二次創作小説(紙ほか)
- Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.235 )
- 日時: 2016/01/30 19:39
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)
現れたのは、巨大な盾を両腕に掲げた人型のクリーチャーであった。
しかし、その盾には無数の武器が装備されており、大砲、刃、そしてレーザー砲など様々だ。
鈍重な容姿ではあるが、その姿を一言で言うならば——鉄壁の一言だった。
そして未知の召喚法、シールド進化。
只のアウトレイジではないことは間違いない。
「鎧龍が開発した試製カードのうちの”1つ”。それがこの《アイドクレーズ》だ」
「っ……!」
「そして、特筆すべきはこのシールド進化。通常は、裏向きのシールドを確認して進化元のアウトレイジかどうかを確認しなければいけないが、もともとシールド・ゴーで表向きになっているアウトレイジならば関係ない話」
次の瞬間、リョウの裏向きのシールドが2枚墓地に置かれた。《守護すぎる守護 鋼鉄》、そして《正々堂々 ホルモン》だ。
そして、彼は山札を見て、その中から2枚をシールドゾーンに置いた。
両方とも、《パラノーマル》のカード——
「そして、《パラノーマル》の埋め合わせは——《パラノーマル》で埋めるだけの話だ」
——同時に、シールド・ゴーが発動する。
そして、辺りに黒い霧が立ち込めて、ノゾムの場の《メタルアベンジャーR》は消滅した。
「っ!? 2枚、だとォ!?」
「パワー6000ダウン。《メタルアベンジャーR》を破壊。これが《アイドクレーズ》の効果だ。我ながらえげつないと思っているよ。登場時にシールド2枚を墓地に置けば、山札から2枚、”シールド・ゴー”を持つアウトレイジをシールドゾーンに表向きにして置くことが出来るんだ」
まさに言葉の通り、とでも言うべきか。
パワーダウンによる場の制圧、そしてブロッカー。
水文明は軒並みパワーが低いので、かなり厳しい状況だった。
——バウンスでどかすことは出来ても、クリーチャーを展開できねぇってことだが——!!
1つだけ、方法が無いわけではなかった。
——龍解した《Q.E.D+》なら、防御をすり抜けて、要塞化したシールドを叩き割ることが出来る!
「オレのターン! 《エビデゴラス》の効果で1枚ドロー! そして、ターンの初めのドロー! そんでもって、呪文、《龍素解析》を使用します! 効果で手札を全て山札に戻して、シャッフルし、カードを4枚引きます! そしてターンに5回、カードを引いたので——」
龍の要塞が展開される。
大いなる翼を持って。
その魂に龍の正義を込めて——
「弱き者の盾となれ! そして世界を導け! 今、最期の龍解を成し遂げろ!!
《最終龍理 Q.E.D+》、龍解完了!!」
——解き放つ。
最強の主砲を持つ結晶龍の王が、顕現した。
ドラグハート・クリーチャー。
龍の魂を解放した真の姿を前にして、会場が沸き立つ。
「こいつのパワーは11000!! マイナスされても破壊されない!! そして、ブロックもされない!! 《パラノーマル》のシールドを2枚とも叩き割ってやりますよ!!」
意気込み、カードをタップするノゾム。
そのまま、その驚異的な陣形をすり抜け、巨大な主砲でリョウを守る盾を撃ち貫く——
「……そんなこと、当の昔に分かっているさ」
——しかし、次の瞬間。
リョウの残る”裏向きのシールド”が身を挺してシールド・ゴーした《パラノーマル》を守った。
そして、それらが代わりにリョウの手札に送られる。
「はっ……!? 何が起こった!?」
「残念だけど、《アイドクレーズ》の効果発動。僕の表向きのシールドがブレイクされる代わりに、裏向きのシールドを手札に加える」
絢爛する盾刃(マン・イン・ザ・ミラー) アイドクレーズ 光文明 (7)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 9000
シールド進化—自分のシールドを1枚選ぶ。それが裏向きになっていれば表向きにし、それがアウトレイジならばこのクリーチャーの上に重ねて置く。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドを2枚選んで墓地に置く。その後、山札を見て、「シールド・ゴー」を持つアウトレイジを2枚選び、シールドゾーンに表向きにして置く。こうして山札を見ていた場合、山札をシャッフルする。
自分の表向きのシールドが相手のクリーチャーにブレイクされる時、かわりに自分の裏向きのシールドを1枚手札に加えてもよい。
メテオバーン—このクリーチャーが攻撃するとき、代わりにこのクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地においてもよい。そうした場合、山札の一番上から1枚をシールドゾーンに置く。
W・ブレイカー
一言で言えば。自分の表向きのシールドを身代わりにできる、というものであった。
恐るべきと言うか、これによってアンブロッカブルが攻めて来たとしてもそれを防ぐことが出来るのだ。
これにより。ノゾムの攻撃は《パラノーマル》の除去に失敗したことになる。
とはいえ、リョウのシールドも残り2枚。
再び龍解できれば、もう《アイドクレーズ》の効果も発動せず、そのままシールドを叩き割れる。
そのはずだった。
「僕のターン。——今のは少し危なかった。だから、僕も僕なりのお返しをしよう!!」
5枚のマナがタップされる。
そして——
「進化、《アリス》を《守護大帝 ストーンゴルド》に!!」
現れたのは、黄金の髪を持つ、”守護”の無法者。
電気のように光り、迸るその身体は全ての攻撃を無力化する盾となる。
「まず、《アイドクレーズ》で攻撃——する代わりにメテオバーン発動」
「”代わり”に——!? 攻撃するんじゃないのか!?」
「ああ。効果で進化元の《パラノーマル》を墓地に置き、山札の上から1枚をシールドに。そして、《ストーンゴルド》で《Q.E.D+》を攻撃! その効果により——《守護すぎる守護 鋼鉄》を墓地からシールド・ゴー!」
守護大帝(ジェネラル・ガード) ストーンゴルド R 光文明 (5)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
進化−自分のアウトレイジ1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、「シールド・ゴー」を持つクリーチャーを1体、自分の墓地から表向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
W・ブレイカー
「なっ、今度は墓地から、だと!?」
「そうだ。これが型破りのアウトレイジの戦い方だ。ターンエンド」
——とはいえ、あの要塞——やはり厄介……! 2度目の龍解は好ましくないな……。
内心、やはり脅威を感じていたのだろう。
出来ることはやったとはいえ、まだ勝利を確信できる段階ではない。
このまま、何事も無ければいいのだが、と彼はこの先の展開を憂う。
「——オレのターン、《エビデゴラス》の効果で1枚ドロー。そして、《メタルアベンジャーR》を再び召喚! 効果で1枚ドローし、《エビデシュタイン》をバトルゾーンに!」
「だけど、パワーは0だからそのまま破壊だね」
「……ターン終了だ」
何事も、無かった。
最早、リョウに迷いはない。このまま、決めるだけの話だった。
——そろそろケリを付ける。悪いけど、此処で終わりだ!