二次創作小説(紙ほか)
- 番外編 合同合宿2日目 「慈悲なき遊戯は豊潤が全て50」 ( No.498 )
- 日時: 2016/09/25 13:45
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
炎彗星アステロイド・ガウス UC 火文明 (7)
進化クリーチャー:フェニックス 11000
S・トリガー
進化V—自分のティラノ・ドレイク、ブレイブ・スピリット、アーマード・ドラゴンのいずれか2体を重ねた上に置く。
W・ブレイカー
シールドから飛び出たのは、まさかのフェニックスだ。
《炎彗星アステロイド・ガウス》。彗星の名を冠する、比較的小型な惑星型フェニックスの一体にして、数少ないS・トリガーを有する進化クリーチャーだ。しかも唯一無二の、進化Vのトリガー獣。
といはいえ、進化元を二体要する進化Vのギミック自体が廃れつつある中で、《アステロイド・ガウス》は特殊な能力もない準バニラタッカー。S・トリガーの奇襲性を、進化Vというディスアドバンテージを負うような進化方法で潰してしまい、かなり肩身の狭いクリーチャーであるのだが。
「《アステロイド・ガウス》……まさかそんなカードが入っているとは」
「色合わせとパワー不足解消程度のつもりでしか入れてなかったんだが、まさか役立つ時が来るとはな……進化元はティラノ・ドレイクの《エクスプレス・ドラグーン》と、ブレイブ・スピリットの《ベイリーフェン》だ。コスト7以上のクリーチャーが出たため、《躍喰の超人》の能力でマナを追加」
《アステロイド・ガウス》は、クリーチャー二体を進化元にしてWブレイカーなので、打点自体は変わらない。パワーが一体のクリーチャーに集約されて、強化されただけだ——本来なら。
しかし今のミシェルの場には《躍喰の超人》がいる。大型クリーチャーが出るたびに、マナが増えていく。
そしてマナが増えるということは、ミシェルにとっては攻撃にも防御にも繋がる行為なのだ。
「総合的な打点こそ変わらない進化だが、こいつを出す意味はあったな。これでマナは溜まった……11マナをタップ! マナ進化GV! 《超神星グランドクロス・アブソリュートキュア》!」
《躍喰の超人》でマナを溜めていたミシェルは、遂に四回目の《アブソリュートキュア》を、統率者領域から召喚する。
「ハンデスを恐れてバウンスに対して統率者領域に戻したのは失敗だと思ったが……結果オーライか。ほぼこれで終わりだと思うが、《アブソリュートキュア》で攻撃する時、一応メテオバーンでシールドを三枚追加する」
「くっ……ニンジャ・ストライク7、《斬隠オロチ》! 《サイクロペディア》を統率者領域に戻し、山札を捲ります……」
「……シノビ、あったのか」
それも《オロチ》だ。
ここで現れる《オロチ》には、大きな意味がある。
「山札を捲り、《クロック》をバトルゾーンへ! このターンは終了する!」
「都合よく《クロック》が捲れた……わけじゃないよな。仕込んだか」
浬は攻撃を耐えられたときのために、保険をかけておいた。
前のターン、《ブレイン・ストーム》で山札上のカードを操作している。その時点で、手札に《オロチ》を、山札に《クロック》を用意しておいたのだ。
これでミシェルのターンは終わり、浬のターンへと移ったが、
「シールドが増えたのは、少し想定外だったな……やはり賭けて突撃するしかないのか。11マナで《サイクロペディア》を召喚! 三枚ドロー!」
まずは統率者領域から、三度目となる《サイクロペディア》を召喚し、手札をさらに増やす。
「《アクア忍者 ライヤ》を召喚。《サイクロペディア》を手札に戻し、2マナで《ライヤ》を進化! 《クリスタル・ブレイダー》!」
「打点が増えた……」
これで浬の場には、《クリスタル・ランサー》《オロチ》《クロック》《クリスタル・ブレイダー》アタッカーが四体で、五打点ある。三枚のシールドをすべてブレイクし、ダイレクトアタックまで届く確率は高まった。
やはり、“高い確率”までしか価値の目を引き上げることはできないが。
「《クリスタル・ランサー》でWブレイク!」
「S・トリガー……《無頼護聖サソリスJr.》を召喚!」
先んじて殴った《クリスタル・ランサー》からは、S・トリガーが一枚。それも、ブロッカーだ。
「《クロック》でシールドをブレイク!」
「こっちもS・トリガーだ! 《降臨の精霊 トリガブリエ》! 能力で自身をブロッカーにする!」
続く《クロック》が割ったシールドも、S・トリガー。
そして、浬にとっては絶望的な、二体目のブロッカーである。
「ブロッカーが二体……くっ」
浬に残されたアタッカーは、《オロチ》《クリスタル・ブレイダー》。
ミシェルには、《サソリスJr.》と《トリガブリエ》、ブロッカーが二体。
どうしたって、とどめまで届く計算はできなかった。
浬は一瞬、手札に目を落とすと、足掻くように《クリスタル・ブレイダー》に手をかける。
「……《クリスタル・ブレイダー》でダイレクトアタック」
「…………」
ミシェルはその攻撃を、すぐにブロック宣言しなかった。
浬を——彼の手札に視線を向けてから、ブロッカーに手をかける。
「……《サソリスJr》でブロック」
「ぐ……!」
当然の結果だが、浬は呻く。
「《トリガブリエ》にブロックさせるために《クリスタル・ブレイダー》で殴ったんだろうな……《ジャニット》でも握ってるんだろ? 《オロチ》の直後だ。そのくらい、見抜けないと思ったか」
「……ここまでか」
浬は静かに手札を置く。
《サイクロペディア》から引き入れた《テンサイ・ジャニット》も意味をなさず、万策尽きてしまった。
これで、決着だ。
「《超神星グランドクロス・アブソリュートキュア》で、ダイレクトアタック!」