二次創作小説(紙ほか)

Act1:紡ぐ言の葉 ( No.267 )
日時: 2016/03/23 22:31
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)

「——何、こいつ——さっきのクリーチャー!?」
「《オルタクティス》の登場時効果発動。《ギガ・ホーン》のパワーを-6000して破壊かも」

 《神聖騎》の名を継ぎ、改められた新たなるオラクリオン。それが零式。
 彼らは自らを戒めることにより、更なる上位の神へと純化したのである。
 その本質は文明の力を纏った無色の力だ。今まで、文明を持つオラクリオンの前例こそ、例外とはいえ存在したが、零式は文明を纏っているのみにすぎない。本来は無色のクリーチャーなのだ。
 三又の槍から天罰の雷を《ギガ・ホーン》に落とすと、一瞬で破壊してしまった。
 零央学園の作った試製カード。以前も教団との怪しい繋がりが噂されていたらしいが、こんなものを作っていればそれも仕方ないだろう。

『コトハ様! 気を付けてくださいにゃ!』
「で、でも、怯んでられない! あたしのターン! 7マナをタップ! そして——《龍覇 イメン=ブーゴ》を召喚!」

 だが、コトハとしても此処で負けるわけにはいかなかった。
 許せなかったのだ。遊び半分でヒナタの唇を奪ったツグミが——
 ——何で、何で——あたし、こんなに怒ってるのよ——!!
 少女の疑問と共に、そして欲望渦巻く邪悪な斧と共に、仮面を被ったシャーマンが現れる——はずだった。
 
「!?」

 出来ない。
 何度、カードをバトルゾーンに置いてもクリーチャーが実体化しないのだ。
 何度もそれをバトルゾーンに宛がう。
 だが、無理だ。何も目の前には現れない。

『コトハ様——ひょっとして、”召喚できない”ってことじゃ——』
「嘘よ! 規定コストは払ったわ! 何で——」

 たじろぐコトハに、淡々とツグミは続けた。



「《オルタクティス》の効果発動かも。相手は自分のマナゾーンの枚数”以上”のコストを持つクリーチャーを相手のターンにプレイすることが出来ない。要は、マナゾーンの枚数と同じでもロックは掛かるかも」




戒・神聖騎 オルタクティス 光/闇文明 (7)
クリーチャー:オラクリオン零式 7000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーを-6000する。
相手は自分のマナゾーンの枚数以上のコストを持つカードを相手のターンにプレイすることが出来ない。
山札、バトルゾーン、マナゾーンにあるこのクリーチャーを無色クリーチャーとして扱っても良い。
W・ブレイカー 



「——はぁ!? な、なによそのふざけた能力!!」
「ちなみに、呪文、城、ドラグハート、サイキック、全てのカードに於いてこの効果は適用されるかも。プレイできない、つまりはそもそも出すこと、唱えることが出来ないかも」
「嘘、でしょ——!?」

 つまり、コトハは《イメン=ブーゴ》を出すためにもう1枚のマナが必要なのである。
 あらゆるコスト踏み倒し効果を規制すると同時に、まともにカードをプレイすることも出来なくさせるのだ。
 勿論この効果、弱点が無いわけではない。しっかりとマナのカードを伸ばしていくデッキはこの効果を受け辛い。
 しかし、それでも1ターン動きが制限されることに変わりはないのであるが。

「——クリーチャーに飽き足らず他のカードまで——くっ、5マナで呪文・《古龍遺跡エウル=ブッカ》を唱えるわ! その効果で《ニヤリー》と《オルタクティス》をマナゾーンに!」
「……ちぇっ」
「ターンエンドよ! 次のターンで《イメン》を出して、《ボアロアックス》を出す! 自然文明を嘗め腐ってると痛い目見るわよ!」

 強気に言うコトハ。
 しかし、ツグミの方は——動じていない。
 表情が読み取れない。
 どこかふわふわとした子供っぽい顔が、不安を煽る。

「わたしのターン——《超次元フェアリー・ホール》で《時空の英雄 アンタッチャブル》と《時空の英雄 アンタッチャブル》を2体召喚するかも」



超次元フェアリー・ホール C 自然文明 (5)
呪文
自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置く。
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。
▼コスト7以下の自然のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。




時空の英雄アンタッチャブル UC 光文明 (2)
サイキック・クリーチャー:キカイヒーロー 1000
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを相手が選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)
覚醒−各ターンの終わりに、自分の他のサイキック・クリーチャーがそのターン覚醒されていた場合、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。


 小型のサイキック・クリーチャーを2体呼び出したツグミ。
 ここで軽量をばら撒いた意図がいまいち分かりかねる。
 しかし、今のコトハはとにかく布陣を組み立てることが頭の中にあった。
 1ターン遅れた分は取り返さねばならない。

「……何を考えてるのよ……? あたしのターン——今度こそ《龍覇 イメン=ブーゴ》を召喚! その効果で《邪帝斧 ボアロアックス》を装備!」

 欲望に駆られた邪悪なシャーマン、そしてその古代の邪帝を封じ込めた武器が手元に降りる。
 
「そして効果で《次元流の豪力》を召喚! 超次元ゾーンより《タイタンの大地 ジオ・ザ・マン》をバトルゾーンへ!」

 そして、邪悪なる斧に導かれて次元の穴をこじ開ける次元の力を持つエイリアンがその地中より這い出た。
 そして同時に、超次元の穴が開かれ、大地の使者が現れる。

「ターンの終わりに《ジオ・ザ・マン》の効果で《凶英雄ツミトバツ》を手札に加えるわ。ターンエンドよ」

 布陣は整えた。まずは雑魚を英雄の力で一掃する。それだけじゃなく、手札には《オトマ=クット》もいるのだ。染色しているこの状況ならば、《ボアロアックス》の龍解、いや更にその先を狙えるだろう。
 しかし。
 動き出したのは彼女も同じであった——

「わたしのたーん……かも。ドロー——そしてマナチャージかも」

 マナゾーンのカードのうち、全て——8枚がタップされる。
 闇の力を得て、それは実体化する。余りにも凶悪な斬滅の神が——




「それは破滅から生み出される新たな命。降臨せよ、《戒・神聖斬 アシドミラ》」