二次創作小説(紙ほか)
- Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.254 )
- 日時: 2016/03/03 23:12
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
イフリート・ハンド P 火文明 (7)
呪文
S・トリガー
相手のコスト9以下のクリーチャーを1体破壊する。
『おおおーっと!! 日頃のヘイトの溜めっぷりが此処で裏目に出たか!? 《メガ・マナロック・ドラゴン》、一発退場ーっ!!』
出て間もない断罪龍の身体を溶岩の手が粉砕する。
打点が減ってしまった。流石に《シルド・ポルカ》で攻撃するわけにはいかないので、ヒナタはそのままターンを終えたのだった。
——何だ——一体、何を狙っているっつーんだよ!?
「俺様のターン!! 《魂の大番長 「四つ牙」》の効果で山札から1枚をマナゾーンに! そして、ターンの始めのマナチャージだ! これで、俺様のマナのカードは8枚になった——!」
「2マナはフリーズされてるけどな」
「へっ、首の皮が繋がっただけだ!! 6マナで《ナチュラル・トラップ》を使用! その効果で、《ドラッケン》もマナゾーンに送るぜ!」
ヒナタの場は《シルド・ポルカ》を除いて主力が2体とも除去されてしまうという悲惨な状況に。
——やられた——!! クソッ、折角出したのに——!!
「ターンエンドだ」
「っ……!!」
声も出ない。
此処までボロボロにされるとは思わなかった。
しかし、相手は一向に殴ってくる様子が無い。手札が入って来ないのでジリ貧には変わりないのであるが。
——参ったな……どうにかしねーと……!
手札も無くなってきた。ここらで支柱になりそうなクリーチャーを出しておきたいところ。
カードを引く。そして、確信した。
——これだ!
「俺のターン、4マナで《燃えるメラッチ》を召喚だ!」
燃えるメラッチ C 火文明 (4)
クリーチャー:ファイアー・バード炎/革命軍 4000
自分の火の進化クリーチャーの召喚コストを最大2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
バトル中、このクリーチャーは破壊されない。
現れたのは鎧を纏った炎の鳥。
身の丈に合わない剣を足で掴み、ジェット噴射口で会場を飛び回る。
その効果は火の進化クリーチャーのコストを2下げるというもの。
次のターン、相手が殴ってくれば勝てないことは無いが——
「俺様のターン、ドロー」
にやり、と花村が笑った。
「侵略だよ!! 侵略!! 『全部奪い尽してやるんだよ』!!」
「さっきから何を言ってやがる!!」
「うるせぇ!! てめぇは何も分からねぇまま消えていけ!! 轢き殺してやるぜ!!」
ブルンブルン、口でおもむろに呟きながら、自転車のハンドルを握ってバイク乗りの真似事をした彼は、そのまま《「四つ牙」》の効果でマナを1枚加速させ、さらにターン最初のマナ加速を行った。
「まずは5マナで《超次元 フェアリー・ホール》を唱え、1マナを加速! そして、《勝利のガイアール・カイザー》を召喚だ!!」
勝利のガイアール・カイザー ≡V≡ 闇/火/自然文明 (7)
サイキック・クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーは、バトルゾーンに出したターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。
現れたのは勝利を約束する龍”ガイアール”。
超次元ゾーンから颯爽と現れ、痛恨打を与えていく奇襲性を持つこの《勝利のガイアール・カイザー》は汎用性が非常に高く、多くの超次元を入れたデッキで扱われる。
今回もまた例外ではない。
そして、トドメと言わんばかりに花村は畳みかけていく。
「呪文、《フェアリー・ギフト》!! こいつで、俺様が次に召喚するクリーチャーのコストを3下げる!」
フェアリー・ギフト UC 自然文明 (1)
呪文
このターン、次に召喚するクリーチャー1体のコストを最大3少なくしてもよい。ただしコストは1より少なくならない。
「覚悟しろ……!! テメェの《マナロック》の所為で色々遅れたが、俺様の切札が手札に来たのが最期、テメェはお終いだぜ!!」
「あ? マジで何なんだ。とっとと切札とやらを出せっつーの」
「言われるまでもねぇ!!」
残る5枚のマナがタップされた。
《フェアリー・ギフト》の効果でマナコストは−3されている。
よって——現れるのはコスト8の大型クリーチャーだ。
「ファイナルラップ——点火(イグニッション)——!!」
構築されていく。
スピードだけが支配する世界が。
そして、それを駆け抜ける一陣の風。
いや、それは最早風なのではない。
風は速度の限界を突き抜けて、進化した。
留まることを知らない威力を持つ衝撃波(ソニックブーム)となってやってくる。
「加速(ブースト)——《音速 ソニックブーム》!!」
音さえも切り裂く速度で、地平線の彼方より音速の侵略者が到来した。
橙に染まったバイクを乗り回し、尚も止まる様子は無い。
「驚くなよ、こいつの効果は——登場時にテメェのシールドを2枚選び——」
銃声が轟いた。同時にヒナタのシールド2枚に何か装置のようなものが張り付けられる。
そして次の瞬間——
「それ以外を全てブレイクする」
——装置から放たれた衝撃波(ソニックブーム)がシールドを叩き割っていく——
音速 ソニックブーム SR 火文明 (8)
クリーチャー:ソニック・コマンド/侵略者 8000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のシールドを2つ選ぶ。このクリーチャーは、それ以外の相手のシールドをすべてブレイクする。
「これが侵略者の脅威の攻撃力!! これで残るシールドは2枚だ!!」
会場はざわつく。
《ソニックブーム》自体もスピードアタッカーのW・ブレイカー。
実質、相手にブロッカーがいなければ、ワールドブレイカーも甚だしい打点を生み出すのである。
しかし。
「いや、”残り3枚”だ!! 《シルド・ポルカ》のシールドセイバー発動!!」
シルド・ポルカ UC 火文明 (3)
クリーチャー:ファイアー・バード炎/革命軍 2000
シールド・セイバー
このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、相手のパワー3000以下のクリーチャーを1体破壊する。
「シールドがブレイクされる代わりにこいつを破壊するぜ! そして、《マグナム》も破壊だ!」
「いや、そこまで考えてねぇわけがねえだろが!! 俺の場に攻撃できるクリーチャーは3体ッッッ!! このターンでテメェを追い落とすことなんて容易い!!」
先ほどの《ガイアール》召喚は打点を揃える意味合いもあったということになる。
見れば、確かにワンショット圏内であった。
残るシールドは3枚とはいえ、この軍勢が相手では勝つのは難しくなる。
「《音速 ソニックブーム》でシールドをW・ブレイク!!」
バイクに乗った音速の侵略者が、そのままヒナタのシールドへ突っ込み、2枚を叩き割る。
——まずい、革命0トリガーすら手札に来ねぇ——! だけど、”こいつ”は来てくれた——!!
焦燥感が募る。
これにクナイはやられたのだ。
——頼みの綱、来い——!!
そして更に——
「そのシールドも貰った!! 《勝利のガイアール・カイザー》で最後のシールドをブレイク!! 周回遅れは惨めに消えな、ぎゃはははは!!」
「っ——!!」
——最後のシールドが割られた。
「これで、お終いだぁぁぁーっっっ!!」
しかし。
そのシールドが収束する。
逆転の切札となって——
「——S・トリガー発動——」
「あ!?」
次の瞬間——《「四つ牙」》の身体が一瞬で粉砕される。
何が起こったのか分からないという表情で辺りを見回す。
そして、フィールドに影が落ちる。
降り立ったのは——
「《熱血龍 バトクロス・バトル》を召喚! 《「四つ牙」》をバトルして破壊だ!!」
——熱血の炎を宿した戦闘龍だった。
これにより、花村の場にもう攻撃できるクリーチャーは居ない。
——た、耐え凌がれただとぉぉぉーっ!?
痛手だったのはやはり《マグナム》が破壊されたことであった。
先ほどのクナイ戦では大いに役立ったカードだっただけに、最後に彼を詰めることが出来なかったのだ。
「ターン終了時に《バトクロス》は山札の下に戻る。《シルド・ポルカ》がこいつに繋げてくれたんだ!!」
「ぐっ、だが!! このボロボロのバトルゾーンで何が出来る!! 次のターンで終わりだ!!
「残念だったな」
にやり、とヒナタは笑った。
そして拳を突き上げる。
「この勝負、俺が貰った!!」
場には《燃えるメラッチ》のみ。シールドは0枚。
圧倒的に危機的な状況だ。
しかし、革命はそれさえも逆転の糧とする——既に、ヒナタに負ける気など毛頭なかった。
「コストを2軽減し、5マナをタップ! 《燃えるメラッチ》、進化——」
炎の鳥が天高く舞う。
そして、大いなる革命の剣と共に、より大きな龍へと昇華する。
「馬鹿め!! 《ドラッケンA》如きでこの場をひっくり返せるものか!! 次のターンでスピードアタッカーを出せば俺の勝ちだ!!」
「誰が《ドラッケンA》を出すって言った? 俺が出すのは、伝説の革命龍だ!!」
燃える魂に呼応するように、革命の炎が燃え上がった。
「龍を超える龍よ、俺の鼓動に応えろ! 燃える炎の刃を振るい、革命を起こせ!」
《燃えるメラッチ》は音高く、更に更に天へ飛翔する。
そして——大きく、炎の翼を広げ——革命の時が訪れた。
火文明の王にして、伝説の革命軍が今、目覚める——
「暁昇る戦場に勝利を刻め!!
《燃える革命 ドギラゴン》!!」