二次創作小説(紙ほか)
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て38」 ( No.482 )
- 日時: 2016/09/11 17:58
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: ugLLkdYi)
閃光のメテオライト・リュウセイ SR 光/火文明 (8)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 9500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべては「スピードアタッカー」を得る。
W・ブレイカー
《オロチ》によって捲られたのは、《閃光のメテオライト・リュウセイ》。
光文明を得たリュウセイシリーズの一体。能力は《永遠のリュウセイ・カイザー》と似ており、自軍すべてをスピードアタッカーにする能力を持っている。
だが、それだけではない。
「《メテオライト・リュウセイ》の能力で、相手クリーチャーはすべてタップっす!」
光文明が追加されたことで、相手クリーチャーをすべて寝かせる能力を得ているのだ。
これにより瞬間的な突破力が飛躍的に上昇した。八のクリーチャーはすべてスピードアタッカー、ブロッカーはすべて行動不能状態。
八が進軍する道は、開けている。
「さらに、《サイバー・N・ワールド》を召喚っす! カードをすべて戻してシャッフルっすよ!」
おまけのように手札を増やす八。もうマナは残っていないが、これで打点が増えた。
「《メテオライト・リュウセイ》の能力で、自分のクリーチャーは全部スピードアタッカーっす! 《メテオライト・リュウセイ》で、空護先輩を攻撃っす!」
「え? こっち?」
「そうっす! シールド多いっすから、逆転される前に、倒せるうちに倒すっすよ!」
最初に矛先を向けられたのは、空護だった。《グレイテスト・アース》で真っ先に狙われたからだろうか。
「シールドをWブレイクっすよ!」
「なにもないですねー……」
「《サイバー・N・ワールド》でWブレイク! 《オロチ》でブレイク!」
「……トリガーなしです」
一瞬で空護のシールドがなくなった。
「《ガミラタール》でダイレクトアタックっす!」
「……一応、足掻きましょうかー。ニンジャ・ストライク7で《オロチ》を召喚、《ガミラタール》を山札へ送還しますねー」
空護は最後のシールドから引いたと思われる《オロチ》を召喚。ダイレクトアタックを決めて来る《サイバー・N・ワールド》を山札へと除去するが、
「捲られたのは……《超速リベンジ・ドラゴン》っす!」
「あぁ、無理でしたかー……」
《メテオライト・リュウセイ》がいる限り、攻撃可能なクリーチャーが捲られればそれだけで終わりだ。しかも今回はスピードアタッカーの《リベンジ・ドラゴン》。どちらにせよ、耐えられない。
「《リベンジ・ドラゴン》でとどめっす!」
Lose 空護
(これは……かなりまずいな)
空護が敗北し、プレイヤーが一人減ったところで、浬は急速に危機感を覚えていた。
八の場には《ガミラタール》《パーフェクト・マリア》《オロチ》《メテオライト・リュウセイ》《リベンジ・ドラゴン》と、クリーチャーを五体も並べている。シールドは残り二枚だが、《パーフェクト・マリア》という壁もいるので、攻めづらい。
後続のクリーチャーはすべてスピードアタッカーで、ブロッカーを並べても《パーフェクト・マリア》に突破されかねない。
ここまでの対戦で、いくらロックをかけても、もたもたしていれば数巡で崩されることは経験済みだ。ロックは長くは保たない。
ならば、なのか。八は一瞬の爆発力でクリーチャーを展開、一気に勝負を決めに来た。もう何ターンもかけてはいられない。速やかに対処しなければならないが、果たしてそれが可能なのか。
少なくとも、今の浬の手札では、無理だ。
美琴ターン
マナ:13
手札:5
盾:2
場:《オリーブオイル》
「…………」
美琴も黙っている。この状況を理解できない彼女ではない。
彼女も、打つ手がないのだろうか。浬がそう思った時、美琴は動き出した。
「……賭けるしか、ないわね」
美琴は手札のカードを一枚、スッと引き抜く。
「まずは《シナプス・キューブ》よ。山札の上から四枚を見るわ」
1マナで《シナプス・キューブ》、山札を操作する美琴。
彼女が見た未来は、どのように改変されるのか。
「……! よし、これなら……《聖騎士ヴォイジャー》を召喚。《ヴォイジャー》の能力でコストを下げて、4マナで《オリーブオイル》を、《大宇宙ジオ・リバース》に進化!」
聖騎士ヴォイジャー UC 光文明 (4)
クリーチャー:レインボー・ファントム 3000
進化クリーチャーを召喚する時、支払うコストは最大2少なくなる。ただしコストは1より少なくならない。
大宇宙ジオ・リバース VR 自然文明 (6)
進化クリーチャー:ジャイアント/エイリアン 6000
進化—自分の水または闇のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、進化ではないクリーチャーを1体選び、このクリーチャーの下に置く。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーが破壊された時、その下にある進化ではないクリーチャーをすべてバトルゾーンに出す。
「《ジオ・リバース》の能力で、山札の上から三枚を見るわ。その中から、《究極生命体 Z》を《ジオ・リバース》の下にセット」
《大宇宙ジオ・リバース》は、登場時に山札からクリーチャーを一体、自身の下に置ける。そして、自身が破壊された時、自身の下にあったクリーチャーをすべてバトルゾーンに出せるのだ。恐らく美琴は、《シナプス・キューブ》で仕込むクリーチャ0をトップに引き上げたのだろう。
つまり美琴は《ジオ・リバース》を破壊することで、進化元にした《オリーブオイル》と、能力でセットした《Z》をバトルゾーンに出せる。ブロッカーを並べつつ、確定除去が撃てるのだ。
もっともそれは、《ジオ・リバース》が破壊された時、だが。
「これで最後よ、呪文《父なる大地》! 夢谷君。あなたの《メテオライト・リュウセイ》をマナにおいて、マナからクリーチャーを出してもらうわ」
ここでの《父なる大地》はありがたい。後続をスピードアタッカーとして射出する《メテオライト・リュウセイ》は、最も厄介だった。それが消えるのだから、浬としても願ったり叶ったりだ。
だが、それだけでは終わらない。
《父なる大地》は相手クリーチャーを、マナのクリーチャーと入れ替える。
ここで美琴がマナから引きずり出すクリーチャーとは、
「出て来なさい、《天動の化身》!」
天動の化身(カーニバル・トーテム) VR 自然文明 (6)
クリーチャー:ミステリー・トーテム 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードをすべて自分の手札に戻し、同時に、自分の手札をすべて自分のマナゾーンにタップして置く。
(《天動の化身》か……!)
美琴がマナから引きずり出したのは、《天動の化身》。簡単に言えば、自分にだけ《魔天降臨》を撃つクリーチャーだ。
手札をマナに置き、マナを手札に置く。その挙動自体は、《魔天降臨》と同じ。
しかしこのレギュレーションは、マナが共有。ビッグマナのように、膨大な量のマナを贅沢に使えていたが、それが今、逆転した。
「……! 手札がこんなに……でも、マナが……!」
《天動の化身》を場にだされ、八の手札はマナに置かれ、マナのカードがすべて手札へとやって来る。
手札は十三枚もあるが、マナはたったの5マナ。どう足掻いても、手札のカードを使い切ることは不可能だ。
「《ジオ・リバース》で夢谷君を攻撃、Wブレイクよ!」
「あ、えーっと……ブロックはしないっす!」
ブロックすれば《ジオ・リバース》が破壊されてしまう。そのため、八はこの攻撃を通すしかなかった。
一枚目のシールドがブレイクされる。すると、
「! S・トリガーっすよ! 《グローバル・ナビゲーション》! 浬さんの《アクア・エージェント》をマナ送りっす! で、マナから《魔光王機デ・バウラ伯》を回収っす!」
「くっ……!」
ブレイクされた一枚目はS・トリガー。《グローバル・ナビゲーション》で、浬の《ブルー・メルキス》が除去され、マナのクリーチャーも手札に加えられる。
このレギュレーションなら《グローバル・ナビゲーション》は、除去したクリーチャーをマナ回収で奪うことができる呪文になるが、《アクア・エージェント》なんかを奪うつもりは当然ないらしく、《天動の化身》でマナに埋められたクリーチャーを回収する。
「二枚目もブレイク!」
「ついてるっす、もう一枚もトリガーっす! 《リアルとデスの大逆転! 浬さんの《ブルー・メルキス》を破壊して、墓地から《ヘヴィ・デス・メタル》を復活っすよ!」
「《ブルー・メルキス》までやられたか……《ヘヴィ・デス・メタル》は例によって山札の下へ」
「私はこれでターン終了よ」
浬ターン
マナ:5
手札:5
盾:3
場:《コマンダー・イノセント》
美琴の攻撃で八のシールドはゼロになったが、代わりに浬の場が半壊した。
《アクア・エージェント》も《ブルー・メルキス》もいなくなり、残っているのはブロッカーの《コマンダー・イノセント》のみ。そして、《サイバー・N・ワールド》で手札が増えたのに、《天動の化身》のせいでマナが5マナしかない。このターンにマナチャージしても6マナだ。
実は美琴は、浬を倒すつもりなのではないかとさえ思う。《天動の化身》だって、それなりにパワーと打点の高いクリーチャーだ。《メテオライト・リュウセイ》よりマシとはいえ、その能力の被害は浬も受ける。
しかし、そのわりに、彼女は八のシールドを削った。流石にトリガーが出ることまでは読めなかったはずだから、純粋な八への攻撃のはず。
いまいち彼女の真意が読み取れない。彼女はなにがしたいのだろうか。
そう思いつつ、浬はカードを引く。そして、
「!」
電流が走った気がした。
考える。美琴は《シナプス・キューブ》で山札を操作した。あれは、《ジオ・リバース》で仕込むクリーチャーを選別するためだと思っていたが——勿論それもあるだろうが——それだけではない。
《シナプス・キューブ》で操作できるのは、山札の上四枚。《ジオ・リバース》が登場時に捲るのは、三枚。
つまり、最後の一枚は、必然的に浬のドローとなる。
(まさかこのカードを俺の手元に持ってくるために……? 確かに、この盤面をひっくり返せる可能性はあるが……)
このデッキの特性を考えると、とんでもなくリスクが高い。軽々しく出せるカードではなかった。
しかし、かといって今の手札では、なにができるわけでもない。このカードに賭けるしかないだろう。
「……えぇい、ままよ。やるしかない! 《ヘキサリオ・ドラグーン》をチャージ! そして、《ヴォイジャー》の能力発動! 進化クリーチャーの召喚コストを2軽減!」
《ヴォイジャー》の能力は、全プレイヤーに及ぶ。美琴が《ジオ・リバース》を4コストで出したように、浬も進化クリーチャーの召喚コストを下げられる。
浬はマナにある六枚、すべてのマナを払う。
「《コマンダー・イノセント》を進化!」
進化元は、《コマンダー・イノセント》。
どんな種族の進化クリーチャーにも進化できる、万能進化元だ。
そして現れるのは、起源の女帝。
禁じられた生命の錬金術師だ。
「錬成開始だ——《エンペラー・キリコ》!」