二次創作小説(紙ほか)
- 短編5:恋情パラレル ( No.168 )
- 日時: 2015/09/27 13:45
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
「くっ……! 《パルサー》を破壊だ!」
《ロマノフ・ホール》の効果で、ヒナタは場数を減らさなければいけなくなる。
完全にまずいことになった。此処で、このブロッカーを突破し、一気に相手へトドメを刺さなければ、勝ち目は間違いなく無くなる。
「ターン終了」
「くっ、俺のターン……!!」
マナゾーンにカードを置いた彼は、チッと舌打ちをした。駄目だ。まだ、勝利への切札は来ていない。
「ターン終了……!!」
「あたしのターン」
成す術も無いヒナタ。このままでは、と焦燥を感じていた。
「あたしは戦う。アイスクリームのためなら、何でもやる---------!!」
次の瞬間、破滅の光と共に最凶の悪魔が覚醒した。メルのマナゾーンから3枚カードが墓地へ送られた、つまり覚醒条件を達成したのだ。
「覚醒、《最凶の覚醒者 デビル・ディアボロスZ》-------------さらに」
最凶の覚醒者デビル・ディアボロス Z(ゼータ) SR 光/水/闇/火/自然文明 (20)
サイキック・クリーチャー:ワールド・コマンド 23000
E・ソウル
このクリーチャーが攻撃する時、相手の光のクリーチャー、水のクリーチャー、闇のクリーチャー、火のクリーチャー、自然のクリーチャーを1体ずつ破壊する。
解除
Q・ブレイカー
これでは終わらない、と彼女は付け加えた。
超次元ゾーンが光り、そこから灼熱の業火が湧き上がる。
「《ディアボロス》を進化、超次元ゾーンより《超時空ストームG・XX》をバトルゾーンに」
超時空ストーム G(ゲンジ)・XX(ダブルクロス) SR 火文明 (20)
進化サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド/サムライ 24000
超無限進化−コストの合計が20以上になるよう、自分のサイキック・クリーチャーを1体以上選び、その上に置く。
自分のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した時、または覚醒させた時、このクリーチャーを自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
メテオバーン覚醒—自分のターンのはじめに、このクリーチャーの下にあるカードをすべて墓地に置き、その後、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
Q・ブレイカー
「-----------!!」
言葉も出なかった。《ディアボロス》の覚醒をトリガーに、更なるクリーチャーが現れてしまうとは!
「次のターンでおしまい。ターンの始めに、メテオバーン覚醒で《超覚醒 ラスト・ストーム》になる。そして、ワールド・ブレイカーの上に攻撃時にコスト10以下のサイキックをバトルゾーンに出す化物と化す」
「成る程……こいつはやべえぜ……!!」
「さらに。《龍素記号Srスペルサイクリカ》召喚。効果で墓地から《ロスト・ソウル》を使用」
再び、ヒナタの手札が全て墓地へ叩き落された。
完全に退路を塞がれた。
「ターン終了」
此処まで。ジリ貧にジリ貧を重ねてきたヒナタであったが、流石にまずいと感じていた。
手札にこの状況を打破できる切札は眠っていない。
しかも、このターンで決められなければ、今度こそジ・エンド。
あんな大型クリーチャーの攻撃を食らえば、恐らく死ねる。余裕であの世へ直行できることだろう。
しかも、コスト10以下のサイキック・クリーチャーが全て出てくるなど、ヒナタのデッキのS・トリガーでは100%防ぐことが出来ないではないか。
「-----------冗談じゃねえよ」
「む」
「アイスだか何だか知らねぇが、こっちは仲間傷つけられてキレてんだよ!! こんなところでくたばってたまるかってんだ!!」
「ふん。あたし達はあの娘の押えつけられていた感情を目覚めさせただけのこと。それをとやかく言われる筋合いは------------」
ブチン、とヒナタの中で何かが切れた。
「無いだぁ!? ふざけんじゃねえぞ!! てめぇらの自分勝手な心で、俺の仲間の気持ちを踏みにじるんじゃねぇ!!」
ギッ、と正面の敵を睨んだ彼は、サングラスで眼を覆った。
激しく燃える熱い炎が、魂が、彼を突き動かしていた。
「俺のターンッ!!」
このドローに賭けるしか方法は無いのだ。
デッキに眠る切札。それを引くために彼は魂を燃やした。
----------コトハっ!! 俺はこいつを倒す!!
「ドローッ!! こいつで決める!!」
引いたカードを垣間見た彼は、この瞬間全てをこの1枚に託すことに決めた。
「《トップギア》進化!! コストを1軽減して、5マナで、こいつを出す!!」
「無駄だ----------火の進化クリーチャーに進化条件が易しく、尚且つそこまで強いクリーチャーはいない------------!!」
炎のマナを纏い、《トップギア》が天へと駆け上る。
そして、激しい炎の柱が空間を貫き、最強の龍を誕生させた。
「燃えろ!! 《エヴォル・ドギラゴン》!!」
戦場に降り立ち、機械の装甲に身を纏うは、ドラゴンを超えたドラゴンにして火文明の王だった。
「-------------!!」
「こいつはパワー14000のT・ブレイカー!! しかも、バトルに勝ったらアンタップするド根性の持ち主だ!!」
「と、T・ブレイカー……!? 6マナで、文明進化でそこまで強いの-----------!?」
エヴォル・ドギラゴン P 火文明 (6)
進化クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン 14000
進化−自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップする。
T・ブレイカー
驚く間もなく。一瞬でメルのシールドの残り3枚は吹き飛ばされた。
《ドギラゴン》の灼熱の業火が一瞬で全てを焼き尽くしたのだ。
まさにそれは、ヒナタの怒りそのものであった。
仲間を傷つけること。それは、彼の逆鱗に触れることに等しい。それを今更メルは痛感したのだった。
「ちょっと慎重すぎたな。いや、俺を、人間を侮りすぎたんじゃねえか?」
「-----------そ、んな----------!!」
「安心しな」
にやり、と最大限に意地悪な笑みを浮かべてヒナタは言い放つ。
「なーるべく痛くないようにしてやっからよー? なあ?」
-----------絶対加減するつもりない-------------!!
炎の鳥は突貫する。
主の勝利のため。
「《ジェット・ポルカ》でダイレクトアタック!!」
炎の鳥は突貫する。
主の怒りを叩き込むため。