二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ D・ステラ【過去編】 ( No.284 )
- 日時: 2016/03/27 02:18
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
蒼狼(せいろう)の始祖アマテラス R 水文明 (6)
クリーチャー:ナイト/サムライ/オリジン 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、次のうちいずれかひとつを選んでもよい。
▼自分の山札を見る。その中からコストが4以下の呪文を1枚選び、山札をシャッフルしてからその呪文をコストを支払わずに唱える。
▼自分の山札を見る。その中からコストが4以下のクロスギアを1枚選び、山札をシャッフルしてからそのクロスギアをコストを支払わずにジェネレートする。
「《アマテラス》の効果発動! 山札から《ヒラメキ・プログラム》をサーチして唱える!」
「っ!」
始祖の種族を併せ持つ存在、《アマテラス》。
今では禁忌とされてしまった力。
それをヒナタは使う——ありとあらゆる知識を解放するために。
「《ヒラメキ・プログラム》の効果で《アマテラス》自身を破壊! そして——コスト7、《魔刻の斬将オルゼキア》を召喚!」
暗黒の剣を持つ将軍を召喚し、更にヒナタは続ける。
更なるコンボへと。
「効果で《ギャラクシー》を破壊——そして、バトルゾーンを離れる時、代わりに《ギャラクシー》は覚醒する!」
《ギャラクシー》を裏返すヒナタ。
新たなる撃滅の新星が姿を現した——
「覚醒しろ、《撃滅の覚醒者 キング・オブ・ギャラクシー》!」
息を飲むショウゴ。
1枚のカードで此処まで巻き返されてしまったからだ。
しかも、覚醒されてしまった。
「そして、《ギャラクシー》でシールドをW・ブレイク!」
「っ……!」
「ターンエンドだよ」
彼も流石に驚いた。
ナナカのデッキビルディングが凄いのは知っていた。
しかし、彼のこの年不相応なビルディング——彼もまた、一人前のデュエリストとして成長していたのだろうか。
——いや、それだけじゃねえ。檜山の良質なデッキに触れていたヒナタがその技術をいつの間にか吸収していたんだ!
「ヒナタ!」
「?」
「あいつの魂——しっかりとお前に受け継がれてるぜ!」
きょとん、とした表情の彼の顔を見て、ショウゴは少し苦笑いする。
——ま、いずれ分かるはずだ。
「俺も全力で応える! 《ボルバルザーク・エクス》召喚! 効果でマナゾーンのカードを全てアンタップする!」
彼のマナゾーンのカードが全てアンタップされた。
つまり、更なる軍勢を呼ぶ準備が出来たという事である。
新たなる龍を、彼は呼び出した——
「これが俺の、イカサマなしの真剣勝負! 決めろ必殺の《R.S.F.K》!」
R.S.F.K.(ロイヤル・ストレート・フラッシュ・カイザー) VR 火文明 (7)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分が負けるか中止するまで、相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った回数、このクリーチャーは相手のシールドを1枚ブレイクする。
勝負師の龍。
別名・連ドラの最終兵器。
5回ガチンコ・ジャッジに勝てばそれだけで不利な盤面をひっくり返して勝利することが出来るからだ。
「攻撃だ《R.S.F.K》!」
「!」
カードが捲られていく。
1回目、ヒナタ《青銅の鎧》、ショウゴ《鬼無双カイザー「勝」》。
2回目、ヒナタ《超次元 ガロウズ・ホール》、ショウゴ《黄金龍 鬼丸「王牙」》。
3回目、ヒナタ《フェアリー・ライフ》、ショウゴ《無双竜鬼ミツルギブースト》。
4回目、ヒナタ《エナジー・ライト》、ショウゴ《王龍ショパン》。
5回目、ヒナタ《超次元フェアリー・ホール》、ショウゴ《母なる緑鬼龍ダイチノカイザー》——ヒナタの全敗だ。
しかし。
「——S・トリガー《地獄門 デス・ゲート》! 効果で《ボルバルザーク》を破壊! そして、墓地から《アマテラス》を召喚! その効果で、《炎獄スマッシュ》を使って《R.S.F.K》を破壊!」
「なら、《ザーク嵐》でダイレクトアタックだ!」
「ニンジャ・ストライク3発動、《ハヤブサマル》を召喚! ブロックするよ!」
防がれた。最終兵器が。
しかし、むしろ清々しかった。
にっ、と笑うとショウゴは言った。
「楽しかったぜ。最高に、なっ!」
そう、一言だけ。
ヒナタも何だか楽しくなってくる。
あの時の——あの時の記憶が蘇ってくる。
5人でデュエマしたあの日々が——
——そうか、俺は——
「《オルゼキア》でシールドをW・ブレイク!」
「トリガーはないぜ」
「《アマテラス》で最後のシールドをブレイク!」
トリガーは——ない。
がら空きになった彼に——叩き込む。
「《キング・オブ・ギャラクシー》でダイレクトアタック!」
***
「デュエマ……楽しかったか?」
「うん……思い出したよ。色々ね」
「ヒナタさんが、やっぱり一番デュエマを楽しんでいますよ」
「そうねぇ。そしてやっぱり強いわぁ」
4人で帰る夕陽落ちる道。
今日のことを、他愛のない話を久々に話していた。
そして——ふとヒナタは呟いた。
「本当に……ごめん」
「何を謝る必要がある。友達の、仲間のことは自分の事と同じくらい大事だからな」
「俺……ショウゴみたいに、ナナカみたいに、強くなれるかな」
「強く?」
「うん——今度はやり返すような強さじゃない。皆を、皆を守るために強くなりたいんだ」
おもむろに呟くように言うヒナタ。
「なれる」
ぽん、と肩に置かれる手。
それが、とても暖かくて優しかった。
そして、すっ、と彼の手を握るノアの小さな両手。
「ヒナタさんがそう思うなら、ぜったいになれると思います!」
頬に熱いものが流れてくる。
「うん、そうだよな……みんながそう……いうなら」
膝をついた。
感極まって、こんな仲間がいてくれて。
それが自分には勿体なさ過ぎて。
「泣くなよ、ヒナタ。ほら」
涙を拭こうとする手に箱が渡される。
細長いものだ。リボンで結ばれていた。
「これはな、俺達3人で選んだんだ」
「絶対、ヒナタさんは強くなれます!」
「ええ。だって、一番あの子の近くにいたものねぇ」
箱を手に取る。
軽い。
しかし——何か、とても暖かいものを彼は感じ取ったのだった——
「ありがとう——何これ」
「ま、それは家に帰ってからのお楽しみだな」
「あんまり期待しないでねぇ。そこまで高いモノじゃないからぁ」
「気に入って下さったらいいんですけど……」
「うん——」
頷いたヒナタの涙は——自然と止まっていた。
まるで、何かを感じたのだ。
その箱から——