二次創作小説(紙ほか)
- Act3:ヒナとナナ ( No.280 )
- 日時: 2016/03/26 11:13
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
超電磁コスモ・セブΛ(ラムダ) VR 水文明 (5)
進化クリーチャー:サイバー・コマンド/エイリアン 7000
進化−自分の火または自然のクリーチャー1体の上に置く。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、カードを3枚引く。
W・ブレイカー
自分のターンのはじめに、進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの下に置いてもよい。
現れたのは、《カーリ・ガネージャー》よりも更に強力な手札補充能力を持つ進化クリーチャー、《コスモ・セブΛ》だった。
その能力は、アタックトリガーのメテオバーンで進化元を墓地に置けばカードを3枚引けるというもの。《ガネージャ—》が毎ターン引けるのに対し、メテオバーンは進化元が1体ならば通常1回しか使えないのでこちらの方が持続性は劣っているように見える。
しかし、最大の肝は自らの手札からターンの始めに進化元を補充することが出来るという能力が備わっていることだ。
これにより、《カーリ・ガネージャー》を上回る持続力を手に入れたのである。ただし、進化元は緩いと言っても自らとは違う文明のクリーチャーから進化しなければならないのがエイリアン故か。
どちらにせよ、猛攻は避けられない。
「《コスモ・セブΛ》のメテオバーン発動! 進化元を墓地に置けばカードを3枚引ける! そしてW・ブレイクだ!」
「っ!」
「お前の《ガネージャー》とは比べ物にならないってことだぜ! 《青銅の鎧》で最後のシールドブレイク!」
ヒナタ、残りシールド0——しかし。
「S・トリガー発動、《デーモン・ハンド》! 《Λ》を破壊だ!」
此処にきてS・トリガーが発動する。
少々タイミングが遅かったようにも見えるが——もうヒナタに後退する気など無かった。
絶体絶命に見えるこの状況。
しかし。
既に勝利への道は眩しく光っている——
「俺のターン、ドロー——マナチャージ」
これでマナの枚数は6枚。
墓地のクリーチャーの数は——9枚。
もう、既に勝負は決まっていた。
「そして——墓地にカードが6枚以上あるからG・ゼロ発動」
手札からカードを叩きつける。
交差する炎、まさに龍の如く——
「百万超えの超パワー!! 束縛する邪魔な輩をすべて!! 焼き尽くせ!!
《百万超邪 クロスファイア》!!」
百万超邪(ミリオネア) クロスファイア P(SR) 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 7000+
G・ゼロ−自分の墓地にクリーチャーが6体以上あり、自分の《百万超邪 クロスファイア》がバトルゾーンになければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
スピードアタッカー
パワーアタッカー+1000000(攻撃中、このクリーチャーのパワーは+1000000される)
W・ブレイカー
——爆発する。
現れたのは、あらゆる常識を破壊する無法者、アウトレイジだったのだ。
「G・ゼロ——!? バカな!! いきなり出て来ただとぉ!?」
「それだけじゃない!! こいつは俺の切札だが——もう1つ、ナナの切札がある! 残りの6マナのうち、3マナでそれを出す!」
火を基盤にした3枚のマナがヒナタによってタップされた。
そして——墓地の仲間達の思いを胸に決して止まらない暴龍の無法者がその姿を現した。
その名は——
「数多の屍を乗り越え、暴走する。現れよ、赤黒の無法龍よ!!
《暴走龍 5000GT》召喚だ!!」
暴走龍(ライオット) 5000GT ≡V≡ 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジ 12000
このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、サイキック・クリーチャーを全て破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーを全て破壊する。
誰もパワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことができない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
その無法者は止まらない。如何なる邪魔者にも容赦することはない。
弱者を屠り、食らい尽す。
これは逆襲。今まで食らわれていた側の逆襲——
「覚悟した方がいいよ。こいつがお前の喉元を——食いちぎる。登場時にサイキッククリーチャーとパワー5000以下を破壊する」
「《青銅の鎧》が……!」
「そしてもうお前は、サイキックもパワー5000以下もバトルゾーンに出すことは出来ない。やってることは弱いモノ虐めのそれだが——それが今までお前のやってきたことだ。それを全部、こいつが叩きつける」
ヒナタの気迫は、今までのものとは別次元だった。
凄みがある。
もしもこれが後の決闘空間だったならば——間違いなくタイセイは殺されていただろう。
「《5000GT》でシールドをT・ブレイク」
「し、シールドトリガー——《アクア・サーファー》」
「ダメだ。《5000GT》は召喚を禁止する。S・トリガーも召喚だ」
「あ、あががが——!!」
最早、邪魔するものは存在しない。
そのまま彼は叩きつける。
怒りの鉄槌を——
「《百万超邪 クロスファイア》でダイレクトアタック!!」
***
「優勝、暁ヒナタ君! おめでとう!」
歓声を受けながら、優勝賞品のプロモカードを受け取るヒナタ。
これで、皆に優勝の報告をすることができる、と完全に満足していた。
このデッキを作ってくれたナナカにも——そう思っていた時だった。
ふと、携帯電話が鳴る。
「?」
思わずカバンに入れていたそれを取り出して開いた。
着信元は——ショウゴからだった。
——何だ? そろそろ来いって催促かなぁ。まあ1人だけ違う行動取っちゃってるし、悪い事したけど何にも言って無いわけじゃないし……。
そのまま、耳に携帯電話を押し当てて受け応えることにした。
『よ、よう……ヒ、ヒナタか』
「うん、そうだけど……ショウゴ?」
その声は震えていた。
何か只事ではないものを感じる。
試しにヒナタはわざと何も察していないふりをして続けることにした。
「どうしたのさ。それより、俺優勝したんだよ」
『そんなことはどうでもいい!!』
怒声が帰って来た。
やはり只事ではないのだ。
「ご、ごめん……続けて。夏祭りの会場にいるんじゃなかったの?」
『あ、ああ……すまない。実はな……そうじゃねえんだ。落ち着いて聞け。カードショップに居るなら外に出ろ』
言われるがままにカードショップを飛び出すヒナタ。
そして——念押しを何度かした後、彼は言った。
『今から言うことは嘘じゃねえ。ジョークでも、何でもねぇんだ。しょ、正気を……ひっく、持って聞け……』
溜飲が聞こえてくる。
泣いている。
ショウゴが泣いているのだ。電話越しにでもわかった。
そして間もなく——それは告げられた。
『檜山が——死んだ』