二次創作小説(紙ほか)

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.242 )
日時: 2016/02/24 18:50
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

サイバー・G・ホーガン VR 水文明 (8)
クリーチャー:サイバー・コマンド 8000
M・ソウル
W・ブレイカー
激流連鎖(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から、このクリーチャーよりコストが小さいクリーチャーを好きな数、バトルゾーンに出してもよい。残りを好きな順序で自分の山札の一番上に戻す)



 
 現れたのは巨大な砲丸を抱えた巨人のようなサイバー・コマンドであった。
 青の血潮、青のモノアイ、青の鉄槌。筋骨隆々のその体格は、まさに彼に相応しい切札と言えるだろう。
 ——ただし、会場のどっかから「オイ!! ハルク・ホーガンはボクシング選手じゃなくてプロレス選手だぞ!!」という声が上がったような気もするが、そんなこと気にせずに山札から2枚を捲る。
 バトルゾーンに激流が巻き起こった——

「激流連鎖発動!! 効果で、山札の上から2枚を捲り、それがクリーチャーならばバトルゾーンに出せる!!」

 2枚のカードが捲られた。
 そして、激流と共に場へ現れる。
 しかし、それはただのカードでは無かった。
 既存のそれを超える——試製カードの1つだ。

「くくく、来たかぁぁぁーっ! これが3枚目の、私の切札ですよぉぉぉっ!!」

 現れる。
 激しい稲光と、鬼のような眼光と共に。それも、とてつもなく強大なクリーチャーが——



「我が武器は鋼の礫!! さあ、大地を叩き割れ、大いなる海の拳王よ!!《電河棲龍 T・フューリー》!!」


 
 ——!!
 思わず、身構えた。現れたのは、巨大な拳を持ち、ヘッドギアを頭に付けた龍。《G・ホーガン》よりも一回り小さいが、まさに鉄槌を体言したかのような巨大な拳は大地を叩き割り、海さえも裂いてしまいそうな凄みを持っていた。

「くく、これこそが私の真の切札——! そしてもう1体は——チッ、《霞妖精ジャスミン》……まあ良いでしょう」
「な、何ですか、そのカードは……!!」
「おっと。連鎖はまだ終わっていないんですよねぇ!!」
「!?」

 安藤は更にカードを捲った。
 再び激流が巻き起こる——

「《T・フューリー》の”超連鎖・閃”発動!! 山札から2枚を捲り、その中からこのクリーチャーよりもコストが1大きい《サイバー・G・ホーガン》をバトルゾーンに!!」
「……えええ!?」



電河棲龍でんこうせいりゅう T・フューリー 水文明 (7)
クリーチャー:サイバー・コマンド・ドラゴン 7000
M・ソウル
超連鎖・閃(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を見る。その中からこのクリーチャーよりもコストが少ない、またはコストが1大きい進化ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出す。こうして、このクリーチャーよりもコストが1大きいクリーチャーをバトルゾーンに出したとき、自分のクリーチャーを1体選び、破壊する)
W・ブレイカー



「コストが1大きいクリーチャーを出したので、《T・フューリー》の効果で私の場の《ジャスミン》を破壊!! そして2体目の《G・ホーガン》による激流連鎖発動!!」
「ま、まだ連鎖するんですか!?」

 その様子を見ていたヒナタ達も、いよいよこれがまずいことに気付いた。
 
「俺と似ているって、そういうことかよ!! 《G・ホーガン》は俺が鎧龍に来た頃使っていた切札の1つ……! 加えて、あの《T・フューリー》は、連鎖に加えて、更に疑似的な《ヒラメキ・プログラム》まで内臓してやがる。出せるクリーチャーの範囲が決まっているとはいえ、2枚捲ってその中から選べる時点で、これはかなり強い……実質、《サイバー・T・クラウン》の上位互換じゃねえか……!!」
「ホーガンというデッキの特性を知り尽くしているな。《ホーガン》2体目が出れば、下手すれば大惨事になるぞ。あのデッキ、どうもフルクリーチャーで組まれているようだからな」

 そう言っている間に、2体のクリーチャーが唸りを上げて現れる——

「《嘘と盗みのエンターティナー》、《破壊者 シュトルム》をバトルゾーンに!」
「ッ……!!」

 これにより、安藤の場には《G・ホーガン》2体、《T・フューリー》、《シュトルム》、《エンターティナー》の5体が揃ってしまった。
 このままでは、普通に殴られてそのままダイレクトアタックに持っていかれるのは目に見えていた。
 
「私のターン……! この状況……どうにかしてみせます!! 《超過の翼 デネブモンゴ》を召喚です! 効果により、カードを1枚引いて《聖歌の翼 アンドロム》をバトルゾーンに! その効果で《サイバー・G・ホーガン》をフリーズ!」
「ほう。ですが、所詮は脆弱な軍勢……その程度の光で何が出来るというんですかねえ?」
「っ……!!」

 ——貴方の力は余りにも弱すぎる。その程度の光だの希望だのには——負けるわけにはいきませんねぇ?
 思い出す。
 あの時の記憶。
 アヴィオール——いや、それに取り付いていたアルゴリズムに負けた時の記憶が。
 あの時の自分は、心の闇にも自分自身にも負けた。
 負けて負けて——地に落ち果てた。
 仲間が敵になる。
 そんな絶望的な状況であの人は——
 ——今、助けてやるからな——!!
 


 ”絶対に諦めなかった!!”
 


「だけど……!! 抗える……!! どんなに小さな光だって——それが、蛍灯のようにどんなに小さく、どんなに淡くったって——暗闇を明るくすることが出来ないわけじゃない……!! まだ、戦える!! まだ、何も始まってなんかいない!! だから、まだ何も終わってなんかいない!!」
「ほーう」

 にやり、と笑みを浮かべた彼は——

「ならお望み通り、絶望の中に叩き落してやりましょう!! デスマッチの開始ですよォ!! 《魔龍バベルギヌス》召喚!!」



魔龍バベルギヌス VR 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/グランド・デビル 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーをひとり選ぶ。そのプレイヤーのクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、そのプレイヤーの墓地から、《魔龍バベルギヌス》以外の進化ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出す。



「その効果により、《G・ホーガン》を破壊し、再び墓地から召喚!! そして、激流連鎖発動!! 山札の上から2枚、《ジョニーウォーカー》と新たなる侵略者、《獣軍隊 シュパック》召喚!!」
「——!!」
「良いことを教えてあげましょう。《シュパック》は相手のシールドが2枚以下ならばマナゾーンからクリーチャーを召喚することを可能にし、そして相手の呪文・クリーチャーの効果によって自分のクリーチャーがタップされたならば、自分のクリーチャーを全てアンタップさせることが出来るのです。これで光文明お得意の、残りシールド1枚でスパーク系カード、かーらーの逆転は不可能になったというわけですねえ。これぞ、攻撃に特化した侵略者の力!」




獣軍隊 シュパック VR 自然文明 (4)
クリーチャー:ゲリラ・コマンド/侵略者 4000
相手のシールドが2つ以下なら、クリーチャーを自分のマナゾーンから召喚したり、自分のターンの終わりに、進化クリーチャーを好きな数、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、自分のクリーチャーがタップした時、自分のクリーチャーをすべてアンタップする。




 ホタルは戦慄した。また、厄介なクリーチャーが現れてしまったことに。加えて、自分の行動範囲はどんどん狭められていく。
 刻々と敗北の時は近づいてきた。
 侵略者の登場によって。
 そして、電脳の使者によって——