二次創作小説(紙ほか)
- Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.253 )
- 日時: 2016/03/02 19:25
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)
先攻2ターン目。
先に動き出したのは花村の方だった。
「俺様のターン……ブルンブルンブルンブルン、《霞み妖精ジャスミン》を召喚し、エンジンを掛けるぜぇぇぇーっ!!」
初動はマナ加速(ブースト)。まだ、マナゾーンに置かれているカードが自然だけなので、どういうデッキなのかは断定出来ない。
——だけど、クナイがどうして負けたのかが検討がつかねぇ……! 生半可なビートダウンじゃ、あいつのシノビに止められちまうし……!
「俺のターン、ドロー! ここは2マナで《ラブ・ドラッチ》を召喚だ!」
ラブ・ドラッチ UC 火文明 (2)
クリーチャー:ファイアー・バード炎/革命軍 1000
自分の革命軍の進化クリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにある自分のファイアー・バード1体につき1少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にならない。
先ほどのジェイコフ戦から引き続き、ヒナタの初動として登場したのはゴーグルを掛けた火の鳥であった。
しかし、どちらかというと丸っこい造形のそのクリーチャーは両手にサイリウムを掲げており、《ドラッケン》と言い、こいつと言いある種のオタクを連想させるものだったが。
——何で素直にビームサーベルにしなかったんだマジで。
というヒナタの突っ込みはさておき、互いにこれで初手は問題なく準備を済ませることが出来たことになる。
「革命軍か——『侵略してやるよ』」
おもむろに、花村が口を開いた。
しかし、途中からその声にノイズがかかる。
「?」
『ヒナタ、気を付けろ。この男に取り憑いたクリーチャーの声が掛かっている。今此処でこれ以上騒ぎを大きく出来ないのがネックだが——』
「いや、構やしねえぜ。要は俺が勝てば良いんだから」
花村のターン。
此処で彼がどう動くかが問題だった。
ビートダウンか、それともビッグマナか。はたまた別のデッキか。
それは、此処で分かることだ。
「俺様のターン——《単騎連射(ショートショット) マグナム》を3マナで召喚だ!」
「その名——まさか」
一陣の風とともに、拳銃を掲げた西部人形が現れる。
その姿には見覚えがあった。
まさに、アウトレイジと化した《早撃ち人形マグナム》だろうか。
——アウトレイジ、だと!? 此処で使ってくるかよ!?
単騎連射(ショートショット) マグナム P 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 3000
自分のターン中に、相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのクリーチャーはバトルゾーンのかわりに持ち主の墓地に置かれる。
「こいつが居る限り、テメェは俺様のターンにクリーチャーをバトルゾーンに出すことが出来ない!! 何故なら、そいつが出る代わりに持ち主の墓地に置かれちまうからな!!」
その能力は、相手が自分のターンに行うクリーチャーのコスト踏み倒しを全て規制するというものだった。S・トリガー、S・バック、ニンジャ・ストライク。クリーチャーならば全て代わりに破壊されてしまうのだ。
「能力だけで見るなら《呪紋のカルマ インカ》と《ダブル・リボルバードラゴン》の上位互換——アウトレイジらしい厄介なクリーチャーだな」
何度もヒナタのアウトレイジを相手にしているレンとしても、注目のカードだった。やはり、デッキを選ばずに活躍できるシステムクリーチャーはいつの時代でも強い。
「ヒナタがS・トリガークリーチャーに頼るのは難しくなるかしら」
「どうだかな。あの程度ならば火力ですぐ焼けると思うが」
ノゾムやホタルも、固唾を飲んで先輩のデュエル見守っている。
さー、どっすっかなー、と言ったヒナタはターンの始めのドローを行い、そのままマナをチャージする。
どこか憂いを帯びた瞳で花村を見ると、「よし、これだ」とカードを出した。
「《シルド・ポルカ》召喚。こいつはシールドセイバーで、破壊されればパワー3000以下の相手クリーチャーを破壊するぜ」
「ほーう」
そのマグナムを牽制する形で、ヒナタもまた妨害クリーチャーを出す。
互いに一歩も引かない静かな駆け引き。
しかし、それはまだ嵐の前の静けさと言えるような不穏で剣呑なものだ。
「俺様のターン——俺様はこいつを使うぜ」
花村の5枚のマナがタップされた。
そして、バトルゾーンに嵐が吹く。
「《超次元 フェアリー・ホール》! 効果により、俺様のマナゾーンにカードを1枚、山札の上から置く!」
「またマナ加速——!」
「それだけじゃねえ!! これは超次元呪文だ!! 超次元ゾーンより、《魂の大番長 「四つ牙(クアトロファング)」》をバトルゾーンに出すぜ!! ブルンブルンブルンブルン!!」
超次元フェアリー・ホール C 自然文明 (5)
呪文
自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置く。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
▼コスト7以下の自然のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
魂の大番長「四つ牙」(クワトロ・ファング) R 自然文明 (6)
サイキック・クリーチャー:ビーストフォーク/ハンター 6000
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
W・ブレイカー
超次元の門が開く。そこから、釘バットを掲げた番長のような出で立ちのビーストフォークが大地に降り立った。
凄まじい形相と相まって、恐ろしい威圧感を与える。
会場からは「うわぁぁぁん、部長が本当にグレちゃったあああ」という声がちらほら。
確かに、以前の彼からこんなカードを使うようなイメージは無かった。
それほどに意外なのだろうか。
「しかし、はえーな……まだ4ターン目だぞ。俺のターン、ドローして——《ラブ・ドラッチ》を進化! 《ラブ・ドラッチ》の効果でコストを2下げて——」
ファイアーバード2体の声援により、巻き上がる炎が更に激しく燃える。
そこから大いなる龍の炎が《シルド・ポルカ》に進化を起こした——
「革命の炎が激しく燃える! 支配と侵略に反逆の嵐を巻き起こしやがれ!
《革命龍 ドラッケン》!」
——ヒナタの切札、《ドラッケン》がバトルゾーンに現れる。
サイリウムを振るい、そのまま花村のシールドへ突貫した。
「《ドラッケン》の攻撃時効果発動! 山札からカードを1枚捲って——火のドラゴンである《メガ・マナロック・ドラゴン》を召喚だ!」
メガ・マナロック・ドラゴン SR 火文明 (6)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、相手のマナゾーンから光、水、闇、火、自然のカードをそれぞれ1枚ずつ選び、タップする。次の相手のターンのはじめに、それらのカードはアンタップしない。
現れたのは、大剣を振り上げた龍。
欲張り者を断罪する、文明の番人だ。
その大剣はあらゆる文明を切り裂く。
「こいつの効果で、お前のマナゾーンの《霞み妖精ジャスミン》と《爆砕面ジョニーウォーカー》を選び、文字通りフリーズする!」
《メガ・マナロック・ドラゴン》の効果は、登場時と攻撃時に相手のマナゾーンから違う文明のカードをそれぞれタップするというもの。しかも、そのマナは次のターンの始めにアンタップしないため、実質フリーズしたことになるのだ。
「これで時間稼ぎが出来る! シールドを、W・ブレイク!」
しかし。破られた盾が光の束になって収束した。
そして間もなく——反撃の刃となってヒナタを切りつけたのだった。
「——S・トリガー、発動! 《イフリート・ハンド》で《マナロック》を破壊だ!」