二次創作小説(紙ほか)

Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.296 )
日時: 2016/03/31 23:52
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)

 ターン順はライト→ホタル→レン→ジュンで決まった。
 そして、遂にデュエルが始まろうとしていたのだった。
 そしてレンは今回、初めて超次元ゾーンを本格的に使用する事になったが、その内容は——



 《タイタンの大地 ジオ・ザ・マン》
 《イオの伝道師 ガガ・パックン》
 《時空の凶兵 ブラック・ガンヴィート》
 《激天下!シャチホコ・カイザー》
 《ヴォルグ・サンダー》
 《魂の大番長 「四つ牙」》
 《勝利のプリンプリン》
 《超時空ストームG》




 ——正直、かなり反応に困るものであった。
 ハンデスなのか、それともブーストを中心にした超次元なのか判別がつかないからだ。
 《ガンヴィート》と《シャチホコ・カイザー》と《特攻人形ジェニー》のロックコンボのギミックも入っているが、こちらがブラフの可能性は高いか。
 それでも、何度もこれに苦しめられていたノゾムはこの並びを見た途端に取り乱す。

「うわあああ!! これですよこれ!! 何度《ガンヴィート》と《シャチホコ》のハンデスコンボにやられたと思ってるんですか!!」
「お得意のバウンスでどうにかすればいいだろうが」
「《バトウ・ショルダー》の効果でハンデスされた墓地の呪文の数だけ呪文を唱えるコストも高くなって……」
「それは……ご愁傷さまだったな……」

 そして、ホタルも今回、超次元を投入していたのだった。
 
 《革命槍 ジャンヌ・ミゼル》
 《不滅槍 パーフェクト》
 《百獣槍 ジャベレオン》
 《龍魂遺跡 ホワイティ》
 《神光の龍槍 ウルオヴェリア》

「ん? 少ないわね?」
「8枚入ってないな」
「これはどうなるかは見モノね……」
「ああ、超次元入り乱れる戦いか……」

 


 ***



 デュエルは最序盤。
 まずは、互いのマナチャージの応酬から始まるのだった。

「俺のターン。《熱血龍バトクロス・バトル》をチャージしてターンエンドだ!」

 ライト
 手札4
 マナ1/1
 墓地0
 next turn:ホタル(鎧龍)

 《バトクロス・バトル》はS・トリガーのドラゴン。此処から推測できることは、ライトがドラゴンを中心にしてデッキを組んでいるということだった。
 ——ってことは、相当攻撃力が高いってのは伊達じゃないってことですか……。

「私のターン、ドロー! 《マスター・スパーク》をチャージしてターンを終了します!」

 ホタル
 手札5
 マナ1/1
 墓地0
 next turn:ジュン(蓬莱)

「俺のターン。《凶殺皇デス・ハンズ》をマナに置いてターンを終える」

 ジュン
 手札5
 マナ1/1
 墓地0
 next turn:レン(鎧龍)

 一方のジュンはまだ、闇中心のデッキだろう、ということしか判別がつかない。
 流石に汎用のS・トリガーからデッキを割り出すのは難しい。
 ——僕のデッキとどう違うのか……。そして、そこが勝負のポイントになってくるな。

「僕のターン。《白骨の守護者 ホネンビー》をマナに置き、ターンエンド」

 レン 
 手札5
 マナ1/1
 墓地0
 next turn:ライト(蓬莱)

 とはいえ、最序盤も最序盤なので、本当の速攻でなければ此処で動くことは少ない。
 ——相手のドラグハートを見るに、出させた時点で終わったと思った方が良いかもしれない。
 ——うええ、そこまで強いんですかぁ!?
 ——まだ見たことのないドラグハート……恐らくフォートレスだろう。
 小声で話しながら、2人は相手を見た。
 恐ろしく殺気立っている。

「それじゃあ行くぜ。此処からな!! 俺のターン、ドロー! 《メンデルスゾーン》を使う! 効果で山札の上から2枚を表向きに!」

 ライトのターン。
 彼が唱えたのは、山札を2枚捲ってそれがドラゴンを持つクリーチャーならばタップしてマナに、それ以外ならば墓地に置くドラゴンデッキ御用達のブーストカード。
 もしも2枚とも墓地に置かれた場合、順当にブーストすれば次のターンにライトのマナは5枚になる。
 そして捲れたカードは——

「よっしゃ、ツイてるぜ! 《フォーエバー・プリンセス》と《ニコル・ボーラス》をマナに! ターンエンドだ!」
「っ……ダブルヒット……次のターンに5マナか」
「丁度、《ミツルギブースト》が出せますね……」
「そうなれば次のターンに7マナか」

 ライト
 手札3
 マナ0/4
 墓地1
 next turn:ホタル

 こうしてみると、相手の動きはかなり速い。しかも、強力なドラグナーをそのマナで呼ばれたら大変なことになりかねない。
 ——さあどうしたものか……今回のは余りハンデスを使うデッキじゃないからな……。
 冷や汗が既に額を伝う。
 嫌な予感がさっきから止まらないのだ。
 それを見兼ねたか、ホタルが声を掛けた。
 
「……安心してください、先輩。私が守ります。先輩は存分に攻めてください」
「……淡島」
「私は光使い——相手が鋼の剣で攻めてくるなら、ダイヤモンドの盾で守るまでです! 私のターン!」

 カードを引いたホタルは、マナにカードを置き、2枚をタップしてカードを出す。
 そして——繰り出した。
 
「《時の玉 ミラク》を召喚です!」



時の玉 ミラク C 光文明 (2)
クリーチャー:ジャスティス・オーブ/革命軍 1500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
エスケープ




 現れたのは、球体の身体に龍の角が付いたクリーチャーだった。
 それがホログラムとして実体化する。
 くりっとした愛らしい目玉に、時計のような盾を身体に付けている。
 
「何だ? そのチビは。ブロッカーなんざ並べて、ビビってる証拠だな」
「チビだからって嘗めてたら痛い目見ますよ? ターンエンドです」

 強かに言い返す彼女の眼に、かつてのような怯えは無かった。
 彼女が精神的にも成長した証拠だろう。
 
 ホタル 
 手札4 
 マナ0/2
 墓地0
 next turn:ジュン

「俺のターン。《特攻人形ジェニー》召喚」


 ハンデスデッキの優秀な尖兵、《特攻人形ジェニー》。
 現れるなり、自身の身体を巨大なカッターでバラバラにしてしまう。しかし、それでもなお不気味に笑っている。そのまま爆発して果てた。

「ッ……!」
「タダで死んだと……思うなよ? 効果で貴様の手札をランダムに破壊する」
「っ!」

 その身を犠牲にすることで、相手の手札を破壊することが出来るクリーチャーだが、それによってホタルは手札から《エンジェル・フェザー》を落としてしまう。

「ターンエンドだ」

 ホタル
 手札4→3

 ジュン
 手札4
 マナ0/2
 墓地1
 next turn:レン

 光のデッキはハンデスに弱い。
 厄介なクリーチャーは出てくる前に対処すればいい上に光はロクな墓地回収手段が無いからだ。
 今回もドローソースを落とされてしまった。
 
「成程。如何にも闇らしい戦い方だ。美しいな」
「お褒めに預かり、光栄だ。エセ美学野郎、黒鳥レン」
「聞いてはいたが、貴様も兄貴と同じで口が悪いな」

 殺意の眼差しを向け、ジュンは言った。同族嫌悪というべきか、レンの事が気に入らないらしい。

「俺はお前のように、さも悟ったかのように持論を語る奴が気に喰わないんだよ。そして、この脳筋と一緒にするな、反吐が出る」
「何だとコラ」
「しかしまあ、どいつもこいつも、エセ美学エセ美学とうるさいな。僻みか? まあ良い。僕には関係ない話だ」
「……何だと」
「僕のターン。《ダーク・ライフ》を此処で使わせて頂く」

 此処で、レンはマナに自然のカードを置いて多色のカードを使ったのだった。
 その効果で山札から2枚を見て《凶殺皇 デス・ハンズ》をマナに置き、《トリプルマウス》を墓地に置いたのだった。
 ——わざわざ自然のマナ加速を使った? 闇単使いじゃなかったのか?
 そんなジュンの疑問を他所にレンはターンを終える。

 レン
 手札4
 マナ0/3
 墓地2
 next turn:ライト

「んなことはどうだって良い!! 俺のターン、ドロー! 《永遠のリュウセイ・カイザー》をマナに置いて、《フェアリー・ライフ》を2マナで使用!」

 更にマナを加速するライト。
 ——運が良かったってところでしょうか。《ミツルギブースト》じゃなかったのはどう転んでも正解でしたね……!

「おい、兄貴。加速するのは構わないが、アレを使って殴るのはもう少し待て。俺が制圧してからじゃないと光と闇使いに不用意に殴るのは危険だ」
「へっ、分かってらあ」

 次のターン、ライトのマナは7枚になる。
 手札の消費も同時に大きいが、何が出てくるのか分からない。

「ターンエンドだ」

 ライト 
 手札2
 マナ4/6
 墓地2
 next turn:ホタル

 ——速すぎる……!
 渇いた口の中を舐めながら、彼女はカードを引いた。
 ——ここは——!

「《信頼の玉 ララァ》召喚です!」



信頼の玉 ララァ UC 光文明 (3)
クリーチャー:ジャスティス・オーブ 2000
自分の光のコマンドの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
マナ武装3−自分のマナゾーンに光のカードが3枚以上あれば、自分の光のドラゴンの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にならない。



 再びジャスティス・オーブを召喚するホタル。
 現れたのは光のコマンドとマナ武装で光のドラゴンのコスト軽減をするクリーチャー、《ララァ》だった。
 これで次のターン以降、ホタルはコストを2軽減して光のコマンド・ドラゴンを出すことが出来るようになったのだ。

 
 ホタル
 手札2
 マナ0/3
 墓地0
 next turn:ジュン

 そして、ジュンのターン。
 先ほどのターンはハンデスを行った彼であるが——

「俺のターン、《ボーンおどり・チャージャー》で山札の上から2枚を墓地へ。ターンエンド」

 ——今度は妨害ではなく、墓地肥やしとチャージャーによるマナ加速のみにその行動はとどまった。
 とはいえ、余り闇のデッキに好き勝手させることは出来ないというのがレンとホタルの正直な感想であったが。

 ジュン
 手札3
 マナ1/4
 墓地3
 next turn:レン
 
 ——ならば僕からも仕掛けていこう……僕の方にハンデスを撃たなかったことを後悔させてやる。
 4枚のマナをタップするレン。
 そして唱えたのは——

「僕のターン。呪文、《カラフル・ダンス》を唱える」

 


カラフル・ダンス UC 自然文明 (4)
呪文
自分の山札の上から5枚を、マナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンのカードを5枚、墓地に置く。
※殿堂入り




「それは……!」
「効果で山札の上から5枚をマナゾーンに」

 これで、一気にマナの数は9枚に。しかし、それだけではない。
 レンは此処から5枚を選んで墓地に置く。

「《暗黒鎧ザロスト》、《デス・ハンズ》、《ダーク・ライフ》、《ジャスミン》、《ホネンビー》を墓地へ」
「……貴様は一体何を狙っている? 黒鳥レン」
「さあな?」

 あくまでも自分のペースを崩さないレン。
 ホタルが自分を守ると言ってくれた事を信じているからだろうか。
 ——いや、信じるしかないのだ。今は、今はただ——
 
 レン
 手札3
 マナ3/4
 墓地8
 next turn:ライト

 これにより、レンは墓地の準備は整ったと確信した。
 残るはマナだけだ。
 しかし。




「——まあ、残念だったとしか言いようがねぇな」




 ライトは嫌な笑みを浮かべて言った。

「俺のターン、ドロー——マナチャージ」

 タップされる龍の炎を含んだ7枚のマナ。
 これこそが、蓬莱の最強の一角。
 比類無き強さを誇る超戦の龍が現れようとする——




「銀河と羅王、2つの炎! 今こそ合わさって超戦せよ、《超戦龍覇 モルトNEXT》ッ!!」