二次創作小説(紙ほか)
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て37」 ( No.481 )
- 日時: 2016/09/11 00:37
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
呪縛の剣豪バロスト SR 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンから自分の墓地に置かれたとき、バトルゾーンにあるクリーチャーをすべて持ち主の墓地に置く。
《バロスト》が死に、その身に受けた呪縛が解放される。
解き放たれた呪いは闇となり、死という概念に変換される。戦場を死が埋め尽くし、一瞬でバトルゾーンのクリーチャーがすべて吹き飛んだ。
《マリエル》も《アルカディアス》も《ミハイル》もいない。すべてのロックは突き崩された。
「ターン終了だ」
「じ、自分のターンっす……」
八ターン
マナ:15
手札:5
盾:2
場:なし
「まずいっす、空護先輩の場には《クロスオーバー・ヨミ》が……どうにかしないと殴り切られるっすよ……」
《バロスト》によって死滅しなかった唯一のクリーチャー、《クロスオーバー・ヨミ》が空護の場にいる。
浬としても《クロスオーバー・ヨミ》の存在は無視できなかったが、仕方ないと割り切った。浬に矛先を向けて来る可能性は十分あるが、後の八と美琴になんとかしてもらうしかない。
とりあえず、今、最もシールドが少なく、追いつめられているのは八。彼はこの状況をどう切り抜けるのか。
「! これなら……《星龍グレイテスト・アース》を召喚っす!」
八は《グレイテスト・アース》を召喚する。召喚時の能力でタップイン。
一度は空護の場で暴れたクリーチャーだ。スレイヤーを持ち、攻撃を強制、誘導する能力があるため、《クロスオーバー・ヨミ》を引き付けることができる。
しかし場に他のクリーチャーがいない限り、《クロスオーバー・ヨミ》は無敵だ。この状況では、《グレイテスト・アース》はただ攻撃を引き寄せるだけの囮にしかならないが、
「さらに《ガミラタール》を召喚! 空護先輩、クリーチャー出してもいいっすよ」
「おっと、流石にそんな見え見えの罠に引っかかったりはしません。《ガミラタール》の能力は任意。クリーチャーは出しませんよー?」
「くぅ、ターン終了っす」
《ガミラタール》で場のクリーチャーを出させようとするも、失敗する八。いくらなんでも、空護がそんなわかりやすい誘導に引っかかるわけがない。
美琴ターン
マナ:15
手札:4
盾:5
場:なし
「私のターン……《天動の化身》をチャージ。7マナで《覚醒のタンザナイト》、6マナで《天雷の精霊ユリウス》、3マナで《式神イノセント》を召喚」
「たくさん出してきましたねー」
「ターン終了よ」
美琴はこのターン、一気に三体のクリーチャーを並べてきた。
タップトリガーで墓地の同名クリーチャーをすべて回収する《タンザナイト》、アタックトリガーで墓地の呪文を回収する《ユリウス》、メタモーフで《イノス》と同じ能力を得る《イノセント》。
特に厄介だと思われるのは、先ほど強烈なロックを決めた《マリエル》《アルカディス》、場をリセットする《バロスト》あたりだろうか。
空護ターン
マナ:16
手札:6
盾:5
場:《クロスオーバー・ヨミ》
恐らく現状、最も優勢な空護のターン。《クロスオーバー・ヨミ》の無敵状態を維持するために、クリーチャーは出さないだろうが、ここまで動かなかった彼も、ロックが消えてからどう動くのかは気になるところだった。
「ここは……2マナで《ブレイン・ストーム》。三枚引いて、手札を二枚、山札の上へ戻しますねー」
空護は《ブレイン・ストーム》でトップを固定する。ここで山札操作ということは、不要はカードを浬と八に押し付ける気だろう。
「クリーチャーは出さず、攻撃です。《クロスオーバー・ヨミ》で、夢谷君の《グレイテスト・アース》に攻撃!」
《クロスオーバー・ヨミ》は攻撃を強制され、《グレイテスト・アース》へと突撃する。
パワーでは勝っている。スレイヤーも、場に仲間のいない《クロスオーバー・ヨミ》には通用しない。
本当に、なにもいなければ、だが。
「かかったっす! ニンジャ・ストライク7! 《斬隠オロチ》!」
「!」
《クロスオーバー・ヨミ》の攻撃時、八の手札からシノビ、《オロチ》が飛び出る。
「《オロチ》の能力で、《クロスオーバー・ヨミ》を山札に戻すっすけど、《クロスオーバー・ヨミ》は場を離れないっすね。けど、山札からクリーチャーは出してもらうっすよ」
「……少々、浅慮でしたねー……」
顔をしかめながら山札を捲る空護。捲られたのは、《封魔フォラス》だ。
封魔フォラス UC 闇文明 (5)
クリーチャー:グランド・デビル 9000
自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。
自分のマナゾーンにカードを置いた時、そのカードを墓地に置く。
W・ブレイカー
《封魔フォラス》。コストに対してパワーが高いクリーチャーシリーズの一体だが、例によってデメリットがある。それは、クリーチャーを出せば破壊され、マナを溜めれば墓地に行くという能力。マナチャージはともかく、仲間が出せないという能力は、非常に痛い。
《クロスオーバー・ヨミ》がいた時には、クリーチャーを出さない方が良いという状況だったが、《フォラス》が出たことにより空護は、出したくてもクリーチャーを出せないという状況になってしまった。
「しかも、クリーチャーが出たことで《クロスオーバー・ヨミ》の無敵能力も無力化してしまいましたねー……」
《クロスーバー・ヨミ》と《グレイテスト・アース》のバトル。パワーは《クロスオーバー・ヨミ》の勝ちだが、
「《グレイテスト・アース》はスレイヤーだから、そっちも破壊っす! さらに《グレイテスト・アース》の能力で、美琴先輩の《イノセント》をタップして、自分の《オロチ》を手札に戻すっす!」
《グレイテスト・アース》は破壊できたが、空護の場は《クロスオーバー・ヨミ》が消え、《フォラス》が出てしまった。空護もう、クリーチャーを出したくても出せない。
加えて八は《オロチ》を回収した。殴っても止められ、変なクリーチャーに転生させられるチャンスがもう一回あるのだ。
「まずいですねー……ターン終了です」
「……俺のターン」
浬ターン
マナ:16
手札:4
盾:4
場:なし
(俺とは関係のないところで、戦況が目まぐるしく変化していくな……)
結果としては矛先が八に向き、空護の《クロスオーバー・ヨミ》も消えたのでよかったが、素直には喜べない。
とりあえず浬は場を見回し、今の状況を確認する。
(焔さんは《フォラス》で展開が阻害されているから、ひとまず放置。《タンザナイト》と《ユリウス》を展開している黒月さんが、現状では有利か?)
シールド枚数でも、盤面でも、美琴は一番優勢だと思われる。カードアドバンテージで負けないよう、せめて場数だけでも減らしておきたい。
「《陽炎の守護者ブルー・メルキス》と《アクア・エージェント》を召喚。さらに3マナで《転生プログラム》、黒月さんの《タンザナイト》を破壊」
「っ、せっかくの墓地回収が……」
《マリエル》や《アルカディアス》を出されると面倒なので、浬は《タンザナイト》から狙う。とりあえず、墓地回収するクリーチャーは消えた。
問題は、捲れるクリーチャーだが
「捲れたのは……《妖舞皇女ユリア》。そのクリーチャーを場に出してもらいます」
《妖舞皇女ユリア》。登場時にシールドを回収するクリーチャーだ。なお、その時に手札に加えたS・トリガーは使える、数少ないクリーチャーでもある。
「《ユリア》の能力で、シールドを一枚手札に加えるわ……あ、S・トリガー」
「!」
「《天使と悪魔の墳墓》。まあ、効果は薄いと思うけど、マナの《スペルビア》二体を墓地へ落とすわ」
「《墳墓》か、それなら問題ないな。ターン終了」
S・トリガーと聞き、少しヒヤッとしたが、マナが二枚落ちるだけだ。かなりマナも溜まっているので、その程度なら問題はない。
八ターン
マナ:14
手札:4
盾:2
場:《ガミラタール》
「自分のターン。《光器 パーフェクト・マリア》を召喚っすよ!」
「《パーフェクト・マリア》……また面倒そうな」
「さらに呪文! 《父なる大地》っす! 美琴先輩の《ユリウス》を、マナの《ヘヴィ・デス・メタル》と入れ替えるっす!」
「《ヘヴィ・デス・メタル》は召喚しないと山札へ戻る……実質的な確定除去ね」
「そして《ガミラタール》で美琴先輩の《イノセント》を攻撃っす!」
ブロッカーで守りを固め、美琴の《ユリウス》を消し飛ばし、《イノセント》も殴り返す八。
シールド枚数こそ少ないが、盤面にかなり影響を及ぼしている。
「ターン終了っす」
美琴ターン
マナ:14
手札:1
盾:4
場:《ユリア》
「一巡する間に出したクリーチャーが全部いなくなるなんてね……」
美琴は困ったような表情を見せる。それもそうだろう。前の自分のターンに召喚したクリーチャーが、すべて消えたのだから。
残っているのは、浬が転生させた《ユリア》のみ。
「うーん……《埋没のカルマ オリーブオイル》を召喚するわ。墓地のカードをすべて山札へ戻して、ターン終了」
空護ターン
マナ:14
手札:7
盾:5
場:《フォラス》
「果てしなく《フォラス》が邪魔なんですよねー……除去もできませんし、なにもせず終わりますかー」
なにもせずに終わることの多い空護。しかしこの場合は、本当にできることがないようだ。《フォラス》のデメリットは、それだけ強烈なのだろう。
「俺のターン」
浬ターン
マナ:14
手札:2
盾:3
場:《ブルー・メルキス》《アクア・エージェント》
「《コマンダー・イノセント》を召喚。さらに呪文《クローン・ライトニング》! 黒月さんの《オリーブオイル》をタップ!」
「ブロッカーを寝かせたことは、こっち狙いね」
「えぇ。《ブルー・メルキス》でシールドをブレイク。その時、能力発動!」
陽炎(ようえん)の守護者ブルー・メルキス SR 光/水文明 (6)
クリーチャー:ガーディアン 8500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーが相手のシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに見せる。その中の「S・トリガー」を持つ呪文をすべて、自分がコストを支払わずに唱え、その後持ち主の墓地に置く。それ以外のカードを、持ち主の手札に加える。
W・ブレイカー
《ブルー・メルキス》は、ブレイクしたシールドを見ることができる。そして、見た中にS・トリガー呪文があれば、自分がタダで使える。
要するに、相手のトリガー呪文を奪う能力だ。
「一枚目は……《レオパルド・グローリーソード》。関係ないな。二枚目……」
最初に捲れたのは、クロスギアの《レオパルド・グローリーソード》。トリガーでも呪文でもないので、そのまま手札へ。
そして、二枚目は、
「……悪くないな。《深緑の魔方陣》を唱える。マナゾーンからは、《チェンジ・ザ・ワールド》でもマナに埋めとくか」
マナゾーンにS・トリガーはないようなので、適当に有用そうなカードをシールドに埋めておく。とりあえずこれで、少しでも防御力は上がった。マナゾーンは共有なので、ほぼディスアドバンテージもない。
「さて、《アクア・エージェント》は……攻撃しなくてもいいか。ターン終了」
八ターン
マナ:13
手札:3
盾:2
場:《ガミラタール》《パーフェクト・マリア》
「んー……《ミハイル》をチャージして、《シナプス・キューブ》を唱えるっす。山札を四枚見るっすよ」
八のターン。《シナプス・キューブ》で、例によって山札を操作する。
転生させるにしろ、いらないカードを押し付けるにしろ、山札操作系のカードは、この対戦においては非常に重要で、かつ強力だ。山札を操作したからこそ、八は空護の場をリセットできたのだ。逆に、空護は山札を操作したせいで、八の《オロチ》に《フォラス》を押し付けられてしまったわけだが。
「! よーし、これなら、《斬隠オロチ》を召喚っす! 《パーフェクト・マリア》を選んで山札に戻すっす!だけど、《パーフェクト・マリア》はアンタップされていれば、場を離れないっすから、そのまま山札を捲るっすよ」
光器 パーフェクト・マリア VR 光文明 (7)
クリーチャー:メカ・デル・ソル 7000
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、光以外のクリーチャーをすべてタップする。
このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時にアンタップしていたら、離れるかわりにとどまる。
《パーフェクト・マリア》は《パーフェクト・ギャラクシー》《パーフェクト・マドンナ》《パーフェクト・リリィ》に連なる、場を離れないクリーチャーだ。条件こそあるが、その分、攻撃的な能力も付与されている。
しかしここで問題なのは、八が《オロチ》を素出ししたことだ。
「このタイミングで、自分のクリーチャーを転生……?」
いくら《パーフェクト・マリア》でノーコスト転生ができると言っても、貴重な《オロチ》を素出しするほどだ。ただ、クリーチャーを並べるだけとは思えない。
先ほど《シナプス・キューブ》で山札を操作したことと合わせて、なにが、大きなクリーチャーが出て来るはずだ。
その、クリーチャーとは。
「さぁ、出るっすよ——《閃光のメテオライト・リュウセイ》!」