二次創作小説(紙ほか)

短編3:文化祭(と言えば聞こえは良いが要は唯のスクランブル) ( No.125 )
日時: 2015/07/31 15:01
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「三体目の効果で、更に現れろ!! 俺のクリーチャー!!」

 連鎖するように、3体目の効果が発動した。
 山札が再び3枚捲られ、現れたのは-----------


「《GENJI・XX》、《メカピン》、《龍覇 グレンモルト》召喚!!」


 この3体であった。
 
「《グレンモルト》に《銀河大剣 ガイハート》を装備----------この意味、分かるよな?」
「《ガイハート》……そんなものまで手に入れていたのか、お前は」
「さて。これで連鎖は終了だ--------しかし!! お前も同時に終わるのさ!!」

 叫んだテツヤは、まず《GENJI・XX》でシールドへ攻撃を浴びせた。
 残り、3枚。しかし、割られたシールドがカードなり、再びバトルゾーンへ現れた。
 S・トリガーだ。

「《フェアリー・ライフ》でマナを加速する!」

 しかし。それも単にマナを1枚増やしただけ。テツヤからすれば痛くも痒くもない。

「その程度か? それでは《グレンモルト》でシールドをブレイク!! そして、このターン2度目の攻撃を行ったので、《ガイハート》は攻撃の後に龍解するぞ!!」
「くっ、トリガーなしか----------!!」

 ふっ、とテツヤは馬鹿にするように笑った。


「龍解!! 赤き熱血龍よ、この俺に力を貸せ!! 《熱血星龍 ガイギンガ》!!」


 ***


「武闘先輩は、かなり危ない状況だ」

 レンは、冷静に考察した。フジのデッキ、ターボゼニスには大量のブースト呪文と巨大クリーチャーが入っている。
 しかし。トリガー呪文は入っているかどうか、謎である。
 はっきり言って、スパーク系呪文などで止められても、次のターンに手札に握られているカードでは対処できない。
 しかも、テツヤの手札には追い討ちと言わんばかりに4枚目のガチロボがあった。

「いや、いつからフジ先輩応援する流れになったんだコレ」
「知らん」
「でも、えげつないものを見せてくれたわね、星目先輩」
「そうですね。とりあえず、記事にしましょう!」

 待ってください---------と言ったのはノゾムであった。


「オレには、フジ先輩がまだ何か隠しているように見える-----------!!」


 ***


熱血星龍 ガイギンガ  ≡V≡≡V≡  火文明 (7)
ドラグハート・クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 9000+
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが龍解した時、相手のパワー7000以下のクリーチャーを1体破壊する。
バトル中、このクリーチャーのパワーは+4000される。
相手がこのクリーチャーを選んだ時、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。



「Wビクトリーカード、《ガイギンガ》。元はシントの奴から郵送で借りた奴だ」
「くそ、あの野郎……余計な事を」
「ははは、もう遅い!! 《GENJI》でシールドをW・ブレイク!!」

 シールドは残り0枚。
 そして、《ガイギンガ》は選ばれたらエクストラターンを持ち主に与える効果を持つし、そもそもこの状況、除去カード1枚では止められない。
 しかし。それでも天運はフジに勝機を与えたのだ。


「S・トリガー、発動!!」


 それは、恐ろしく自信に満ちた笑みであった。
 屍鬼の死の宣告であった。

「何!? 今更この状況を、お前はどうやって引っ繰り返すつもりだ!! お前のデッキカラーと構築を見れば一目瞭然だぞ!!」
「ゼニスデッキには”是非入れておきたいカード”があってだな--------!!」

 S・トリガーとして現れたカードが、突き付けられる。
 

「呪文、《天運ゼニス・スクラッチ》!! 俺様はこの1枚に全てを賭すぜ!!」


天運ゼニスクラッチ R 無色 (7)
呪文
S・トリガー
自分の山札をシャッフルし、その後、一番上のカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのカードがゼニスであれば、コストを支払わずに召喚してもよい。ゼニスでなければ、そのカードを手札に加える。


 会場には緊張が漂っていた。
 山札がシャッフルされ、全ての運以外の要素は排除された(そもそも山札操作も何も行われていないが)。
 まさに天運に全てを賭すに等しい状況だ。
 《ゼニス・スクラッチ》は山札をシャッフルした後に一番上のカードを全てのプレイヤーに見せて、それがゼニスならばコストを支払わずに召喚できる呪文だ。
 つまり、ゼニスの召喚時効果も使える。場合次第では一発逆転も可能。
 しかし。外れればただのスカ。
 しかも、仮にゼニスだったとしても、この状況を引っ繰り返せるかどうかは別問題となる。
 それも承知で、フジは山札の一番上を捲った。


「俺様に応えろ!! 出て来い、ゼニス-------------!!」


 カードが会場の全員に向けられる。
 そして、そのカードは----------------


「来たぞ、《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》ッ!!」


 ----------紛うことなき、ゼニスであった。
 その瞬間、会場から歓声が上がる。
 
「嘘だろ---------!? よりによって、そんなカードを!?」
「《VAN》の効果発動!! 相手のクリーチャーを全て、持ち主の手札に戻す!!」


「修羅」の頂 VAN・ベートーベン SR 無色 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 14000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーをすべてバトルゾーンから持ち主の手札に戻す。
相手がコマンドまたはドラゴンをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。
T・ブレイカー
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)


 これにより、何体ものクリーチャーは一瞬で無に返された。
 
「タ、ターン終了……!! くそっ、悪運の強い奴!! どの道、次のターンに《ムラマサ・リザード》でダイレクトアタックで決めてやるさ!!」
「まだだぜ? てめぇに散々やられた分、此処でたっぷり返す!!」

 叫んだフジはターンの最初にマナを加速。
 そして-----------今引いたのか、とっておきのクリーチャーを繰り出す。

「お前が殴ってくれたおかげで、マナが増えたぜ。まず、3マナで《戦慄のプレリュード》を使う!!」
「ば、馬鹿な!!」

 見れば、天井には既に巨大な穴がホログラムで投影されていた。雷が鳴り響き、強大な存在の登場を予感させる。


「修羅の力と鬼の力、全てを融合させ、天頂の大戦に勝利せよ!! 
現れよ、俺様の切札!! 《超絶奇跡 鬼羅丸》!!」