの」
「一騎さんの可能性もあるだろ。《グレンモルト「覇」》はサイキックも出せるんだ」
「火のドラグハートは八枚見えてるわよ。焔君や夢谷君が、火のドラグハートを使うとは思えないし……あなたが単体のカードパワーを補うために入れたと思うけど?」
「なんだよ……悪いか」
「いえ、別に」
一体なにが言いたかったんだ、ともやもやした気持ちを残しながら、互いに超次元ゾーンに指定のカードを戻す。
これで準備はすべて整った。
対戦開始だ。
先攻は男子陣。
「…………」
一騎が五枚の手札を持つ。それを見て、浬は絶句した。
(《ヤッタレ・ピッピー》《暴龍事変 ガイグレン》《龍覇 メタルアベンジャー》《アクア呪文師 スペルビー》《アクア・サーファー》……なにがしたいのか、なにをすべきか分からん手札だな)
ハンターサポートの《ヤッタレ》、マナ武装9で無限アタッカーになる《ガイグレン》、水のメインドラグハートを呼ぶ《メタルアベンジャー》に、墓地肥やしと呪文回収を行う《スペルビー》。ものの見事に方向性がバラバラだ。《アクア・サーファー》が調和して見えるほど混沌としている。
「とりあえず、これはいらないよね。《ガイグレン》をチャージして終了だ」
一騎は、まっさきに自分の切り札をマナに置いた。
今のデッキは四人の混成デッキ。その文明の割合を大雑把に算出するなら、一騎のデッキが火100%、浬が水100%、空護のデッキが闇と火50%ずつ、八が水、火、自然33%ずつといったところ。火のカードの枚数は、160枚中およそ70枚程度。実際は、一騎のデッキには少量の自然が入り、空護のデッキは闇の割合の方が多く、八のデッキは火の割合が多いため、もう少し変動するのだが。
どちらにせよ、デッキの火文明のカードの割合が50%以下なのだ。そんなデッキでマナ武装9という大きな壁を越えられるとは思えない。マナに置いて正解だろう。
「じゃ、私たちのターンね。ドローして……うーん」
「偏ってんなぁ」
「そうね。でもとりあえずは……《クロスファイア》をチャージして終了」
「《クロスファイア》か……こっちのターンだね。ドロー」
あれはミシェルのカード。ミシェルは黒赤緑と青黒赤、二種類のデッキを使うが、どちらも墓地を利用し、《クロスファイア》や《5000GT》といったカードがあるので、まだどちらとは断定できない。
一騎たちのターン。カードを引くと、《アクア・サーファー》が来た。
「二枚目が来ちゃったか……これもマナかな。《アクア・サーファー》をチャージ。終了だよ」
「私たちのターンね」
沙弓がカードを引く。すると、引きが悪かったのか、彼女らは顔をしかめる。
「……この手札、大丈夫なの?」
「あまり大丈夫とは言えないわね。とりあえず、《ドルバロムD》をチャージして、終了よ」
沙弓のカードだ。出されたらかなり苦しいが、このタイミングで引かれたらマナに置かれるだろう。
もっとも、柚の自然のカードでマナ回収も可能だと思われるので、終盤に出される危険がないわけではないが。
そう思いながら、一騎が次に引いたのは、《龍覇 グレンモルト》。
「動ける気がしないね……《サーファー》をチャージして終了」
「んー……《デスゲート》をチャージ。終了」
しかし、動けないのは向こうも同じ。
ここまでのターンはまるで動きがなかったが、ここでやっと、一騎たちが動き始める。
「《イフリート・ハンド》をチャージして……浬君、使わせてもらうよ」
「あ……はい!」
「よし、じゃあ4マナタップして、《アクア呪文師 スペルビー》を召喚だ」
呼び出すのは《スペルビー》。強力な能力とは言い難いが、堅実に、次の一手に繋げていく。
「《スペルビー》の登場時能力で、山札の上から三枚を墓地に置くよ」
墓地に落とされたのは、《英雄奥義 バーニング・銀河》《フェアリーの火の子祭》《天守閣 龍王武陣》の三枚。
すべて呪文。その中から、一枚を回収できる。
「俺のカード偏ってるなぁ……とりあえず、《火の子祭》を回収して、ターン終了」
とりあえず、先んじて動くことができた。先攻としてのアドバンテージは得られたと言えるだろう。
そして、相手のターンへと渡る。