二次創作小説(紙ほか)

Act6:破滅の戦略 ( No.137 )
日時: 2015/07/22 01:18
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

***


 ホタルとアヴィオールのデュエル。
 現在、ホタルとアヴィオールのシールドは共に5枚。
 そして、ホタルの場には光クリーチャーのコストを下げる《アクロアイト》、《オリオティス》。
 一方のアヴィオールの場には闇クリーチャーのコストを下げる《ブラッドレイン》が1体。
 しかし。アヴィオールは《オリオティス》の効果によって、自分のマナゾーンの枚数よりもコストの大きいクリーチャーを出せば、そのクリーチャーを山札の一番下に置かねばならなくなったため、不用意なコスト軽減は出来ずにいた。
 ただし。コスト軽減が出来ないのであれば、

「僕のターン。呪文、《ボーンおどり・チャージャー》で山札の上から2枚を墓地へ。そしてチャージャーでこの呪文をマナゾーンに置きます。



ボーンおどり・チャージャー P 闇文明 (3)
呪文
自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
チャージャー



 これにより、アヴィオールの墓地には《オタカラ・アッタカラ》と《地獄門 デス・ゲート》が置かれた。更に、マナゾーンに《ボーンおどり・チャージャー》も置かれて4マナ。次のターンには5マナになっているだろう。
 しかし。ホタルも準備を着々と整えつつあったのだ。

「4マナで《超過の翼 デネブモンゴ》を召喚です! 効果でカードを1枚引いて、コスト2の《アクロアイト》をもう1体召喚します!」
「ほーう。成る程……」

 《デネブモンゴ》は登場時に手札を1枚引き、コスト3以下のクリーチャーをバトルゾーンに出すという能力を持つ。
 これにより、手札を切らさずに展開が出来る。
 光の中でも、低コストクリーチャーを並べる戦略にはもってこいのカードなのだ。

「ですが、その程度とは詰めが甘かったですね------------!」

 直後のアヴィオールのターン。 
 アヴィオールのマナゾーンに置かれたのは-----------火の《めった斬り・スクラッパー》だった。
 -----------え!?
 此処でホタルは意外なカードに驚愕した。彼が今まで闇単ばかりを使っていたからである。
 今回は二色編成だというのか。

「マナ武装は達成しにくくはなりますねぇ、確かに。ですが、これはどうでしょうか? 呪文、《超次元 シューティング・ホール》で邪魔な《オリオティス》を破壊」
「うっ……!」

 《オリオティス》はコストの高いサイキックの召喚も封じられる優秀なクリーチャーだ。
 しかし。ブロッカーという以上はこうして除去の的になりやすいのである。
 
「さらに効果でコスト9以下の火のサイキック、《激天下! シャチホコ・カイザー》を召喚。ターンエンドです」
「《シャチホコ・カイザー》……!? 何を狙っているんですか!?」
「さあ?」

 とぼけた様子のアヴィオールは当然ながら何も教えてくれない。
 だが、ホタルとて半端な覚悟でこの戦いに臨んでいるのでは無いのだ。
 -----------お母さん! お父さん! 今助けるから-------------!
 直後、《アクロアイト》2体の身体が光った。自らの効果を発動したのだ。
 ターンの最初に召喚する光のクリーチャーのコストを−1する能力。2体ならば−2だ。


「天命に従い、暗雲を払い、弱者に勝利あれ! 《精霊龍 ライトデュエル》召喚です!」


精霊龍 ライトデュエル VR 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 7000
ブロッカー
自分の光のコスト6以下のクリーチャーはすべてのバトルに勝つ。
呪文の効果によって相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
W・ブレイカー


 ライトデュエルの効果で、弱者は力を得た。あらゆる暗雲に打ち勝つ力を。
 正義の勝利を願う心が生んだ精霊龍は、あらゆる呪いを弾き、受け付けない。
 
「ターン終了です!」

 とはいえ、このまま相手に手札を与えるのも忍びない。じわじわと相手を追い詰め、一気に攻めきる。それがホタルの考えていた勝利へのシナリオだた。
 だが、それはアヴィオールも同じであった。

「私のターンの初めに、《シャチホコ・カイザー》の効果発動。墓地から《オタカラ・アッタカラ》をバトルゾーンへ」



激天下!シャチホコ・カイザー C 光/闇/火文明 (7)
サイキック・クリーチャー:レインボー・コマンド・ドラゴン/エイリアン 5500
自分のターンのはじめに、コスト3以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。



 さらに、とアヴィオールは続けた。《オタカラ・アッタカラ》の効果で、山札の上から2枚が墓地へ送られる。

「そして、《龍覇 ウルボロフ》を召喚です。効果で、超次元ゾーンから《煉獄刃 ヘルフエズ》を装備します」
「ドラグハート・ウェポン……!?」
「ええ。そして、ターン終了です」

 何か嫌な予感がする。しかし、生憎今のホタルの手札に相手のクリーチャーを直接除去できるカードは無い。
 しかし。
 
「私のターン! 《指令の精霊龍 コマンデュオ》を召喚です! 効果で手札を1枚引いて、《ガガ・ピカリャン》召喚です! さらに1枚引きます! ターンエンドです!」
「随分とまあ、増やしましたねぇ。ですが、此処までです」
「……え!?」

 守りに入っていたホタルの表情が一転、驚きで見開かれた。


「知っていますか? ファンキー・”ナイト”メアは、”ナイト”でもあるんですよ?」


 この時、ホタルは己の無知さを思い知った。何故、この龍がわざわざ2色構成にしていたのか、その理由も同時に分かった。
 
「ナイトである《オタカラ・アッタカラ》と《ウルボロフ》を進化元に! 《暗黒皇 グレイテスト・シーザー》へ進化です!」