二次創作小説(紙ほか)

Act7:不死鳥の秘技 ( No.146 )
日時: 2015/08/19 14:14
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

勝利天帝 G(ガイアール)メビウス  ≡V≡  火文明 (10)
クリーチャー:ガイア—ル・コマンド・ドラゴン 12000+
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、相手のパワー6000以下のクリーチャーを1体破壊する。
このクリーチャーが各ターンはじめてタップされた時、アンタップする。
バトル中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000される。
T・ブレイカー



 今回。アンカとのドラゴンによるパワーゲームが起こるのは必然であった。そのため、ヒナタは最終決戦兵器と言わんばかりに大型の火単コントロールを再び使うことにした。
 その際たるがこのカードであることは言うまでもあるまい。
 T・ブレイカーの上に、アタックトリガーでパワー6000以下殲滅、さらにパンプアップ効果に加えてアンタップ効果まで持つ強力なクリーチャーだ。

「そして!! 《メビウス》でシールドをT・ブレイク!!」
「《ヴェルムート》の効果発動!! お前はアンタップしているクリーチャーを1体選んでマナゾーンに送らねばならない!」
「《ボルシャック》を超次元ゾーンに送る!」

 アンカのシールドが3枚、抉り取られるように破壊された。が、同時に《ボルシャック》も超次元ゾーンへ。
 さらに、アンカの割られたシールドから2体のドラゴンが現れる。

「S・トリガー発動!! 《永遠のリュウセイ・カイザー》に《悪魔龍 ダークマスターズ》召喚! 《ダークマスターズ》の効果でお前の手札を見て3枚を墓地に!」
「へっ、痛くもかゆくもねぇぜ! 《メビウス》をアンタップ!! そして、続けてW・ブレイク!! マナに送るのは《ガイムソウ》だ!!」

 これにより、アンカのシールドは全て割られた。
 止めと言わんばかりに、白陽が飛び掛る。

「《尾英雄 開闢の白陽》でダイレクトアタックを決めれば勝てる!」
「まだだ!! 奴のシールドを見るんだ!!」

 見れば、割られた最後のシールドが収束し、カードとなった。
 間違いない。S・トリガーだ。

「俺の血を捧げよう、ソウルフェザーっ!! さあ、見せてみろ、貴様の秘儀を!!」


 突如、アンカはナイフを懐から取り出したかと思うと、それを自らの手首に突き立てた。
 勢いよく鮮血が吹き出て、”彼が今繰り出したカード”に掛かった。

「お、お前、何やってんだよ----------!?」
「ソウルフェザーは生き血を吸うことで強くなる……俺が今繰り出したカードが何か、わかるか?」

 見れば、それは呪文のカードだった。しかし、黒い鎖がきつく巻かれており、何の効果かはわからない。
 しかし、鎖にはヒビが入って壊れそうだった。

「ソウルフェザーが言っている……このカードは真の危機を脱するときに使える、と。英雄が超技呪文を持つように!! 邪悪龍にも”逆鱗呪文”が存在する!! こいつに頼ることになることも予想の範疇だったさ!! しかぁぁぁし!! この俺に”最終手段”を使わせたこと、死をもって償って貰う!!」
「まさか、それで自分の血を------------!?」
「俺だって自分の血を使いたくはないさ。最後の1滴は、暁ヒナタ、貴様のものにすると決めていたからな!! だがしかし!! それで貴様に負けるとなれば本末転倒!! だからこそ、この呪文の封印、ここで解かせて貰うぞ!!」

 息を切らせながら、アンカは叫んだ。
 次の瞬間、カードの周りについた鎖が解ける。


「呪文、《獄炎秘技 ハート・クラッシャー》を発動!!」


 次の瞬間、《ソウルフェザー》の嘴が《白陽》の胸を刺し貫いた。

「なっ、馬鹿な------------!!」

 がはっ、と血反吐を吐いた白陽はそのまま爆散して墓地へ。

「白陽!!」
『すまない……!!』
「効果で、俺のクリーチャーと相手のクリーチャー同士でバトルをさせる。さらに、”逆鱗”で、俺のシールドゾーンとバトルゾーン、マナゾーンの枚数のうち、いずれか2つが相手を下回っているならば!! もう1度この効果を使うことができる!!」

 アンカは、シールドとマナの枚数の2つがヒナタを下回っていた。それにより、もう1度効果を使うことができる。
 まさに、窮地を逆転させる能力、それが”逆鱗”であった。

「そして! 今度は《ヴェルムート》と《メビウス》をバトルさせる!」
「パワーはこっちの方が上だぞ!?」
「《ハートクラッシャー》の効果で、俺のクリーチャーのパワーは全て、+5000されている!! 一方的に破壊可能だ!!」

 幾らパンプアップによってパワーが上がっている《G・メビウス》といえど、これには敵わなかった。一瞬で破壊されてしまう。
 これにより、ヒナタの場のクリーチャーは一瞬で全滅した。

「く、くそっ!! ターンエンドだ!!」
「俺のターンっ!! ----------お?」

 見れば、《ソウルフェザー》の体から、全く別の鼓動が聞こえてくる。
 まるで、もうすぐ新たなる姿に目覚めないとばかりに。

「は、ははははは!! 今の俺の血が、お前の”武装”への足がかりとなったか!! 最高だ、ソウルフェザー!! 今すぐ目の前の奴をぶっ殺して、最高の血をお前に捧げよう!! 《ニガ・ヴェルムート》でシールドをQ・ブレイク!! 邪魔な白陽は消えた!! 今がチャンスだ……ぜぇ、ぜぇ」

 一気にヒナタのシールドが叩き壊された。
 しかし。S・トリガーの光がそこに差し込む。

「S・トリガー、《熱血奥義 バーニング銀河》!! 効果でお前のコスト5以下のクリーチャー---------は、いないから、マナ武装7でコスト12以下の《ソウルフェザー》を破壊!!」
「《ソウルフェザー》の効果発動!! 俺のドラゴンとファイアーバードがバトルゾーンを離れるとき、山札の一番上を墓地へ送る!」

 墓地に置かれたカードは、《熱血龍 バトクロス・バトル》だった。

「それがドラゴンかファイアー・バードならば、そいつはバトルゾーンを離れない!!」
「何だって!?」
「《ザ=デッドマン》!! 最後のシールドを叩き割れ!!」

 驚くまもなく、シールドの破片が降りかかった。
 それが全身を切り刻んでいく。トリガーは、無い。
 最後に、《ソウルフェザー》に手をかけた。

「《ソウルフェザー・ドラゴン》でダイレクトアタ----------------」

 


 げほっ




 次の瞬間、言いかけたアンカの体が崩れ落ちた。
 同時に、決闘空間は崩壊した--------------------