二次創作小説(紙ほか)
- Act13:武装・地獄の黒龍 ( No.201 )
- 日時: 2015/10/13 06:26
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 7hpoDWCB)
悪夢髑髏(ダーティ・アルゴリズム) アヴィオール・ゼノン 闇文明 (12)
スターダスト・クリーチャー:スカル・コマンド・ドラゴン 13000
K・コア
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手の手札を見る。その中から好きな数だけカードを墓地に置いても良い。
相手のクリーチャーのパワーは全て-5000される。
相手のクリーチャーのパワーは、クリーチャー及び呪文の効果では上がらない。
現れたのは、罪の化身。
より鋭く、鋭利に、何かを傷つけるために特化した骨の刃。
何かを奪うためだけに特化した、背後から蠢く無数の触手。
全てを犯すため、殺すため、食い散らすため。
そんなことだけしか考えていない。
そこに全うな知性も、全うな理性も無かった。
正気を失わせる程に強い邪悪のエネルギーが、レンの肌を焼いていく。
既に服は裂けており、まだ1枚もシールドをブレイクされていないにも関わらず、この体たらくだった。
「死ね死ね死ね、死ねぇぇぇぇーっ!! 皆、地獄の底に、落ちろぉぉぉぉーっ!!」
鎌を1度振るえば、幾つの命が飛ぶだろうか。
現に今、レンの手札は表向きになった瞬間全て叩き落されたし、《キラード・アイ》は跡形もなく消し去られた。
この間、カンマ1秒。
勢いで衝撃波が巻き起こり、レンは吹っ飛ばされてしまう。
——おのれ……!! 何が起こったというのだ!!
見たところ、継続的にレンの場には黒い靄がかかっていた。
力を奪う能力。
それこそが、奴の最大の武器なのか。
「ターン終了……げひゃはははぁーっ!!」
「おのれ、このクリーチャーの屑め……!!」
——しかし、どうする?
彼は案じた。クリーチャーも手札も墓地へ叩き落されてしまった今、奴を倒すにはどうしたら良いだろうか、と。
——そもそも、あのアヴィオールとやらは何のために、あんなビジョンを僕に送ったんだ!? そして、何故僕なんだ!?
一向に、あの黒い龍のことが分からない。そもそも、あれが本当にアヴィオールだったのか、という疑問すら沸いてきた。
しかし。あのときは感じたのだ。
何か、自分とあの黒龍に繋がりを覚えたのだ。
——どうする? 今はどうにかして、奴を倒さねばならない……! 僕1人で、だ……!
カードを引くレン。
だが、そのカードに温かさを覚える。
そこで、彼の頭に電撃が走った。
——いや、違うな。ヒナタも、コトハも、僕の背中を押してくれた。あいつらも、僕の心の支えとなって戦ってくれているんだ——
戦っているのは自分だけではない。
自分の心の中の彼らも、自分を支えてくれる仲間だ。
それに、クリーチャーも、自分の仲間なのだ——
「僕はもう、大切なことを、大切なものを忘れはしない。失いはしない。誰にも奪わせはしない!!」
マナを3枚払った。
今ならば、倒せる気がする。
さっき、確かにアルゴリズムは言った。
——本体を返せぇぇぇーっ!!
と。
だとすれば、奴の力は相当落ちているはずだ。
——奴は狡猾だが——それでも、野獣のような本能の塊だった。ライオンが獲物を狩るときに、集団でチームワークを見せるようなそれだ。しかし。所詮はそこまで。少し違うような気がしないでもないが、やはり野獣の本能でしかない!! 今の奴には、アヴィオールの高い知識と知能は無い!!
今、奴を此処で葬れるのは自分しかいない。
どういう原理かは知らないが、自分が目の前の諸悪に負けてしまえば、奴は自分を殺して本体とやらを奪い、ヒナタ達に襲い掛かるだろう。
そうすれば、ヒナタ達は苦戦を強いられるはずだ。
「《ボーンおどり・チャージャー》!! 効果で、僕の山札の上から2枚を墓地に送り込む。チャージャーでマナに」
「ぎゃははははー!! お前、ばっかじゃねぇぇぇのかぁぁぁー!? そんなことをしたって、今更空しいだけじゃぁぁぁーん!!」
「やはり、モンキー未満の知性しか持っていないのか、愚か者め」
「言ったなぁぁぁーっ、後悔させてやるぜぇぇぇーっ!!」
汚く唾液と、布の体の中に詰め込まれた肉塊を飛び散らせながら、アルゴリズムは叫んだ。
レンは確信した。
やはり、こいつは馬鹿だ。
正真正銘の馬鹿だ。
アヴィオールと融合していたときのような崇高さも、知的さも、全て失われてしまっている、と。
「墓地進化!! 《大邪眼 B・ロマノフ》を進化GVで呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃぁぁぁーっっっん!!」
墓地のクリーチャー3体を取り込み、凶悪な悪魔の貴族、ロマノフがその姿を現した。
抜かった。
何度もレンはそのクリーチャーを見ている。
そして、その強さも知っている。
闇の魂を3つ食らった《B・ロマノフ》は、パワー12000のT・ブレイカーという脅威の性能を誇るフィニッシャーだ。
やはり、馬鹿は馬鹿なりに強かったのだ。
「《アヴィオール・ゼノン》でシールドをT・ブレェェェイク!!」
地獄の鎌が、レンのシールドを3枚、一気に切り裂いた。
3枚とも、S・トリガーではない。
「《B・ロマノフ》で攻撃ぃぃぃーっ!! 残りのシールドをブレェェェーイク!!」
「っ……!!」
「更に、メテオバーン発動!! 進化元の3枚を山札に戻して、テメェの手札3枚を山札の一番下に送還じゃぁぁぁーん!!」
大邪眼B(ビギニング)・ロマノフ SR 闇文明 (7)
進化クリーチャー:ダークロード/ドラゴン・ゾンビ/ナイト 12000
墓地進化GV−闇のクリーチャーを3体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを好きな数選び墓地に置いてもよい。こうして墓地に置いたカード1枚につき、相手の手札から1枚見ないで選ぶ。相手はそれを見せてから、自身の山札の一番下に置く。
T・ブレイカー
マッドネスを踏まないトリプルハンデス。それが如何に恐ろしいか。
アドバンテージが増えない。それだけに尽きる。
手札は逆転への一歩。しかし、それを摘み取ってしまう上に、捨てさせるわけではないのでマッドネスも無効化にしてしまう。
それが、《B・ロマノフ》の強さだった。
——くそっ!!
完全に予想外だった。こんな大型が、もう1体現れるなんて。しかも、手札は1枚しか増えていない。
相手はトドメを刺せないが、このままではジリ貧だった。
——ヒナタ——コトハ——!!
全身から血が溢れ、最早立っているのもやっとだ。
しかし、さっきのヒナタはこんな苦痛ではすまなかったはずだ。
——僕が、仲間に償えることは、何だ!?
カードに手を掛けながら、そんな自問に陥った。
——何が、仲間への礼になる!? 何が仲間への償いになる!?
——償い——それもまた、1つの方法やもしれません。
刹那——手を掛けたカードから、声が聞こえた——