二次創作小説(紙ほか)
- 短編5:恋情パラレル ( No.167 )
- 日時: 2015/09/26 21:35
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
ヒナタとメルのデュエルが始まった。
先攻1ターン目。早速メルは今置いたマナをタップし、クリーチャーを呼び出す。
「《愛恋妖精 ミルメル》召喚……。効果で、ターンの最初にカードを引いたプレイヤーは手札からマナゾーンにカードを置いても良い」
愛恋妖精ミルメル R 自然文明 (1)
クリーチャー:スノーフェアリー 1000
プレイヤーがターンのはじめにカードを引いた時、そのプレイヤーは自分自身の手札を1枚、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
「え? 俺もマナにカード置いても良いの?」
「こくこく」
ぱちくり、と眼を開閉させたヒナタだったが、何らかの罠があることは違いない、と気を引き締める。
「愛は平等……等しく誰にでも与えられるもの」
「へっ、良いのかよ。勝っちまうぜ、俺」
「安心して」
静かに彼女は告げる。
「勝つのはあたし」
と。
ヒナタの頭に青筋が浮かんだ。
---------なーるほど……ちーっと調子に乗ってるみてーだな!
「ターン終了」
「へっ、何なら遠慮なくいかせてもらうぜ! 俺のターン、手札から《破壊者 シュトルム》をマナに置いて、さらに1枚マナをチャージ! 《一撃奪取 トップギア》を召喚してターン終了だぜ!」
---------とはいえ、手札が枯れるから運用は計画的にしねーとな……!
火文明単色のこのデッキは、かなり消耗が激しい。彼とて、無計画にマナを増やし、クリーチャーを展開することはできないのだった。
---------どっちにしても、次のターンで《ジェット・ポルカ》、そしてその次のターンに《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》を出して、ジ・エンドにしてやる!
そう意気込むヒナタ。
しかし。
「あたしのターン。ドローして、《ミルメル》の効果で《デーモン・ハンド》をマナに。そして呪文、《妖精の裏技 ラララ・ライフ》をG・0で唱える」
マナが更に1枚増えた。《ラララ・ライフ》は、スノーフェアリーが場に居ればコストを支払わずに唱えられる呪文なのだ。
「そして呪文、《メビウス・チャージャー》」
「……あ?」
「効果であたしをマナに。チャージャーで、《メビウス・チャージャー》をマナに」
メビウス・チャージャー UC 自然文明 (3)
呪文
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選び、自分のマナゾーンに置く。
チャージャー
---------ちっ、やっぱりそこまで美味しくはねえか。
マナゾーンのカードをこれ以上増やせなくなり、ヒナタは内心舌打ちした。とはいえ、そこまで痛くはないが。
しかし、彼女の行動には不可解なものを覚えた。何故、自らシステムクリーチャーを置くような真似をしたのか、甚だ疑問である、と。
もっとも、彼女のマナは既に6枚とかなり豪華なことになっていたのだった。
「俺のターン! 《トップギア》の効果でコストを1下げて、《ジェット・ポルカ》召喚! ターンエンドだ!」
これにより、ヒナタは次のターンには《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》による無限攻撃コンボを完成させることができるようになった。
しかし、次のターンをどうにか凌がねば。
---------敵のマナには、自然の他に闇と水もある……! 気をつけないと!
「あたしのターン」
ギラリ、と何かに睨まれたような感覚をヒナタは覚えた。
見れば、敵のマナゾーンのカードは既に7枚に------------
「7マナで呪文、《ロスト・ソウル》」
----------!!
悪寒が走った。次の瞬間、手札のカードが全て墓地へ叩き落される。
次のターンに出すつもりだった《ゴウ・ブレイク・ドラゴン》も含めて。
「あたしの効果を最大限に生かし、3ターン目に強力なハンデス・除去呪文を打つ……相手は大抵、ここから持ち直せない」
「くそが-----------!!」
完全にやられた。幾らマナがたまっていても、手札を一気に消し飛ばされているのでは意味が無いではないか。
「ターン終了」
「だけど、まだまだ持ち直せる!! 俺のターン、ドロー!!」
懇親の願いを込めて引いたカードは、《破壊者 シュトルム》であった。
-----------前言撤回、持ち直せるかぁぁぁーっ!!
とはいえ、相手も手札消費が多いのも事実。ここで下手に殴って手札を増やすのは愚の骨頂であった。
が、しかし。後々にやばいクリーチャーが出てきて対処を迫られても困る。どうせ相手のデッキ、スピードアタッカーはいないようだし、仕方なく《トップギア》と《ジェット・ポルカ》で攻撃することに。
「マナチャージ、ターン終了……」
「ふん。やっぱりその程度」
つまらなさそうに言った彼女は、更にマナをタップし、更なる呪文を唱えた。
「呪文、《クアトロ・ブレイン》。効果でカードを4枚引く」
クアトロ・ブレイン R 水文明 (6)
呪文
カードを4枚引く。
前言撤回。相手が手札もマナも有利をとってしまった。
単純かつシンプルだが、手札が4枚増えた。それだけのことである。それだけのことであるのだが……非常にまずい。
「お、俺のターン……!! 《禍々しい取引 パルサー》召喚! 手札はもうねぇから2枚ドローだ!」
「ふぅん?」
「タ、ターン終了……」
完全に主導権はメルにあった。
これはきつい。かなりきつい。はっきり言って勝てるか分からない状況である。
そこに更に、彼女は追い討ちをかけた。
「《超次元 ロマノフ・ホール》……! 効果で《時空の支配者 ディアボロスZ》をバトルゾーンに。そして、貴方はクリーチャーを1体選んで破壊しなければならない」
超次元ロマノフ・ホール R 闇文明 (7)
呪文
相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
コスト10以下の闇のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
時空の支配者ディアボロス Z(ゼータ) SR 光/水/闇/火/自然文明 (10)
サイキック・クリーチャー:ワールド・コマンド 9000
E・ソウル
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
相手のクリーチャーの能力によって、相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
覚醒−自分のターンのはじめに、バトルゾーンまたはマナゾーンから自分のカードを3枚選び、山札に加えてシャッフルしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
「教えてあげる-----------私達スノーフェアリーの召喚術が如何に優れているかと言う事を」