二次創作小説(紙ほか)
- Act5:対決・一角獣対玉兎 ( No.226 )
- 日時: 2016/01/11 16:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)
《ハーシェル》。その効果により、ホタルを守る盾は、全て刃と成った——!
次の瞬間、彼女は《アクロアイト》をタップする。
しかし。その対象はノゾムではない。
他ではない自分自身だ——!
「S・トリガー発動! 《聖霊龍王ミラクルスター》を《ハーシェル》から進化! 効果によって、《Q.E.D+》と《デカルトQ》をフリーズ!」
『コンボ完成じゃ。ざっとワシにかかればこんなものよ』
「やっべ——!」
「さらに、此処から一気に詰めます! 《ミラクルスター》で《デカルトQ》を攻撃して破壊! 《コマンデュオ》でシールドをW・ブレイク!!」
2枚のシールドがブレイクされた。
さらに、これだけでは終わらない。
残るシールドは3枚。
その中には、当然のように《デカルトQ》で仕込んだシールドもある。
しかし——
「《ジェネラローズ》でシールドをW・ブレイク!」
「ト、トリガーなし——!」
「《エメラルーダ》で最後のシールドをブレイクします!」
「くそっ! S・トリガー発動! 《終末の時計 ザ・クロック》!」
仕込んでいたのが功を制したか、何とか首の皮1枚繋がるノゾム。
しかし。
こちらのカードは2体とも寝かされており、更に今のノゾムにこの場を一気に処理するだけの力は無い。
——全バウンスするだけじゃ駄目だ! また《レッドローズ》が出てくるだけの話!!
「オレのターン、《Q.E.D+》の効果で山札の上から5枚を見る——そしてその中から1枚を選んで山札の一番上に。そして、カードを1枚ドロー。そして、ターンの最初のドロー」
——勝負は次のターンで一気に決める!!
「オレは《上弦の玉兎星 クレセント・ニハル》を召喚! 効果で超次元ゾーンから《月影機構 ルーン・ツールS》をバトルゾーンに!」
「っ! 此処で引くなんて!」
「効果でお前の手札を1枚選んで山札の一番下に!」
そして。
先ほどからのドローやシールドブレイクによって、ノゾムの手札は溜まりに溜まっていた。
「そして、お前がシールドを割ってくれたおかげで——!! 武装できるぜ!! 《ルーン・ツールS》を《クレセント》に武装するぜ!」
『行くよ、ノゾム!』
「ああ! 頼むぜ! 《クレセント・ベクトル》! 効果で、お前のクリーチャーを全てバウンスだ!!」
次の瞬間。
ホタルの場のクリーチャーが全て消えた。
一瞬のことであった。
息もつかせないまま、光の軍勢はその場から激流で押し流されるように、手札に巻き戻されたのだ。
——しかし。
「だけど——! もう遅いですよ、ノゾムさん! 私のターン、《ジェネラローズ》を召喚して、ドローし、《コマンデュオ》を出します!」
「何だ!? また《エメラルーダ》か!?」
今度はそれだけでは終わらなかった。
光の絆の連鎖デッキの展開力。それは、ノゾムのデッキにも勝るとも劣らないものだった。
「そして今度は《コマンデュオ》の効果で手札から《レッドローズ》、《レッドローズ》の効果で手札から《デネブモンゴ》を出します!」
「っ!? また並びやがった!? しかも今度はさっき以上の勢いだ!!」
「さらにこれだけじゃ終わりません! 《イカ・イカガ》を《デネブモンゴ》の効果で召喚し、《イカ・イカガ》の効果で《アンドロム》も召喚です!」
これにより。
たったの7マナで、ホタルの場には6体のクリーチャーが並んでしまったことになる。
《ジェネラローズ》、《コマンデュオ》、《レッドローズ》、《デネブモンゴ》、《イカ・イカガ》、《アンドロム》。
このままでは、押し潰される。
しかも、それだけではない。
「《アンドロム》の効果で《Q.E.D+》をフリーズ! ターンエンドです!」
「っ……参ったな……光にはスパーク呪文もあるわけだし……!」
ノゾムのシールドは0枚。
もう、後が無かった。
このままでは負ける。
間違いなく負ける——しかし。
——《Q.E.D+》なら、この状況を打開できる切札を呼び寄せることが出来る!!
「オレのターン——!! 《Q.E.D+》の効果で山札の上から5枚を見る——そしてその中から1枚を選んで山札の一番上に。そして、カードを1枚ドロー。そして、ターンの最初のドローだ!」
にっ、とノゾムの表情に余裕が戻る。
そして、彼女に言い放った。
「ホタル! お前、デュエルが辛いとか言ってたよな! だけど、今のお前、すっげー笑顔が輝いてる! 楽しんでる証拠だ!」
「——!? い、いきなり、何言ってるんですかノゾムさん!?」
「んあ? 何か変なこと言ったかオレ。まあいいや。だからオレも、オレの最強を持ってお前に真っ向から立ち向かう!!」
ノゾムは8枚のマナをタップした。
そして——
「《Q.E.D+》進化!! 《甲型龍帝式 キリコ3》だ!!」
——ノゾムの新たなる方程式が今、解かれる——!!
甲型龍帝式 キリコ3(キュービック) SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 13000
進化-自分の水のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて、好きな順序で山札の下に置く。その後、自分の山札の上から、呪文が3枚出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せたそれ以外のカードをすべて山札に加えてシャッフルし、その後、その3枚の呪文をコストを支払わずに唱える。
T・ブレイカー
「な、何ですかそのクリーチャー——!! わざわざ、ドラグハートを進化元にしたってことは——!!
この状況。
既に、1枚目、2枚目で何が出るか。
ノゾムは大方知っていた。
それは——
「オレは今、《Q.E.D+》の効果で山札を操作した! ある程度出る呪文はいじくっている! こいつの効果で呪文が3枚出るまで、山札を捲る!」
「だ、だけど、それでどうするつもりですか——!!」
「出て来い、3枚の呪文!!」
ノゾムは天に運を賭けた。
1枚目と2枚目は分かっている。重要なのは3枚目——!
1枚目——
「《幾何学艦隊 ピタゴラス》! 効果で《ジェネラローズ》と《コマンデュオ》をバウンス!」
「うう——! ま、まずいです——! でも、また出せば——!」
2枚目——
「《英雄奥義 スパイラル・ハリケーン》! 残るクリーチャーを全部バウンスだ!」
——やっぱりすごいよ、ノゾムさんは——!
心の中では、既にホタルはノゾムに対して感服していた。
いや、もうそれは尊敬だとか、そういう域に達していた。
そして——3枚目。
「呪文・《龍素開放》!!」
——!!
その効果は。
場のリキッド・ピープルを全て破壊することで、ノゾムはバトルゾーンにクリスタル・コマンド・ドラゴンを出すことができるというもの——!
「《M・A・S》を破壊し、《術英雄 チュレンテンホウ》召喚だ!! そして——!! 《クロック》でシールドブレイク!」
がら空きになったシールドゾーンに攻撃が叩き込まれた。
このデュエル初のシールドブレイクに成功する。
「そして、《クレセント・ベクトル》でシールドをW・ブレイク!!」
「し、S・トリガー、《マスター・スパーク》!! 効果でノゾムさんのクリーチャーを全てタップします!!」
「し、しくじった!? だ、だけどまだだぁ!! 《クレセント・ベクトル》の効果で、オレは手札から多色ではない水の呪文の《龍素解析》を使う!! 効果で、オレは手札を全て山札の一番下に戻し、4枚ドロー! そして、コスト7以下の進化ではないコマンド・ドラゴンをバトルゾーンに! 出て来い、《スペルサイクリカ》!!」
《マスター・スパーク》の効果が発動する前に、《龍素解析》によって《スペルサイクリカ》。そして、その効果によって再び《龍素解析》が唱えられる。
「2度目の《龍素解析》で手札を山札に戻し、4枚ドロー! そして、《理英雄 デカルトQ》召喚! 効果で5枚ドローだ!! そしてこいつはブロッカー——だけど」
《クレセント・ベクトル》の効果が発動するのは、《マスター・スパーク》が唱えられる前。
よって、出したクリーチャーも皆タップされてしまう。
しかし。ホタルもホタルで、《チュレンテンホウ》によって、迂闊に攻撃が出来ない。
——ここまで展開するなんて——! 凄い、凄いよノゾムさん——!
「わ、私のターン——! 《アクロアイト》を召喚! そして、《ミラクルスター》に進化! 《デカルトQ》と《キリコ3》をフリーズして、《チュレンテンホウ》に攻撃! そのまま破壊します!」
「っ——!!」
最後の抵抗と言わんばかりに切札を出すホタル。
しかし。
ノゾムの答えは決まっていた。
「オレのターン!! 《龍脈術 水霊の計》!! 《ミラクルスター》を山札の一番下に!」
これにより、ホタルの場には進化元の《アクロアイト》が残る。
そして、それも——
「《クロック》で攻撃! 《アクロアイト》を破壊だ!」
一気に粉砕されることになる。
完全に場の状況は逆転したのだった。
「そして、《スペルサイクリカ》でシールドをW・ブレイク!!」
——そうだ、この人に着いて行けば——! 私も、ノゾムさんの下で強くなりたい! この人と一緒に——
彼女を守るモノはもう無かった。
しかし。
それでもどこか、晴れがましい気分だった——
「《クレセント・ベクトル》でダイレクトアタック!」