二次創作小説(紙ほか)

東鷲宮中学校放送部 第一回「空城 暁」 ( No.83 )
日時: 2014/05/21 20:13
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

青葉
「さあ今日も始まりました、お昼の放送のお時間です。今回は放送部一年、青葉が司会進行を務めさせていただきます。そしてゲストはこの人です!」


「お昼の放送に呼ばれたの初めて……放送室の奥ってこうなってるんだ……」

青葉
「基本的に部外者は立ち入り禁止ですからね。物珍しいのは分かりますけど、自己紹介。名乗ってください」


「あ、うん。えーっと、一年二組の空城暁です」

青葉
「短い時間ですが、今日はよろしくお願いします、空城さん」


「よろしくね。ところで他に人はいないの? 司会とゲストだけ?」

青葉
「では、頂いているお葉書を紹介しましょう」


「スルー!? っていうか何でハガキ!? ここ学校だよね?」

青葉
「細かいことは気にしません。えーでは、空城さんには数多くの質問の葉書きが寄せられているのですが……」


「私、昼になった途端いきなり君に引っ張り込まれたんだけど、なのになんで質問ハガキなんか来てるのさ……」

青葉
「一番多いのは二、三年生、上級生からの葉書きですね。去年の卒業生に空城夕陽という方がおられたそうですが、ご兄妹ですか? と」


「あー……うん、そうだよ」

青葉
「では、お兄さんとのご関係は?」


「自分でお兄さんって言ってるじゃん。私、妹。お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ」

青葉
「そうですか。こんな可愛い妹さんがおられるなんて、ライトノベルの主人公みたいなお兄さんなんでしょうね」


「……そういえば、シオ先輩のお兄ちゃんも、そんなこと言ってたっけ……」

青葉
「シオ先輩というと、三年生の御舟先輩ですか。放送部の先輩から聞いた話ですが、この空城先輩と御舟先輩、それから春永先輩という三名が、去年の東鷲宮中学では超がいくらでもつくほどの有名人だったそうですね」


「へぇ、そうなんだ。お兄ちゃん、中学校の頃の話はあんまりしてくれないから知らなかったよ。たまに上級生から視線を感じてたけど、そういうことだったんだ」

青葉
「妹さんまで注目されているとなると、相当な有名人だったんでしょうね。空城さんは、空城先輩は当然、御舟先輩ともお知り合いのようですが、春永先輩とはどうなんですか?」


「このみさんは私の憧れだね。いつかの人みたいになるのが私の目標だよ」

青葉
「ほほぅ、それはそれは。さぞかし立派な方なんでしょうね、春永先輩は」


「立派っていうか、可愛いし元気で明るくて優しくて、尊敬できるし、とにかく凄い人だよ。胸大きいし」

青葉
「成程成程。向こうで二、三年生の先輩方が苦虫を噛み潰したような顔をしていますが、見なかったことにしましょう。ところで空城さんは、お兄さん絡みのこと以外でも、一年生の間ではわりと有名人なんですよ」


「そうなの?」

青葉
「はい。入学早々、デュエマでクラスメイト全員を叩き潰して、すぐ隣のクラスに殴り込んできたくらいですからね。ビックリしましたよ」


「そういえばあったなぁ、そんなことも」

青葉
「その台詞は蹴散らされたクラスメイトが浮かばれないですが、それはさておき。どうしてあの後、一組を殲滅しなかったのですか?」


「殲滅って……まーそうだねー、最初にデュエマを申し込んだ浬がなかなかデュエマしてくれなくて、絶対にデュエマさせてやる! とか思ってたら部活に入ってて、部活に熱中しだしたからかな?」

青葉
「部活? 空城さんは、部活動をなされているんですか? 何部ですか? 運動とか得意そうですけど」


「運動部じゃないなぁ。遊戯部っていうの」

青葉
「遊戯部? 聞いたことない部です……あ、先輩がカンペを出してくれました。えぇっと……あー、はいはい。あれですね、あの都市伝説みたいな部活。一部の生徒の間で噂になってる」


「噂になってるんだ」

青葉
「実体は知りませんが、これを機に部員を割り出して新しいネタとするのもいいかもしれませんね」


「へぇ、柚とか浬とか部長とかもここに来ることになるのかな」

青葉
「まあ今は目の前のゲストに集中しますけどね。では次の話題に移りたいんですけど」


「そういえばハガキはもういいの? 結局私、お兄ちゃんのことしか聞かれなかったけど」

青葉
「いいんですよ、身長とか体重とか身体のあちこちのサイズを教えて欲しいとかいう欲望丸出しの葉書きばっかりなんですから。それより、空城さんと言えばデュエマですよね」


「うん……うん? そうなの?」

青葉
「そうですよ。不満ですか?」


「いや、別に……」

青葉
「そこで、これもお葉書を頂いているのですが」


「あ、ハガキが戻って来た」

青葉
「『空城さんがデュエマする姿を見て自分もデュエマを始めました。どうか初心者の自分にデュエマのノウハウを教えてください』といった趣旨のものがわりと多いんですよ。空城さんに影響されてデュエマを始めたり、もっと強くなりたいから、空城さんにアドバイスを仰いだり」


「そうなんだ。なんか照れるな、そういうの」

青葉
「そんな葉書きから抜粋したのが……」


「いいよいいよ、なんでも聞いて。私、今ならなんでも答えるよ!」

青葉
「『いつか空城さんにリベンジします。なので是非とも空城さんのデッキの中身を教えて欲しいです』というお葉書です」


「まさかのデッキピーピング!? お昼の放送で聞くようなことじゃないっていうか、本人に聞くこと!? リベンジ目的で言うわけないじゃん!」

青葉
「でもさっき、なんでもするって言いましたよね?」


「なんでもするなんて言ってないよ……でも、答えるって言っちゃったし、まあいいか。デッキの中身を知られたくらいじゃ、負けないし」

青葉
「強気ですね。では、デッキレシピをどうぞ」


「最近改造したばっかりなんだけど、今の私のデッキはこんな感じだよ」



枚数:コスト:文明:名前

1:10:火:《龍世界 ドラゴ大王》
2:8:火:《ジャックポット・バトライザー》
2:8:火:《ジャジャーン・カイザー》
1:7:火:《超竜サンバースト・NEX》
1:7:火:《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》
1:7:火:《爆竜トルネードシヴァXX》
2:7:火:《爆竜勝利 バトライオウ》
2:7:火:《偽りの名 バルキリー・ラゴン》
2:7:火:《火焔タイガーグレンオー》
1:6:火:《爆竜 GENJI・XX》
3:6:火:《爆竜 バトラッシュ・ナックル》
3:6:火:《ボルシャック・NEX》
2:5:火:《ギャノバズガ・ドラゴン》
2:4:火:《ボッコ・ルピア》
3:3:火:《スピア・ルピア》
4:3:火:《フレフレ・ピッピー》
4:3:火:《コッコ・ルピア》
2:6:火:《スーパー炎獄スクラッパー》
2:7:火:《ドリル・トラップ》



青葉
「火文明単色の連ドラ……でしょうか」


「うん。っていうか、青葉は分かるんだね……その通り、このデッキはドラゴンを連続で出すデッキ、通称連ドラだよ」

青葉
「どういう風に動かすんですか?」


「特別な動きとかはあんまりないかな。序盤に《コッコ・ルピア》とか《フレフレ・ピッピー》みたいなドラゴンの召喚コストを下げるファイアー・バードを出しといて、そこからどんどんドラゴンを召喚するだけ」

青葉
「シンプルですね」


「いやいや、色んなコンボもあるよ。《バトラッシュ・ナックル》でバトルに勝って《バトライオウ》を出したり、《ボルシャック・NEX》から三種のルピアを出したり、《ジャックポット》で一気にドラゴンを展開したり」

青葉
「コンボと言えるほどのコンボでもない気もしますけどね」


「いや、まあ……でも、《NEX》は色んな能力を持ったルピアを出せるからサポートを固められるし、《ジャックポット》だって《ドラゴ大王》を出したりして上手くバトルに勝てれば、本当にドラゴンがたくさん並ぶし、《バトライオウ》も最速8ターン目に出るんだよ」

青葉
「《ドラゴ大王》はドラゴン以外の登場を封じますしね。しかしパッと見る限り、バトル関係のカードが多いですね」


「基本はドラゴンを並べて押し切るって戦法だけど、バトルで相手を破壊しながら場を制圧するのも、このデッキのスタイルだからね」

青葉
「それはいいんですが、このデッキ、速攻みたいな早いデッキ相手には厳しくないですか?」


「そうだね……3マナ溜まらないと動けないから、防御用のS・トリガーには気を遣ってるかな。私は火力範囲の広い《ドリル・トラップ》を入れてるけど、この辺は好みによって変えられるかも」

青葉
「速攻に弱いなら《スーパーバースト・ショット》や《めった切り・スクラッパー》のような、相手の小型獣を焼き払えるようなカードが良さげですね」


「クリーチャーも《霊峰竜騎フジサンダー》とか、軽いドラゴンを積んでもいいしね。ドラゴンなら大抵のクリーチャーは入るから、これも好みで色々改造できるね。《フレミングジェット・ドラゴン》で一気にシールドを割ったり、《インフィニティ・ドラゴン》で除去耐性を上げたり」

青葉
「《セルリアン・ダガー・ドラゴン》なら手札が補充できて《竜星バルガライザー》や《偽りの名 バルガ・ラゴン》を追加してさらに踏み倒し手段を増やすのもよさそうですね」


「まあでも、このデッキそこまでドラゴン比率が高くないから、単体で使えるカードとか、バトル絡みのカードを優先させてるけどね。二枚以上積んでるカードは根幹の動きに関わってくるから、入れ替えるとしたら一枚積みのドラゴンかなぁ。突破力があって即座に攻撃できる《GENJI》、バトル発生手段の一つとして入れてる《トルネードシヴァ》と、シールドを燃やすフィニッシャー《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》。それからゼニスみたいなドラゴンたちでもパワー負けする大型クリーチャーを蹴散らすための《サンバースト・NEX》。これらのカードは他のフィニッシャー級のドラゴンと入れ替えてもいいし、ドラゴンをサーチする《バルキリー・ラゴン》や《ジャックポット》を増量したり、《ドラゴ大王》を増やしてロック目的を強くしてもいいと思うよ。5〜6コストのドラゴンを増やして、基盤の動きを安定させてもいいしね」

青葉
「ふむふむ。よく語りますね」


「いやいや、まだ終わらないよ。実はこのデッキは他にも——」

青葉
「おっと、ここで時間が来てしまいました。今回はここまでです」


「ここで!? せっかくノって来たのに!」

青葉
「ということで、今回はゲストに空城暁さんに来ていただきました。またの放送をお楽しみに」