二次創作小説(紙ほか)
- Act5:決闘と駆け引き ( No.14 )
- 日時: 2014/06/07 14:00
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
***
入り込んだ空間は、妙な歪み方をしていた。霧がたなびき揺らぎ、まるで虚無の中にいるようだった。
そして目の前には5枚の半透明で水色の盾があった。
目の前には自分が持っていたデッキ、そして手札が5枚回っている。
「こ、ここは---------」
「決闘空間。此処では、強力な力を持つカードを手にしたデュエリスト同士が戦うの」
「戦うって、まさかデュエマでか!?」
「まさかって、貴方達はそっちのほうが本業でしょ」
そういって、目の前の相手を見据えた。
「クカカ、これはなかなかの上玉じゃねえか」
「あたしの白陽を返して----------って言っても返すつもりはなさそうだね」
「へへへ、俺はケチじゃねえさ。良いぜ---------会わせてやるよ-----------敵としてな!」
「てめぇ、好い加減にしろよ。ケラケラさっきから笑いやがって。ホタルのことも忘れんな! ここで叩き潰してやらぁ!」
対峙する2人。デュエルは始まった---------------
***
「《アクア鳥人 ロココ》召喚!」
直後、水流が渦巻き、クリーチャーが現われた。ドラゴンに力を貸す鳥の能力を手に入れた水棲人が。
アクア鳥人 ロココ UC 水文明 (3)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃 2000
自分のコマンド・ドラゴンの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
自分のドラゴンが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
「すげぇ、本当に生きているようだ」
「いえ、本当に生きている。この空間では、カードの中のクリーチャーは初めて1つの生き物として生きることが出来るの」
「そうなのか? まあ、いい。デュエマなら負ける気がしないぜ!」
得意げに笑みを浮かべるノゾム。
しかし、このターンはもうすることがないので終えるしかない。
相手の男のターンだ。
「俺のターン、《コッコ・ルピア》召喚!」
コッコ・ルピア UC(C) 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード 1000
自分のドラゴンの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは2より少なくならない。
こちらも、龍を援護する鳥だ。しかし、こちらは”元祖”。コストを下げる数は”圧巻”の2。
は? 2? ふざけんな、しょぼいじゃねえかというビギナーの皆様。
この2という数値はコスト軽減クリーチャーの中で大きい。今、3マナたまった状態で《コッコ・ルピア》を召喚し、次のターンはチャージで4マナ。つまり、次のターンには、強力なコスト6級のドラゴンが現われてしまう。
コスト6のドラゴンにはスピードアタッカーで有名な《爆竜GENJI・XX》や《鬼カイザー「滅」》にドラゴンにスピードアタッカーを追加する《ガイアール・アクセル》、そして強力な登場時能力を持つクリーチャーが大量に存在するのだ。そして、ヒナタが進んで使うくらい強力な類が多い。
ならば、出た瞬間に除去してしまえばいい話なのだが。
「俺のターン! 龍素記号JJ解放確認、現われよ! 《龍素記号 JJアヴァルスペーラ》ッ!」
龍素記号JJ(ジェイジェイ) アヴァルスペーラ UC 水文明 (5)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 4000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から呪文を1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
「よし、こいつの能力で呪文、《幾何学艦隊ピタゴラス》を手札に! 次のターン、ドラゴンが来たってバウンスすれば怖くないぜ!」
「果たしてどうだかな」
不敵な笑みを再三浮かべる男。
「俺のターン、《ボルシャック・NEX》召喚!」
「やべっ、あいつは「ルピア」を踏み倒す能力を持つクリーチャー!?」
「ご名答!」
このように、登場時能力を持っていると非常に辛い。バウンスするのを躊躇ってしまう。
「さらに、効果で《スピア・ルピア》を召喚」
「くっそ、俺のターンだ!」
仮に男が何らかのシステムクリーチャーを召喚してきたとして、それごと《ピタゴラス》の効果でバウンスしてしまえばよかったのだが。バウンスしてもこれでは意味がない。
さらに次のターン、男のマナは5。今度はコスト7のドラゴンが出てくる頃だろう。
コスト7になると、フィニッシャー級のクリーチャーが出てくるため、非常に辛い。
相手のデッキは火のドラゴンに、妨害の水、そして加速の自然を加えたようなものだ。しかも、マナゾーンのカードを見るに、ビートダウン重視で、重いドラゴンを入れるのが余り好きではないヒナタとは違い、重量級が入っているようだった。
「オレのターン! 《ピタゴラス》で《NEX》に《コッコ・ルピア》をバウンス! ターンエンドだ!」
「無駄無駄!! 俺のターン、《NEX》を出して、効果で《コッコ・ルピア》も山札から出す!」
「--------だよなぁ」
残念な声を漏らすノゾム。だが、自分のターンに来たカードで、僅かながら勝機を見出したのだった。
「来た! 《龍覇 メタルアベンジャー》召喚! 効果で超次元ゾーンから《真理銃エビデンス》を出す!」
龍覇 メタルアベンジャー R 水文明 (6)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃/ドラグナー 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト2以下のドラグハート1枚、または、コスト4以下の水のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
呪文の効果で相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
「そして、装備! 龍素充填完了だ!」
真理銃 エビデンス ≡V≡ 水文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
このドラグハートをバトルゾーンに出した時、または、これを装備したクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、自分の水のクリーチャーまたは水の呪文を合計3枚以上、召喚または唱えていれば、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
「ドラグハートか」
ドラグハート。それは、超次元ゾーンからドラグナーという種族のクリーチャーが呼び出して装備。
そして、その状態で条件を満たせば強力なドラゴンとなるのだ。
しかし、ドラグナーが場を離れるとドラグハートも場を離れてしまう。しかし、一度龍解してしまえば話は別。
その圧倒的な力で場を蹂躙してくれる。
「いっけえ! 《ロココ》でシールドブレイク!」
シールドが割れた。仮に次のターン攻められても《アヴァルスペーラ》で守るだけの話だ。
しかし。
「お前など、マナ武装と龍解を使うまでも無い! 俺のターンだ」
星だ。星達が見える。星はラインを結び、1つの動物を象った。
狐だ。
あれは、星座の子狐座なのだ。
「来る、来るよ、ノゾム!」
「来るって何が来るんだよ、クレセント!」
「あの人が-------私の愛しい、でも今は変わってしまったあの人が」
次の瞬間、バチバチと音を立ててクリーチャーの姿が現われる。
黄金に輝く九尾が陰陽師の服を纏い、胴に巻きついた2股首の赤蛇、そして手には火焔の槍を握っている。
「華やかに舞い降りし、黄金の九尾よ! 今、その力を星に向かって解き放ちたまえ! 《尾英雄 開闢の「白陽」》!!」