二次創作小説(紙ほか)
- Act7:不死鳥の秘技 ( No.144 )
- 日時: 2015/07/30 20:15
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
ヒナタとアンカのデュエル。
白陽が完全に復帰したことで、赤単ビートダウンから赤単大型にデッキを戻したヒナタと、マナゾーンを見るからにノゾムから聞いたとおりの火自然を中心としたドラゴンデッキのアンカは、火花を散らしながら序盤を互いに耐え忍んでいた。
先攻、ヒナタ。3ターン目。アンカのマナは先程の《フェアリー・ライフ》で3マナになっており、こちらは今のマナチャージでようやく追いついた形だ。しかし。これ以上のブーストをある程度は牽制できる方法が無いわけではない。
「《爆鏡 ヒビキ》召喚! これで、お前は呪文を唱えたらマナから1枚墓地に置かないといけなくなるぜ」
「ほーう。マナブースト呪文を封じたと言う事か」
----------流石に《ジャスミン》は防げねーが、出さないよかマシだ。
内心冷や汗をかきながら、ヒナタはプレイを進める。
「俺のターン。マナを1枚手札から置き------------ターンエンドだ」
想定通り、彼は何もしなかった。
これは好機とみたヒナタは更にエンジンをかける。
「俺は《勝負だ! チャージャー》を唱え、チャージャーでこれをマナゾーンに! ターン終了だ!」
「ほーう。だが、俺のターン。あいにく、そいつは邪魔でうっとおしいからな------------」
アンカは手札より1枚を掲げた。それがバトルゾーンへ現れる。
コスト5のクリーチャーだ。
「《無双竜鬼 ミツルギブースト》召喚! 効果でこいつをマナゾーンに置けば---------!」
次の瞬間、《ミツルギブースト》の剣が《ヒビキ》の胸を刺し貫いた。そのまま《ヒビキ》は爆散する。
マナゾーンに自ら送られた《ミツルギブースト》の効果で破壊されたのだ。
「くっ、マナも一緒に増やされたか----------!」
「便利だぜ、コイツは。そのまま、次のターンに決めてやるよ」
とはいえ、ヒナタのマナゾーンのカードは5枚。そして、このマナチャージで6枚となる。
先に決めるのは俺だと言わんばかりにそのまま5枚のマナをタップした。
「いくぞ! 《超次元 ボルシャック・ホール》! 出て来い、《時空の火焔 ボルシャック・ドラゴン》!!」
時空の火焔ボルシャック・ドラゴン SR(SSR) 火文明 (7)
サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000される。
W・ブレイカー
覚醒—このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
超次元の門が開いた。
そこから、勝利を司る龍が姿を現す。
バトルに勝つことによって、真の姿に目覚めるサイキック・クリーチャーなのだ。
「ターン終了!」
「ほーう。こいつで何をするのかは知ったこっちゃねぇが、邪魔だな」
言ったアンカは、6マナをタップ。
マナゾーンには見れば6枚のドラゴンの姿が。
「呪文、《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》!! 効果で、俺のマナゾーンにある6体の力を借り、山札の上から6枚を見るぜ。そして!」
激流。
突如、目の前から水しぶきが現れる。まさか、とヒナタは直感で感じた。《ジャックポット・エントリー》は、見たカードの中にあるのがコスト8以下の進化ではないドラゴンならば、”なんでもいい”のだ。
「《龍素記号 Srスペルサイクリカ》、現れろ! 効果で墓地から再び《ジャックポット》を使わせて貰う!」
「み、水だとぉ!? 火/自然のデッキじゃなかったのかよ!?」
「ははは、お前だって薄々気付いているだろう!? 《ジャックポット》で呼び出すならピン(単体)でデッキに挿しておくくらい造作ないさ」
そして、と彼は続けた。
「効果で再び山札から6枚を見て、今度はこいつだ! 《龍覇 ザ=デッドマン》召喚! 」
龍覇 ザ=デッドマン R 自然文明 (8)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ドラグナー 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自然のコスト5以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
コストを支払ってクリーチャーを召喚する時または呪文を唱える時、そのコストを支払うかわりに自分のマナゾーンにある光のカード、水のカード、闇のカード、火のカード、自然のカードをそれぞれ1枚ずつタップしてもよい。
W・ブレイカー
現れたのは、”恐竜”とは掛け離れた異形の姿のモノであった。
鎧に身を包み、顔全体を無数の触手で覆われた不気味な姿をしている。
「何だよ、こいつ-----------!! ドラゴン、なのか------------!?」
「全てのドラグナーの始祖、それが《デッドマン》よ!! 能力により!! コスト5以下の自然のドラグハート----------------《破天焔矛 ソウルハート》を装備!!」
超次元の門が開き、飛んできたのは不死鳥の力を持った矛、《ソウルハート》であった。
さらに、《スペルサイクリカ》の効果で《ジャックポット》は回収されたのだった。
「ターン終了」
「くっ、まずいなコレは……!! なーんて」
ヒナタはマナをチャージ。そして、マナゾーンの7枚のカードをタップし、高らかに言った。
「てめーのドラゴンデッキには、最大の天敵がいたこと、忘れんじゃねーぜ!」
「……ほーう」
「頼むぞ!」
炎が上がる。そこから、開闢の力を持った九尾の英雄が現れた。
「黄金の九尾を携えし、聖獣よ!! 今、この俺と鼓動をあわせろ!! 咆哮せよ、そして開闢せよ!! 《尾英雄 開闢の白陽》召喚!!」
陰陽師の服に身を包み、凛とした瞳に、黄金の体毛、そして炎が燃え盛っている槍を手にした英雄は戦場にたった。
そして、胴に二股首の蛇が巻き付き、ともに目の前の敵を睨む。
「こっからが本領発揮だぜ! 覚悟しな!」
「アンカと言ったな。貴様は絶対に許さん。私を散々邪悪な目的に利用した罪、重いぞ!」
同時に、《デッドマン》が持つ《ソウルハート》。そこに装飾品のように付けられた宝石が、まるで怪鳥の瞳のように光ったことに、ヒナタ達は気付かなかった-------------
「ふーむ。俺の《ソウルハート》を見てビビらないとは、流石適合者は違うじゃねえか------------」