二次創作小説(紙ほか)

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル) ( No.124 )
日時: 2015/07/14 16:28
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

『えぇー、ご来場の皆様。これより急遽、この特設ステージで鎧龍でも最強、いや最凶クラスのド畜生……じゃなかった、実力者2人によるエキシビションマッチをお送りします』

 その後、一悶着あり。わざわざD・リーグ専用、立体ホログラム付きフィールドでフジとテツヤによるデュエルが始まることになった。
 最新鋭の立体ホログラムが見れると聞き、観客達も集まったのであった。
 
「この大会場で、晒しモンにしてやるさ。俺の完璧な戦術でな!」
「はっ、世迷い事を。俺様のデッキで叩き潰してやるぜ!!」

 当然、ヒナタ達も(半ば仕方なく)観戦しに来たのであった。

「この勝負、一体どっちが勝つんでしょうか?」
「どーでも良いわ、うん」
「完全に興味無さそうっすね、先輩」
「見るだけ不毛だっつーの」
「しかし、あの星目先輩……一体、どのようなコンボを使うのか見ものではあるな」
「おっそろしいとは聞いているわよ? 無限ループばっかり使うって」

 そうこう言っているうちに、フジもテツヤも準備は整ったようであった。


『デュエル・スタート!!』


 ***


「俺様のターン、《ピクシー・ライフ》でマナを加速、ターン終了だ」
「俺もマナを加速し、ターンエンドだ」

 フジは序盤、大量のマナ加速カードを使い、マナを7枚までに増やしていた。
 一方のテツヤは----------此処まで、ほぼ動きなしだ。1度、《フェアイー・ライフ》を使ったっきりである。
 マナゾーンのカードを見ても、《メカピン》、《ミスキュー》、《ダキテー・ドラグーン》etc……どう見ても事故ったようにしか見えない。
 
「では、そろそろ動くとしようか!!」

 フジが叫ぶ。
 遂に来るか、と観客達は期待に身を振るわせた。

「呪文、《戦慄のプレリュード》! 効果でコストを5下げ、現れるが良い、俺様の切札!!」

 フジの叫びに呼応するかのように、フジの頭上に穴が裂け、1体の巨人がバトルゾーンへ現れた。
 

「《「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス》、召喚!!」


「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス P(R) 無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 12000+
パワーアタッカー+12000
ワールド・ブレイカー
エターナル・Ω


「何て巨大なクリーチャー……!」
「あれがフジ先輩の切札! ホログラムで見たのは初めてだぜ」
「ターボゼニス……あれが先輩の本来のデッキだというのか」

 現れたのは、ゼニスの中で唯一ワールド・ブレイカーを持つクリーチャー、《マキシマム・ザ・マックス》であった。
 そのパワーは最大で24000まで上昇し、まさにゼニスの中ではおぞましいほどの火力を誇るのである。
 ただし、言い方を変えればパワー馬鹿になってしまうのであるが。

「ターンエンドだ!」

 勝利を確信したような笑みを浮かべるフジ。その自信が全てを物語っている。
 慢心は最大の敵だ、と。

「俺のターン。もう勝った気でいるとは、流石お坊ちゃまは違うね」
「何?」
「教えてやる。俺のコンボをな!」

 カードを引いたテツヤは、更に1枚をマナに置く。
 これにより、テツヤのマナのカードは6枚となった。


「連鎖しろ、それが水の流儀! 現れよ、知識の侵略者、《ガチャンコ ガチロボ》を召喚だ!!」


ガチャンコ ガチロボ SR 水文明 (6)
クリーチャー:グレートメカオー/侵略者 6000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、自分の山札の上から3枚を見せる。それがすべてコストが同じクリーチャーであれば、バトルゾーンに出す。それ以外なら、好きな順序で山札の一番下に置く。
相手のシールドが2つ以下なら、自分の水のクリーチャーは攻撃もブロックもされない。
W・ブレイカー


 現れたのは、青い装甲に身を包んだ、子供のおもちゃのようなデザインをした巨大なロボであった。
 そして、膝にはガチャの取っ手らしきもの、腹部にはカタパルトが装備されていた。

「《ガチロボ》の効果発動! 山札から3枚を捲り、それが”同じコスト”のクリーチャーならばバトルゾーンに出しても良い!」
「同コスト------------はっ!!」

 フジは気付いたようであった。
 テツヤのマナゾーンには、”コスト6”のクリーチャーのみ。
 つまり、テツヤは------------

「俺はデッキのうち、32枚をコスト6のクリーチャーにしている!! こいつの効果が不発に終わることは殆どねぇ!!」
「これがてめぇの新デッキだって言うんだな?」
「無限ループにも飽きちまってな。そろそろ、俺はこういうのを使いたかったんだよ!! 出て来い、クリーチャー!!」

 山札が3枚捲られた。
 現れたのは-------------


「《アクア・サーファー》、《GENJI・XX》、そして《ガチャンコ ガチロボ》を召喚だ!!」


 ----------全てコスト6のクリーチャーだ。

「な、馬鹿な---------!!」
「2体目の《ガチロボ》の効果を使用し、再び3枚を捲る! 《ムラマサ・リザード》、《幻影 ミスキュー》、《龍覇 メタルアベンジャー》!」
「な、一気にクリーチャーが7体に増えただとぉ!?」

 余りの展開力に、流石のフジも驚愕せざるを得なかった。まずい。自分のデッキに、このクリーチャー達を止められる術はあったような無かったような---------状態である。

「そして、《メタルアベンジャー》に《エビデンス》を装備! そして、《幻影 ミスキュー》の効果発動!!」

 
幻影 ミスキュー VR 自然文明 (6)
クリーチャー:ミステリー・トーテム/侵略者 3000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、クリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。その後、そのプレイヤーは自身の山札をシャッフルし、上から1枚目を見せる。それがクリーチャーであれば、バトルゾーンに出してもよい。


「こいつ自体をマナに送り---------!!」

 次の瞬間、《ミスキュー》がマナゾーンへ送られた。
 それと同時に、テツヤの山札から、更に1枚が捲られる。
 そこから、更なるクリーチャーが現れる-----------!!

「現れろ、3体目の《ガチャンコ ガチロボ》!!」