二次創作小説(紙ほか)
- Act1:デュエルは芸術か? ( No.28 )
- 日時: 2016/09/12 23:56
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
「コ、コスト8!? 何でいきなりそんなクリーチャーが!」
傍から見ていたノゾムは、思わず声を上げた。
それを耳に留めたのか、レンは親切にも説明する。
「大馬鹿者め。《コッコ・ドッコ》はコマンド・ドラゴンのコストを3下げる効果を持つ。ただし、犯した罪には相応の”罰”が必要だがな」
さらに、《コッコ・ドッコ》はコマンド・ドラゴンが出てきたため、破壊される効果を持つ。
すぐさま、《ガナルドナル》に踏み潰されてしまった。
コッコ・ドッコ UC 闇文明 (4)
クリーチャー:ファンキー・ナイトメア 2000
自分のコマンド・ドラゴンの召喚コストを最大3少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
自分のコマンド・ドラゴンをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊する。
「次は《ガナルドナル》の登場時効果発動!」
次の瞬間、紫色のオーラが《ガナルドナル》から放たれた。そして、疲労しているヒナタのクリーチャー達が苦しんでいく。
ヒナタの場にあるタップ状態の《ボルシャック・NEX》が闇文明の紋様を受けて、紫色に光った。
「《ガナルドナル》の毒は、普通のクリーチャーならば耐えられるが、”攻撃して疲労した”クリーチャー。つまり、タップ状態のクリーチャーは耐えることが出来ない」
「ま、まさか」
「《ガナルドナル》は、登場時にタップされたクリーチャーを全て破壊する! さあ、貴様の罪を数えろ!」
憤怒の悪魔龍 ガナルドナル 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるタップされているクリーチャーをすべて破壊する。
W・ブレイカー
この瞬間、猛毒を受けて装甲龍は破壊される。
「でも、《NEX》1体だけだ! 破壊されたのは変わりねえけど!!」
「《NEX》を破壊しただけでも、十分な収穫だ」
確かにそうだ。加えて、レンの場にはブロッカーの《ポーク・ビーフ》がいる。迂闊な攻撃は許されない。
だが、それを破壊する手段があるならば、話は別なのだが。
「よし、引いたぞ! 俺のターンだ! 呪文、《メテオ・チャージャー》!」
隕石が降り注ぎ、《ポーク・ビーフ》が破壊される
《メテオ・チャージャー》は、発動すればすぐさま敵のブロッカーを破壊できる便利な呪文だ。だが、それだけではない。
《メテオ・チャージャー》のカードが、ヒナタのマナゾーンへ置かれる。
「チャージャー呪文か厭らしい手を使う」
チャージャー呪文。使うとマナゾーンにいく呪文のことだ。実質、コスト-1して使える。
「ああ! 余った3マナで、《スピア・ルピア》を召喚だ!」
スピア・ルピア UC 火文明 (3)
クリーチャー:ファイア・バード 1000
このクリーチャーは、アンタップされているクリーチャーを攻撃できる。
このクリーチャーが破壊された時、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼自分の山札を見る。その中からドラゴンを1体選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
▼バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体は、このターン、アンタップされているクリーチャーを攻撃でき、パワーが+2000される。
槍を構えた鳥、《スピア・ルピア》が現われる。破壊されれば、手札補充か味方強化のいずれかが選べるのだ。
しかし、どの道次のターンにW・ブレイクを喰らうのは確実か。
「ターンエンドだ」
だが、このまま易々と通してくれるほど、レンは弱くは無い。
「僕のターンだ。行くぞ! 呪文、《インフェルノ・サイン》で墓地から《コッコ・ドッコ》を復活させる」
「あ? どういうことだ?」
インフェルノ・サイン P(UC) 闇文明 (5)
呪文
S・トリガー
コスト7以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
※殿堂入り
《インフェルノ・サイン》はコスト7以下のクリーチャーを復活させる、ヒナタも使っていた呪文だ。だが、大概の用途はコスト7や6の中型クリーチャーを復活させるために使うもの。
コスト4の《コッコ・ドッコ》をわざわざ復活させる意味があるのか?
レンのマナは既に6。嫌な予感がする。
「そして、《ガナルドナル》でW・ブレイク!! トリガーはないな?」
「ああ」
「ターンエンドだ」
シールドが2枚、お返しと言わんばかりに叩き割られた。
しかし、手札に入ったのは、《レッツ・デュエル兄弟》だ。
「俺のターンだ! 呪文、《レッツ・デュエル兄弟》で《コッコ》と《スピア》を山札の一番下へ! そして、その数だけ山札の上から進化ではないアーマード・ドラゴンをコスト踏み倒しすることができる!」
「ふむ」
山札が大量に墓地へ送られるが、その中から2枚のカードが浮かび上がった。
「《爆竜勝利バトライオウ》と《ボルシャック・ギルクロスNEX》を召喚だ!」
現われたのは、勝利を司る戦闘龍とエイリアンによって作られた凶悪な装甲竜だった。
さらに、これだけでは終わらない。《ギルクロス》はスピードアタッカーだ。
ボルシャック・ギルクロス・NEX SR 火文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/エイリアン 9000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+5000
T・ブレイカー
誰もサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「《ボルシャック・ギルクロスNEX》でT・ブレイク!!」
シールドが一気に3枚、吹っ飛んだ。しかし、ヒナタはこれ以上の攻撃が出来ない。
とはいえ、レンのシールドはゼロ。次のターンが来れば勝てる。
”次のターン”が来ればの話だが。
「僕のターンだ。マナをチャージ。これで7マナだ」
嫌な予感がする。この感じ、前にも味わったことがある。
以前、学園生活を共にした少女のものと全く同じ------------それどころか、それよりも更に荒々しさと苛烈さが伝わってくる。
まるで……いや、まさに龍だ。
「《憤怒の悪魔龍 ガナルドナル》進化-----------------」
「い、いや、でも在り得ないよな。”あの”クリーチャーが、《コッコ・ドッコ》の力を借りることができるはずがねえよ」
「果たしてどうだかな」
レンは嫌な笑みを浮かべた。そして--------------ドス黒い瘴気を放つカードを、悪魔龍の上に重ねた。
「地獄の声を聴く。命の根源を絶ち、罪人を闇で裁き、そして貴様を呼ぶ——君臨せよ、《悪魔龍王ドルバロムD》」