二次創作小説(紙ほか)

Act3:警戒 ( No.131 )
日時: 2015/07/17 12:52
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 コトハのターン。
 マナゾーンの自然のカードが7枚以上あるため、再び《ニャンクス》のマナ武装が発動する。武装解除しても、この能力は引き継がれるため、パワーは更に上昇し、T・ブレイカーとなった。しかし。ノゾムの場には《チュレンテンホウ》がいる。可能性は低いが、あまり動きたくはない。
 マナを更に1枚置いた彼女は《ジュランネル》に加えて、さらに1体のクリーチャーを繰り出したのだった。

「《龍覇 サソリス》召喚! 《ジュダイナ》を装備するわ!」
「マナゾーンからドラゴンを召喚できる能力を持ったドラグハート……!!」
「そして、このターンにこの子を龍解させるわ!」

 龍解条件はターン終了時にドラゴンが3体場に出ていること。それはノゾムでも知っていた。
 確かに能力と噛み合ってはいる。さらに、マナを司る彼女は展開を進めた。

「《ディグルピオン》召喚! その効果で場にドラゴンがいるから生き残り、マナを1枚加速する! そのマナで、コスト1の《緑神龍 ドラピ》召喚よ!」
「こいつもコスト1のドラゴンなんですかぁ!?」

 まずい。W・ブレイカーとT・ブレイカー、そしてワールド・ブレイカーの強力なドラゴンが一気に場に現れてしまった。
 そして、彼女のターンが終わると同時に、《サソリス》が持っていた《ジュダイナ》が古代の脈動と同時に裏返る。 
 場には《ニャンクス》、《ディグルピオン》、《ジュランネル》、《ザールベルグ》の4体。
 既に龍解条件は達成されていた。


「龍解!! 《古代王 ザウルピオ》!!」


 《ザウルピオ》はシールドが0枚のときに、相手の攻撃を封じる効果を持つドラグハート・クリーチャーだ。
 防御手段の薄い自然文明にとっては、優秀な壁。

「とはいえ、ただの気休めね、これは-----------!」

 しかし。除去手段の多い水にそれが通用するかはわからないのだ。
 一方のノゾムは---------最早、高揚とした気分を隠せなかった。
 やはり、デュエマは楽しい。

「そうこなけりゃ、面白くはないってもんですよ、如月先輩!!」
「へーえ、この状況を見て面白いって言えるんだ」

 -----------ハッタリだけどね。あたしの方が内心びくびくしてるくらいだわ! 
 
「それで、どうやって逆転するの?」
「それは簡単な方程式を解くに等しいことですよ、先輩。非常に簡単なロジックだ!」

 ノゾムのマナゾーンにカードが置かれた。
 これにより、7マナだ。
 そして、そのマナ全てがタップされた。


「呪文、《龍素解析》! カードを4枚引いて、手札からコスト7以下のクリスタル・コマンド・ドラゴンをバトルゾーンへ!」


 嫌な予感がした。場には、呪文をもう1度使える《チュレンテンホウ》がいるではないか。
 
「まず、4枚をドロー! そして、《上弦の玉兎星 クレセント・ニハル》をバトルゾーンに出します!」
「その子もクリスタル・コマンド・ドラゴンなのね……!」
「さらに、こいつの効果で超次元ゾーンから《月影機構 ルーン・ツールS》をバトルゾーンに! 効果でコトハ先輩の手札を1枚シールドゾーンに置かせて貰います!」
『いっくよ! ノゾム! あたし達も武装するよ!』

 これにより、彼女の手札は0枚になった。当然である。元々手札の少なかった彼女には追い討ちをかけるようなものであったが、ピーピングではない分、リスクの高い効果ではある。

「そして《チュレンテンホウ》による2度目の《龍素解析》! カードを4枚引いて、コスト7以下のクリスタル・コマンド・ドラゴンの《ν・龍覇 メタルアベンジャー R》をバトルゾーンへ! 1つ目の効果でカードを1枚ドローします」
「ドラグナー……! あたしのよりもやばそうなの持ってるじゃないの……!」
「驚くのはこっからですよ! 効果で、超次元ゾーンから《超龍素要塞 エビデシュタイン》をバトルゾーンに出します!」


 
ν(ニュー)・龍覇 メタルアベンジャー R(リベンジ) UC 水文明 (7)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン/リキッド・ピープル閃/ドラグナー 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハートを1枚、またはコスト5以下の水のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー



超龍素要塞 エビデシュタイン VR 水文明 (5)
ドラグハート・フォートレス
自分の呪文を唱えるコストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン中に呪文を3枚以上唱えていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。



 強力な置きドロー要因だった《エビデゴラス》と違い、こちらは完全な呪文サポートとなっている《エビデシュタイン》。
 その龍解条件は、ターンの終わりに呪文を3枚使っているということであるが----------もう、彼のマナは1枚もない。

「このターンは龍解できないわね」
「本当にそう見えますか?」
「---------何が言いたいの」
「残念ながら、その程度の式ではオレの敗北を証明することはできないですよ、如月先輩!!」

 ノゾムは手札から、”コストを支払わずに”カードをバトルゾーンに出した。
 それは呪文のカードだった。


「《龍素力学の特異点》! G・0でドラグナーがいればタダで唱えられるんです!」
「う、うそ!? じゃあ、これでターンに3枚以上唱えたことになるじゃない!」
「効果で手札を2枚引き、1枚を山札の1番下へ! そして、《チュレンテンホウ》の効果でもう1回カードを2枚引いて山札の一番下に!」

 一気にノゾムの手札が増えた。これでは攻撃しようと思っても迂闊に攻撃できない。
 
「ターン終了時に、《ルーン・ツールS》と《エビデシュタイン》の効果発動!」

 ターンに3枚の呪文を唱えたこと。これがトリガーとなり、強大な要塞は最後の龍解を遂げる。


「その力を証明し、全ての弱者のために新たなる希望を証明せよ! 《ν・龍素王 Q‐END》、龍解完了!!」


 そして、これだけでは終わっていない。今度は《ルーン・ツールS》の効果が発動した。それを裏返し、クレセントへと重ねた。


「その鉄槌で悪を砕け。正義を胸に今、ここに武装完了!! 
《循環月影 クレセント・ベクトル》!!」