二次創作小説(紙ほか)
- Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.231 )
- 日時: 2016/01/15 15:37
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)
——画して。
鎧龍サマートーナメントが、波乱とそれぞれの思惑を胸に開始されたのだった。
それぞれのチームとチームがぶつかり合うこの戦い。
それが繰り広げられる中、ヒナタ達、チームFもいよいよ試合時間になったのだった。
対戦相手は勿論、茅山リョウが居る、チームBである——
『それでは、両チーム、対戦準備についてください! 先鋒戦、如月コトハ選手対、風間ショウジ選手——!』
アナウンスが掛かる。
フィールドに上がるコトハ。
そして、対戦相手の風間ショウジという生徒も、カードを並べる。
「相手は早速3年生か」
「まあ、コトハなら大丈夫でしょう」
「けど、先鋒にわざわざ持ってきたということは、そこそこ強いということだろ?」
「ヒナタ。僕達がこの1週間、何をしてきたのか、貴様はベンチで見てろ」
「ベンチ前提かよ俺」
「そして、彼女が格上を食い殺す様をな——」
レンの視線の先には、既に準備を済ませたコトハがあった。
全く緊張した素振りを見せず、涼しい顔をしている。
「——何だ何だ? アマが相手か? まー、確かお前2年の如月って言ったが——強いって言っても、あくまでも2年の中での話——3年に勝てると本気で思ってるのか? 1年の時は相当暴れまわったという話だが——」
「あら。嘗め腐ってると痛い目を見ますよ? 先輩」
会場の観客席の生徒、そしてチームメイトが見守る中。
デュエルが始まった——
「んじゃ、お手並み拝見と行くか。頼むぜ、コトハ」
——しかし。
***
「お、おい……待てよ、どうなってるんだよ……」
その声を上げたのは、対戦相手の風間ショウジであった。
既に、コトハの場には《鳴動するギガ・ホーン》、《ベニジシ・スパイダー》、《牙英雄 オトマ=クット》2体、《龍覇 イメン=ブーゴ》、そして《凶英雄 ツミトバツ》——!
大型のクリーチャーが5体も並んでいる。
しかも、それを後ろ盾するのはフォートレスの《邪帝遺跡 ボアロパゴス》であった。
一方の相手の場は、先ほどの《ツミトバツ》のマナ武装効果で仲良く墓地に叩き込まれてしまっている。《イメン=ブーゴ》の効果によって、マナが全て全色になっているのだ。
「お、俺のターン! 《ボルシャック・NEX》を召喚して、《マッハ・ルピア》をバトルゾーンに! 《NEX》でシールドをW・ブレイク!」
コトハのシールド、残り1枚。
風間の《NEX》もターンの終わりに《マッハ・ルピア》の効果で手札に戻る。
しかし——もう何もかもが遅すぎた。
「あたしのターン。場のクリーチャーのコストの合計が30以上だから、龍解条件を達成」
「ちょ、ちょっと待ってくれ——」
懇願空しく。
大地より現れ出でるは、最凶にして最恐の古代の王——
野望に満ち溢れる大地が、今はコトハに同調し、大いなる龍を呼び起こす。
邪帝の力を持つ、雄々しく、猛々しく、そして全てを生み出す龍が。
「轟け、古代の大いなる系譜よ! 今こそ、その欲望と野心と力を、このあたしに見せ付けなさい!
《我臥牙 ヴェロキボアロス》、3D龍解完了!!」
我臥牙(ガガガ) ヴェロキボアロス P 自然文明 (10)
ドラグハート・クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 15000
自分の手札からクリーチャーを召喚した時またはこのクリーチャーが攻撃する時、自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー
現れたのは、巨大な斧を携え、何本もの立派な角を生やし、まさに力の象徴とも言える邪帝龍だった。
それが、質量を持ったホログラムによって、遂に現実世界へと顕現した——!!
「あ、あががが——! 3D龍解クリーチャー、だとぉぉぉぉ!?」
「あたしのターン。手札から《霞み妖精 ジャスミン》召喚。そして、手札からクリーチャーを出したので、あたしのマナゾーンから《ヴェロキボアロス》の効果でクリーチャーをバトルゾーンに出すわ。さあ、後悔することね。命の火種を侮蔑したことを——! 《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》をバトルゾーンに!」
今度は現れたのは、超大型のジュラシック・コマンド・ドラゴンの《ワルド・ブラッキオ》だった。
このクリーチャーが現れたが最期、もう相手はクリーチャーをバトルゾーンに出したときの効果を使うことは出来ない——!
「そして、《ヴェロキボアロス》で攻撃! その効果で、マナゾーンから《恐・龍覇 サソリスレイジ》をバトルゾーンに!」
恐・龍覇 サソリスレイジ UC 自然文明 (8)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ビーストフォーク號/ドラグナー 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハートを1枚、または、自然のコスト5以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
ガードマン
W・ブレイカー
「その効果で、あたしの超次元ゾーンから《始原塊 ジュダイナ》を出して装備! そして、《ヴェロキボアロス》でシールドをトリプルブレイク!!」
シールドが3枚、一気に消し飛ばされた。
風間は最早、逆転の手立ては無いと思われた——が。
「は、はははは! S・トリガー!! 《DNA・スパーク》! お前のクリーチャーを全てタップして、シールドが2枚以下だからシールドを1枚追加だ! 残念だったな!」
「むぅ……仕留め損なったわね。《ザウルピオ》を龍解させてターンエンドよ」
「くくく、バカか、テメェは!! 仕留められるのは、テメェだってことにまだ気付いてねぇみてぇだなぁ!! 俺のターン!」
カードを引いた風間は、すぐさまカードを5枚、タップする。
今度こそコトハを仕留めるために。
「出て来い、《NEX》! 《ワルド・ブラッキオ》の効果で、もうこいつの効果は使えねぇが——一気にシールドをブレイクさせて貰うぜ! 《マッハ・ルピア》!」
火の鳥が一直線に突っ込んでいき、コトハの最後のシールドを叩き割った。
S・トリガーは無い。
もう後はダイレクトアタックを叩き込むのみ——
「《NEX》でダイレクトアタック!!」
カードをタップする風間。
——しかし。《NEX》はもう、ぴくりとも動かなかった。
「あ、あれ——何で攻撃しねえんだぁ!?」
「アホはあんたよ。《ザウルピオ》が居る限り、あたしのシールドが0枚なら、もうあんたのクリーチャーは攻撃できない」
「あ、あはははは——」
「あんたのデッキには、それらしき除去呪文が無かったから、これでもう詰みよ。あたしのターン——」
もう、コトハは何のクリーチャーも場に出さなかった。
そのまま——
「《ワルド・ブラッキオ》で残るシールドを全てブレイク」
「お、おのれ——何で初っ端から——」
しかし。
その言葉は——
「《ザウルピオ》でダイレクトアタック」
——古代王の咆哮に掻き消されたのだった。