二次創作小説(紙ほか)
- Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.247 )
- 日時: 2016/03/21 00:02
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
***
「白陽の星芒武装は極めて絶望的だ。それは、お前と白陽の力が一致していねえからだ」
——一週間前、武闘ビル。部屋の一角。
「な、それじゃあ——俺と白陽じゃ、このままじゃ足手まといに——」
「アホか。まだ諦めるのは速い。D・ステラはまだ良いとして、問題は確実にドラゴンを使ってくる邪悪龍の使い手達だ。既にクリーガーが奴らの一味と交戦しているが、いずれも奴らはドラグハートとドラゴンを使ってきたという」
敵はドラゴン。
そうなれば、白陽のドラゴンを封じる力は非常に頼れるし大きな抑止力になるだろう。星芒武装の力を身に付ければ、それも強化されるだろう。
しかし、今の一クリーチャーのままでは、どうしても限界が出てくる。アンカのような強敵に打ち勝つには、武装の力が必要なのだ。
「まあ、どうすれば良いのかは俺様にも分からん。だが、1つだけ言えるのは、とにかくテメェが火に近づくことだ。他の奴とは逆のことをやって貰う」
「そ、そんな無責任な」
「ともかく、これは侵略だけじゃなくて邪悪龍相手にも使えるはずだ」
フジは1枚のカードをヒナタに見せる。
LEGENDと黄金の文字が刻まれたカードだった。
「お前の特訓は——革命を使いこなせるようになることだ。それも、他の奴より一足速くな」
***
「俺のターン——!」
ヒナタのマナゾーンのカードは4枚。さっき減らされたからだ。
幸い、手札の方はまだ希望が持てる。しかし——問題は相手の場数だった。このままでは押し切られてお終いだ。
——ここは一先ず、耐え切るしかねぇ——!
「呪文、《メテオ・チャージャー》! チャージャーでマナを加速させて、残りの2マナで《ラブ・ドラッチ》召喚! ターンエンドだ!」
「へえ。まだやる気なのか。それじゃあ、そろそろ決めさせてもらうよ!」
ヒナタの手札には《ドラッケン》がある。得体の知れないクリーチャーである以上、これ以上悠長にはしていられなかった。
ヒナタを此処で倒すため、8枚のマナをタップする。
「《竜星バルガライザー》召喚。こいつはスピードアタッカーのW・ブレイカー、そして——山札からドラゴンを呼ぶクリーチャーだ!」
「っ……やっべえ……!!」
刀と鎧に身を包んだ《バルガライザー》は、そのままヒナタの2枚のシールドへ刀を振り払う。
同時に山札の一番上から更なる龍がその姿を現した。
「《偽りの王 カンタービレ》をバトルゾーンに!」
「っ……やべえ!」
「そして! 《ラ・ローゼ・ブルエ》の効果で僕の山札の上から1枚をシールドゾーンに! さあ、2枚のシールドを切り裂け! W・ブレイクだ!」
砕け散った。
2枚のシールドがヒナタの手札に渡るも、そこにS・トリガーは無い。
さらに続けて、鎧の王龍が咆哮を挙げて杖から稲光を放った。
「《ヴィルヘルム》で攻撃! T・ブレイクだ! 《ラ・ローゼ・ブルエ》の効果でシールドも1枚追加させて貰うよ!」
これにより、ジェイコフのシールドは5枚になった。
対するヒナタのシールドは——0枚。
最早、彼を守るものは無い——と思われた。
「S・トリガー、発動! 《メガ・ブレード・ドラゴン》を召喚し、《ラ・ローゼ・ブルエ》を破壊する!」
メガ・ブレード・ドラゴン R 火文明 (8)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍 4000
S・トリガー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーをすべて破壊する。
「はっ! もう1体残っているんだよ! これで終わりだ!」
大地を震わし、天を裂くような咆哮を上げて進軍する《ハチャトゥリアン》。
そのまま、剥き身のヒナタへと食らいついた——
——これで終わりだ——!
ジェイコフはホログラムの切れ間からヒナタの顔を見る——此処で、違和感に気付いた。
——笑っている——!? ナゼだ!?
そして、その答えに気付く前に彼は叫んだ。
革命を。
「革命0トリガー、発動ッ!! 《革命の鉄拳》だッ!!」
その叫びと共に、《ハチャトゥリアン》の頭上に遥かに巨大な鉄槌が現れる——!
「な、何だ、その呪文は——!! どこから唱えた!! 一体、どうやって!?」
「革命0トリガーは、自分のシールドが0枚の時、相手が自分を攻撃したら手札からタダで発動できる呪文だ!」
これが、革命の正体であった。
自分のシールドがある枚数以下の時、効果を発動する新たな逆転の手段だったのだ。
「効果により、山札の上から4枚を見せるぜ!」
「くっ、いったい何を考えているんだ!? この期に及んで——!!」
山札から捲られたのは《メガ・マナロック・ドラゴン》、《天守閣 龍王武陣》、《コッコ・ルピア》、そして——《革命龍ジゴン》だ。
「よし来た! パワー13000の《ジゴン》を選択し、そのパワー以下の《ハチャトゥリアン》を破壊するぜ!」
「や、やるじゃないか……!!」
決められなかった。
しかし、ヒナタの方もヒナタの方で、なかなかに分の悪い賭けをしていたみたいだった。決まって安堵しているのが見て取れる。
「もっとも、俺は焦ってるように見せかけて、《アサルト》でトリガーが入ってるかどうかも把握してたから、こうなることは分かってたけどな! まー、それ以上は流石に運だったけどな」
「だけど、僕のシールドは6枚もある……! どうするつもりだい!」
「どうもこうもしねえよ、革命を起こす、それだけの話だ!」
”革命を起こす”。
そう言った彼は、6枚のマナを全てタップする。
最早、これが最後の頼みの綱だ。
「進化だ! 《ラブ・ドラッチ》!」
ゴーグルを掛けた火の鳥が炎に包まれる。
そして、より大きな高みへ上るため、龍へと昇華した——
「革命の炎が激しく燃える! 支配と侵略に反逆の嵐を巻き起こしやがれ!
《革命龍 ドラッケン》!」