二次創作小説(紙ほか)
- 番外編 合同合宿2日目 「月夜に二人は冥府を語る3」 ( No.441 )
- 日時: 2016/08/27 01:43
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
超次元ゾーン(沙弓)
《時空の悪魔龍 ディアボロス ΖΖ》
《時空の封殺ディアスΖ》
《勝利のガイアール・カイザー》
《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》
《勝利のリュウセイ・カイザー》
《勝利のプリンプリン》
《時空の英雄アンタチャブル》
《時空の喧嘩屋キル》
超次元ゾーン(一騎)
《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》
《大いなる銀河 巨星城》
《銀河大剣 ガイハート》
《将龍剣 ガイアール》
《最前戦 XX幕府》
《天守閣 龍王武陣 —闘魂モード—》
《熱血爪 メリケン・バルク》
《斬鉄剣 ガイアール・ホーン》
沙弓と一騎の対戦。
互いにシールドは五枚。
沙弓は《特攻人形ジェニー》でハンデスしつつ、《ボーンおどり・チャージャー》で墓地とマナを増やしている。
対する一騎は、《爆砕面 ジョニーウォーカー》と《フェアリーの火の子祭》でマナを次々と生み出し、後攻にもかかわらず沙弓を追い抜いて5マナ溜めている。
「このままマナを溜められると面倒ね……私のターン。《超次元リバイヴ・ホール》を唱えるわ。墓地の《ジェニー》を回収して、《勝利のリュウセイ・カイザー》をバトルゾーンへ」
「《勝利のリュウセイ》かぁ。マナのタップインはきついなぁ」
「それを狙ってるからね。ターン終了よ」
これで一騎は、マナチャージするカードがすべてタップされてしまうので、継続的に疑似的なランデスをかけられたような状態となる。
マナ加速によってテンポよくカードを使うためにマナカーブを重視している一騎にとって、カードを使用するタイミングをずらされるのは困る。早めに処理したいところだが、
「俺のターン……うーん。とりあえず《フェアリーの火の子祭》を唱えるよ。山札を二枚見て、《ガイグレン》をマナへ。《火の子祭》を手札に戻して、ターン終了」
残念ながら、手札に除去カードがない。序盤のハンデスが地味に痛手だ。単純に手札の枚数が少ないので、ハンドキープが難しくなっている。
結局《勝利のリュウセイ・カイザー》を処理できないまま、一騎はターンを終える。
「あっちはもう7マナあるけど、マナには《ガイグレン》……なら、《ジェニー》よりもこっちを優先しましょうか。《ジェニー》をチャージして、もう一度《超次元リバイヴ・ホール》を唱えるわ。墓地から《ダークマスターズ》を回収して、《時空の英雄アンタッチャブル》《時空の喧嘩屋キル》をバトルゾーンに!」
「その二体……鉄板だね。古いけど」
「一言多いわ。ターン終了」
《勝利のリュウセイ・カイザー》の後に現れる《時空の英雄アンタッチャブル》と《時空の喧嘩屋キル》。いわゆるキルタッチャの並び。主に超次元を使ったハンデス系のコントロールでよく使われた並びだ。《勝利のリュウセイ・カイザー》はパワー6000以上のクリーチャーで、超次元呪文によって手軽に出すことができる。《アンタッチャブル》と《キル》はどちらもコスト2のサイキック・クリーチャーなので、多くの超次元呪文で二体まとめて出すことができる。《キル》の覚醒条件は、自分のターンの初めにパワー6000以上のクリーチャーがいること。《アンタッチャブル》の覚醒条件は、ターン中に自分のサイキック・クリーチャーが覚醒していること。これらのことをまとめると、《勝利のリュウセイ・カイザー》で《キル》の覚醒条件を満たし、《キル》の覚醒に反応して《アンタッチャブル》も覚醒させ、打点が一気に揃うのだ。これらのクリーチャーは同じ超次元呪文で展開でき、《勝利のリュウセイ・カイザー》は疑似ランデスで相手の行動を鈍らせることができる。超次元呪文二枚で達成できる手軽さのわりに、シナジーが強い組み合わせだ。
もっとも、今では徐々に廃れつつある組み合わせで、実際にはきっちり手札を削ぎ落してから詰めとして並べるものなのだが。
なぜならハンデスを徹底しなければ、その隙を突かれかねないからだ。
「正直きついけど、でも、ハンデスを選ばなかったのは失敗だったかもよ。手札をもぎ取られないうちなら、二体並べられても対応できる。俺のターン、《龍覇 グレンモルト》を召喚!」
「あ……」
思わず声を漏らす沙弓。予想していなかったわけではないが、綺麗に隙を突かれてしまった。
「《グレンモルト》に《将龍剣 ガイアール》を装備! 装備時の効果で《勝利のリュウセイ・カイザー》とバトルだ!」
「《キル》の覚醒条件が満たされなくなっちゃったわね……まあ、それでも私の有利は変わらないわ」
《勝利のリュウセイ・カイザー》が《グレンモルト》とのバトルで破壊される。これで沙弓は、再びパワー6000以上のクリーチャーを出さなければ《キル》を覚醒させることができなくなった。
しかしそれでも、一騎の手札は枯れかけている。沙弓は今あのカードを握っているため、《勝利のリュウセイ・カイザー》がいなくとも、十分立て直せる。
「《悪魔龍 ダークマスターズ》を召喚。手札を見せてもらうわ。その中から三枚までハンデスよ」
「知ってたけど、相変わらず強烈な能力だなぁ……」
一騎の手札に残っているカードは二枚。《フェアリーの火の子祭》と《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》だった。
《ダークマスターズ》がハンデスできるカードは三枚“まで”。マッドネスなど、捨てたくないカードがあれば捨てなくてもよいのだが、墓地に送られた時に墓地をリセットする《フォーエバー・プリンセス》が悩ましかった。
「《火の子祭》は確定として、《悠久》は……まあ、落としてもいいかしらね。残ってるカードをすべて捨ててもらうわ」
「《フォーエバー・プリンセス》が墓地に行ったから、墓地のカードを全部山札に戻してシャッフルするよ」
一騎の墓地が空になり、山札が回復する。一騎のデッキには墓地を活用するカードがないため、得はしているだろうが、一度使ったり、叩き落したカードが山札に戻るだけなので、アドバンテージを得られたとも言えない。
とりあえず手札をゼロにできたことが、沙弓にとっては大きい。さらにパワー7000の《ダークマスターズ》も残せたので、次のターンには《キル》が覚醒条件を満たせる。
ここで一気に、形勢が沙弓の方へと傾いた。
「ハンドゼロは厳しい。マナはそこそこ溜ってるけど、トップ勝負となるとなぁ……《ジョニーウォーカー》を召喚。破壊して、パワー2000以下の《キル》を破壊するよ」
「火力の方ね。これで《アンタッチャブル》を覚醒できなくなったわ……」
一騎としても打点を揃えられるのは困るようで、徹底的に覚醒を邪魔してくる。
しかし、
「でも、《キル》を破壊したくらいじゃ大勢に影響は出ないわ。次は、もっと厳しいと思うわよ?」
「え……?」
沙弓のターン。彼女はカードを引き、マナにカードを置く。これで8マナだ。
闇の8マナすべてをタップして、残った一枚の手札を、引き抜いた。
そして、闇に染まった彼女の切り札が、盤上に現れる。
「——《リュウセイ・イン・ザ・ダーク》を召喚」