二次創作小説(紙ほか)

番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て21」 ( No.465 )
日時: 2016/09/04 16:11
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)

神聖祈(しんせいき) パーロック R 無色 (7)
クリーチャー:オラクリオン 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から、クリーチャー以外のカードまたはカードに能力が書かれているクリーチャーが出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。そのカードを自分の手札に加える。その後、残りの見せたカードをバトルゾーンに出す。
バトルゾーンにある自分の、名前に「パーロック」とあるクリーチャーはすべてブロックされない。



「あ……」
「念のために用意しておいた裏ルートが役に立ってなによりですよー。というわけで、《神聖祈 パーロック》の能力発動!」
 《神聖祈 パーロック》は、《パーロック》自身が神となることで、完結した姿。
 能力のない弱者を救うため、祈りを集結させる。
 その信仰のため、祈りを捧げる仲間を集める。仲間が眠っている山札を、一枚ずつ捲っていく。
 捲られる山札。そのカードは、《預言者クルト》《純白類 ヴァニュラエグジット》《5月》《破戒の右手 スミス》《ナメナメ・ナメコー》——
「——ここでストップですねー。バニラではない《ナメナメ・ナメコー》を手札に加えて、それまでに捲れたバニラをすべてバトルゾーンへ!」
「く、クリーチャーが、こんなに……」
 展開された空護のクリーチャーは、《パーロック》を合わせて五体。柚のブロッカーは二体、シールドも二枚で、ギリギリとどめを刺される圏内だ。
「ターン終了。あなたのターンですよー」
「わ、わたしのターン……」
 まさか1ターン待っただけで、五体ものクリーチャーが出て来るとは思わなかった。少し待っただけで一気に展開されてしまい、もはや悠長に事を構えることなんてできない。
 このターンで決めるしかない。
「《魔光神ルドヴィカⅡ世》を召喚ですっ! 《レオパルドⅡ世》とG・リンク!」
 まずは手札にキープしていた《ルドヴィカ》を出して、《レオパルド》とG・リンク。これで《魔光神》は選ばれないWブレイカーだ。これだけでも、空護のシールドを割り切ってとどめを刺すには十分な戦力が揃っているが、
「呪文《パイレーツ・チャージャー》! 山札の上から二枚を見て、一枚を手札に、一枚を墓地におきます」
 さらに、
「ここで《ザールフェルドⅡ世》の能力発動ですっ! わたしが呪文を唱えたとき、その呪文よりコストの小さい呪文を、手札からタダで唱えられますっ!」



黒騎士ザールフェルドⅡ世 VR 闇文明 (5)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/パラサイトワーム/ナイト 7000
進化—自分のナイト・クリーチャー1体の上に置く。
自分のターンに呪文を唱えた時、その呪文よりコストが小さい呪文を自分の手札から1枚選び、コストを支払わずに唱えてもよい。
W・ブレイカー



「わたしがさっき唱えた《パイレーツ・チャージャー》のコストは4なので、次はコスト3、《エナジー・ライト》です! 二枚カードを引きます!」
「…………」
「次はコスト2、《魔弾ソウル・キャチャー》! 墓地の《ブラッディ・シャドウ》を手札にもどして、G・ゼロで《ブラッディ・シャドウ》を召喚ですっ」
 手札の呪文を連鎖させる柚。しかし、やっていることは手札補充ばかり。盤面を減らすわけでもなく、アタッカーを増やすわけでもない。
 しかしこの連鎖した呪文の詠唱には、れっきとした意味がある。オーバーキルではあるが、これは打点を高めるための準備だ。
「《ルドヴィカⅡ世》の能力発動ですっ! 《ルドヴィカⅡ世》は、そのターンに唱えた呪文の数だけ、シールドブレイク数が一つふえますっ!」



魔光神ルドヴィカⅡ世 UC 闇文明 (5)
クリーチャー:ナイト/ゴッド 5000+
このクリーチャーは、このターンに自分が唱えた呪文1枚につき、シールドをさらに1枚ブレイクする。
G・リンク《魔光神レオパルドⅡ世》の左横。
このクリーチャーは、リンクしている時「W・ブレイカー」を得る。



 このターン、《ザールフェルド》の呪文連鎖で、柚は三枚の呪文を唱えている。《ルドヴィカ》はリンク時にWブレイカーとなり、そこに呪文三回分のブレイク数が追加され、そうブレイク数は五枚。
 一撃で空護のシールドをすべて消し飛ばすことが可能となった。
「《ルドヴィカ&レオパルドⅡ世》で攻撃ですっ、シールドをブレイク!」
 いちいち数えるのも馬鹿らしいほどの打点が並ぶ中、当然のように最初に突撃してくる《魔光神》。《ザールフェルド》による呪文連鎖で強化され、空護のシールドをまとめて割り砕く。
「……S・トリガー、《アクア・リバイバー》召喚ですー」
 一枚目のシールドから、S・トリガーつきのブロッカー、《アクア・リバイバー》が出て来る。
 しかしブロッカー一体では大量のアタッカーを止めることはできず、《魔光神》のブレイクも止まらない。続けて二枚目がブレイクされる。
「これは……トリガーなし」
「三枚目をブレイクですっ!」
「これもトリガーなしですねー」
 淡々とシールドを捲っていく空護。焦りもなにも見えない。むしろ、余裕そうだ。
 柚は、もっと早く思い出すべきだったのかもしれない。
「四枚目ですっ!」
「ノートリガーですよー」
「最後です……五枚目をブレイクっ!」
 空護は一度、《ヘブンズ・キューブ》で山札を見ている。
「……残念、S・トリガーです」
 つまり、シールドの中身も、把握済みなのだ。
 確信していた結果が、空護の手から放たれる。
「呪文《クイック・スパーク》! コスト6以下のクリーチャーをすべてタップしますよー!」
「はわ……クリーチャーが……こ、攻撃できません……」
 どころか、ブロッカーまで寝かされてしまった。タップを免れたのは、覚醒リンクしてコストが上がった《ドン・マシュマロ》だけだ。
「た、ターン終了です……」
 1ターンの待ちが、敗北へと繋がった。
 S・トリガーを恐れて待ったはずなのに、そのS・トリガーで逆転されてしまう。
 抱いた恐れが、その臆病さが、彼女に牙を剥いたのだ。
「じゃあ、これで決めますかねー。《ナメナメ・ナメコー》を召喚」



ナメナメ・ナメコー 自然文明 (5)
クリーチャー:ワイルド・ベジーズ 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのターン、バトルゾーンにある自分の、カードに能力が書かれていないクリーチャーすべてのパワーは+5000され、シールドをさらに1枚ブレイクする。



「登場時能力で、このターン、僕のバニラクリーチャーはパワーが5000加算され、かつシールドブレイク数も一枚増えます」
 空護の場にいるバニラ四体が、一気にパワーアップする。これでWブレイカーが四体。《オール・イエス》をクロスした《ドン・マシュマロ》だけでは、まず止まらない。
 S・トリガーを踏むこともあるだろうが、それも考慮しない。盤面を制圧できた柚と違い、空護にはそんな余裕はない。
 ここで、殴り切る。
「じゃあ、攻撃開始ですねー……まずは《5月》で攻撃」
「え、えっと、《ドン・マシュマロ》でブロックですっ」
「なら、《クルト》で攻撃、Wブレイク!」
 《ナメナメ・ナメコー》で強化された《クルト》が、柚のシールドを二枚、粉砕する。パワーは5500だがWブレイカーだ。
「S・トリガーですっ! 《暗黒鎧 サザンジ》! 《サザンジ》を破壊して、相手クリーチャーのパワーをすべて3000下げます……」
「それじゃあ止まらないんですよねー、続けてブレイク!」
「もう一枚S・トリガーです、《ヤミノサザン》! 相手クリーチャーぜんぶのパワーを1000下げます、けど……」
「総計マイナス4000、破壊されるのは《パーロック》のみ、ですねー」
 ブレイクされた二枚ともS・トリガーだったが、パワー低下では、《ナメナメ・ナメコー》で強化された空護のバニラを止められない。
 残ったバニラは二体。《ハンゾウ》も《ジャニット》も《ライデン》も効かない。《ハヤブサマル》《オロチ》《ゼロカゲ》でも、一体だけでは止められない。
 これで、終わりだ。

「《破戒の右手 スミス》で、ダイレクトアタック——」