二次創作小説(紙ほか)

Act7:鎧龍頂上決戦 ( No.260 )
日時: 2016/03/16 23:29
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)

轟く侵略 レッドゾーン LC 火文明 (6)
進化クリーチャー:ソニック・コマンド/侵略者 12000
進化−自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
侵略−火のコマンド
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、一番パワーが大きい相手のクリーチャーをすべて破壊する。



「な、何だコイツーっっっ!!」

 現れるは、灼熱の機体を持ったクリーチャーであった。拳、脚には車輪が付けられており、細身の機械の身体を燃え上がる鎧が守っている。
 しかし、それ以上に目を引くのはスピード以外を全て切り捨てたかのような前衛的なフォルム。
 加えて、その身体のあちこちには燃え上がる炎がともっていた。
 
「轢き殺せ、《レッドゾーン》。相手のパワーの一番大きいクリーチャーを全て破壊する」
「なっ!?」

 一瞬で抜き去った。
 そこにはミンチにされた《シルド・ポルカ》の姿があった。
 しかし、それは炎の塊となって《トップギア》を焼き尽くす。最期の足掻きと言わんばかりに。
 だがそんなこと、速度の権化である《レッドゾーン》には関係のない話であった。
 何も言わずに、その強大な馬力を生み出す脚でヒナタのシールドを——



「T・ブレイクだ、《レッドゾーン》」



 ——容赦なく叩き割る。
 彼のシールドは残り1枚となった。
 全員は戦慄した。
 コスト4、トップギアでコストを下げればコスト3で現れる軽量コマンドが、フィニッシャークラスの大型クリーチャーに化けたのだ。こんなものがゲームの序盤に出てきたが最期、一方的に蹂躙される他ない。

「バカな——! とすれば、3ターンキルが理論上は可能ということか! それも、現実的な方法で、だ!」
「成程な……こいつぁDASHが規制するわけだ。3ターン目に現れる巨大フィニッシャー、しかもデメリットは無し。何も分からないまま相手を屠る凶悪な性能——こいつこそが諸悪の根源と言っても過言じゃねーぜ。侵略者という種族の根っこだ」
「嘘でしょ!? あのコロナって子の場にはまだ、攻撃できるクリーチャーがいるのよ!?」
「シールドは確実に0枚に——!」
「こ、これはまずいですよ! 光のデッキでも対処できるかどうか!」

 残るコロナのクリーチャーがとびかかる——

「S・トリガー発動、《破壊者 シュトルム》で《ブレイズ・クロー》を破壊!」
「ふむ。流石に3ターンで撃破は出来なかったか。まあいい」

 ——その前に、それらは一瞬でS・トリガーの前に消し炭にされたのだった。何とか、このターンは耐え凌ぐことに成功する。
 これを見ていたノゾム達は思わず安堵の息をついたのだった。しかし、強敵・《レッドゾーン》を排除出来たわけではないのだ。
 それでもヒナタは今の攻撃で革命0トリガーを手に入れることに成功していた。
 既に、勝利への道は見えている。
 ——俺のシールドは1枚。俺を倒すなら、後もう1体クリーチャーが必要だ! それも、スピードアタッカーだ! だけど、それが来たとして《革命の鉄拳》で返り討ちにすれば良い話! そして——

「俺のターン、《燃えるメラッチ》を召喚だ!」

 再び大空を舞う鳳。
 そしてヒナタの手には勝利を呼ぶ伝説の革命龍が握られているのだ。次のコロナのターンさえ耐え凌ぐことが出来れば、そのまま革命0の無限攻撃で一気にフィニッシュである。
 ——さあ来い……!! 掛かってきやがれ!!

「ターンエンドだ!」
「私のターン」

 カードを引くコロナ。
 そして、彼女はマナにカードを置かなかった。
 そのまま、3枚のマナをタップする。

「……良いだろう。貴様にアマツカゼの力を見せてやろう」
「へっ、変態ドM野郎なんざ話にならないぜ!」
「本当にそう言えるのか? こいつの前で——」

 炎が巻き起こった。
 そこから、魔力を糧にして影が具現化する。

「ファイナルラップ——《拷速火車 アマツカゼ》、召喚」




拷速火車 アマツカゼ 火文明 (3)
クリーチャー:ソニック・コマンド/侵略者 3000
自分の場にソニック・コマンドが他にいるとき、このクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。




『ひゃっほーい!! 侵略だ!! 僕の、侵略だよ!!』

 現れたアマツカゼの脚には、燃える火車が回っている。
 そして、生物なのか機械なのか、という曖昧なその姿がより不気味さを煽った。
 さしものヒナタも、これには黙りこくるしかない。
 何をしてくるのか、全く分からないのだ。

「そして《レッドゾーン》で最後のシールドをブレイク」
「来たか——!」

 最後のシールドが割られ、剥き身になるヒナタ。
 しかし、その手札には逆転の手となる《革命の鉄拳》がしっかりと握られている。
 ——そして、アマツカゼがスピードアタッカーなら、あいつをブチ砕き、次のターンでジ・エンド! さあ来やがれ!


「《アマツカゼ》は場に他のソニック・コマンドがいるとき、スピードアタッカーとなる——攻撃だ《アマツカゼ》」

 突貫するアマツカゼ。
 その全身を炎に包みこませ、文字通りの火車となり、剥き身のヒナタを狙う——その先には巨大な鉄拳が待ち構えているはずだった。




「そして、侵略発動」




 淡々、と彼女は続けた。
 はっきりと、侵略発動、と。
 ヒナタの背に悪寒が走った。
 何か、とても恐ろしいクリーチャーが現れる予感がするのだ。自らも想定していなかったモノが——



「——限界を振り切れ、愛欲の蛇よ——天照らす旱魃の神となれ——ファイナルラップ」



 ——炎が巻き上がる。
 大いなる大蛇となって。
 それを見ていたクレセントが。
 そして白陽が動揺している。
 在りし日の記憶が蘇る。
 全く同じ位置だ。
 姿形こそ変わっていたものの、全く同じ場所にそれはあった——

『バ、馬鹿な!! あの傷は——!!』

 キシャアアアア、と蛇が甲高く吼えた。
 赤い灼熱の女性的な機体を本体に、その左腕は蛇の頭、右腕は蛇の尾となっている。
 そして嫉妬の炎を燃え滾らせ、天から全てを焼き滅ぼす地獄の化身が姿を現した——全ての呪いを因果を断ち切るために。





「——限界突破(オーバーヒート)、《超火車 アマノサグメ》」