二次創作小説(紙ほか)
- Act5:天王/魔王VS超戦/地獄 ( No.298 )
- 日時: 2016/03/31 18:12
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: AfTzDSaa)
極魔王殿 ウェルカム・ヘル ≡V≡ 闇文明 (5)
ドラグハート・フォートレス
このドラグハートをバトルゾーンに出した時、または自分のドラグナーが攻撃する時、闇のコスト5以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
龍解:自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーを4体破壊してもよい。そうした場合、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。
地獄。
フィールドが一気に暗い、地下のように暗くなる。
会場全体が、薄暗くなる。
そして、地中から顕現する地獄の神殿。
それが、それこそが《ウェルカム・ヘル》だ。
「その効果により、墓地からコスト5以下の闇のクリーチャーをバトルゾーンへ。2体目の《ニンジャリバン》をバトルゾーンに出す!」
「ッ……何てタチの悪い……!」
「それだけじゃない。《ニンジャリバン》の効果により、《龍魂城郭レッドゥル》をバトルゾーンに出す!」
再び現れる忍び装束のドラグナー。
それにより、今度は巨大な城郭が天上より降臨した。
そして、その加護を受けるのは——《ヘルボロフ》だ。
「《レッドゥル》の効果で、俺のクリーチャー1体はスピードアタッカーとなる! 効果を《ヘルボロフ》に使い、攻撃だ!」
巨大な鎌を振り上げて飛び立つ《ヘルボロフ》。
そのまま、それをシールドに向けて振り下ろす——狙うのはレンのシールドだ——
「そしてドラグナーが攻撃したので《ウェルカム・ヘル》の効果発動! 墓地より、《特攻人形ジェニー》を復活させる! ただし、今回は能力は使わない」
——ドラグナーの攻撃時にもリアニメイトするのか、こいつは——!
驚きを隠せないまま、レンは唇をかみしめる。
恐ろしくスペックの高いドラグハートだ、としか言いようが無い。その展開力には目を見張るものがあった。
「《ミラク》でブロック!」
叫ぶホタル。
《ミラク》が身を挺したことで、その攻撃は通されなかった。
しかし、鎌に切り裂かれて《ミラク》は破壊されてしまう——と思われた。
「パワー7000と1500でバトル。こちらの勝ちだな。破壊する」
「エスケープ発動! シールドを1枚手札に加えれば生き残ります!」
鎧龍シールド10→9
先手を叩き込んだのは蓬莱、それも兄を押さえ付けていたジュンという結果に。
あまり、シールドを減らすと言う意味では効果は無かったように思える。
しかし。
彼の目的は攻撃ではない。
場のクリーチャーを増やすことにあったのだ。
「しぶといな。だが——今度は他を滅ぼす!! 《ウェルカム・ヘル》の効果発動、場のクリーチャー4体を破壊——」
ジュンは、そのまま自分のクリーチャー全てを——墓地に置いた。
「え!? 折角展開したのに!?」
「狼狽えるな、ホタル。《ゴー・トゥ・ヘル》も似た要領だ。あれはタイミングは違うが……! これは——」
次の瞬間、地獄の神殿は龍の口を開いた。
そして、ガバアッとジュンの場に居たクリーチャーを全て丸呑みにしてしまう。
罪を食らい——彼の物は彼の者となり罰を下す——
「傲慢(Superbia)、嫉妬(Invidi)、憤怒(Wrath)、怠惰(Belphegor)、強欲(Avaritia)、暴食(Gluttony)、渇望(Asmodeus)——七つの原罪、全て彼の者は裁く——龍解」
魔王の神殿は龍と化す。
最強の悪魔龍、地獄の魔壊王として降臨する——
「——《極・魔壊王 デスゴロス》」
極・魔壊王 デスゴロス ≡V≡ 闇文明 (10)
ドラグハート・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 13000
このクリーチャーが龍解した時、相手のクリーチャーを2体まで破壊する。
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。その後、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
T・ブレイカー
龍回避−このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンを離れるかわりに、フォートレス側に裏返す。
巨大な鎌を振るい、神殿より龍の身体が出現した。
翼を広げ、天に向かって咆哮する——
その余りにも強大すぎる姿を前にして流石のレンもホタルも怯んでしまった。
他のクリーチャーとは一線を画す大きさは、広大なフィールドのおよそ四分の一の覆いつくす程だ。
そして——その鎌を振るった。
「効果で《エメラルーダ》と《「四つ牙」》を破壊する。ターンエンド」
ジュン
手札1
マナ0/7
墓地7
風が吹いた。
その一瞬で、鎌に真っ二つにされて2体のクリーチャーは消し飛ばされる。
跡形も無く、消滅したクリーチャーを眺めながら——レンは言った。
「……その程度か?」
そう、言い放ってみせた。
圧倒的な実力差だった。
しかし。
それさえも跳ねのけるかのように彼は言ったのだ。
ハッタリかもしれない。
虚言かもしれない。
それでも彼の言葉は、重い。
「な、なに……?」
「どんなに強い人間が強いカードを握っても——やはり、心が美しくないと意味が無いとはこの事だな」
「心が美しい、だと? 笑わせるな、黒鳥レン! 貴様の美学とはその程度か? 薄っぺらいんだよ、道徳の教科書じゃあるまいに!」
今に分かる、とレンは返すと、カードを引く。
「裁くのは、僕だ。そして裁かれるのは——貴様の傲慢だ」
カードを7枚タップし、彼は宣言した。
そして、闇を基盤として暗黒に堕ちた天使が姿を現す。
「遍く罪に告白と懺悔を——《告白の堕天 ゼクシィ》召喚」
告白の堕天 ゼクシィ VR 闇文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 8000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、自分のシールドを好きな数、墓地に置いてもよい。こうして墓地に置いたシールドひとつにつき、相手は自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。
現れたのは、無表情で冷徹な音響の堕天使。
ピアノの鍵盤の意匠を持つ杖を持ち、不協和音を奏でている。
「この堕天使は、登場時に自分のシールドを墓地に置けば相手を破壊する。墓地に置いたシールドの数だけな」
「……何!? 正気か貴様!!」
タッグマッチにあるまじき暴挙に出たレンに、驚きの声をあげるジュン。
シールドの数は共有で、自分のシールドを減らすにせよ、味方のシールドを減らすにせよ、自殺行為に変わりはないのだから。
しかし、ホタルも全く気に留めている様子が無い。
「割るのは僕のシールドだ。後輩の足は引っ張らない。僕はシールド3枚を墓地に置く」
鎧龍シールド9→6
「奏でろ、地獄の不協和音。貴様ら全員の冥土の土産だ、喜べ。《モルトNEXT》、《フォーエバー・プリンセス》、《デスゴロス》——」
闇のエンジェル・コマンドに通じる事、それは自分のシールドを犠牲にして効果を得るということ。
《ゼクシィ》の奏でる破滅の音階が巨大なクリーチャー3体を全て、絶叫と地獄の苦しみと共に死に追いやる。
「——破壊」
レンが並べたシールドは残り2枚。
しかし、《デスゴロス》は龍回避を持つドラグハート・クリーチャー。よって——フォートレスに戻れば生き残る。
「クソッ、やられた……! 《バトライ閣》があるからまだいいが……!! そして、《フォーエバー》の効果で墓地と山札を混ぜてシャッフルする——!!」
「こっちもそうだ。龍回避でフォートレス面になって生き残る、それだけの話だ!!」
「そうなるな。だが、貴様には次は無いはずだ。見たところ、《ウェルカム・ヘル》はもう超次元ゾーンにない。よって、2体目以降の《ヘルボロフ》は大きく弱体化したも同然」
「ッ……!」
「リスクを冒すタイミングを見誤ったな。シールドなど、貴様らに割られる前に自ら割っていくだけだ」
そのままレンはターンを終える。
レン
マナ0/7
手札1
墓地12
しかし。
当然ながらこれだけで終わる訳は無かった。
「よくもよぉー? 弟の切札破壊してくれたじゃねーか。ジュン泣いてるじゃねーか、どうしてくれんだ」
「いや泣いてないし、龍回避したが」
「もう我慢できねぇ。テメェが良い感じにシールド破壊してくれたおかげで、こっちもようやく遠慮なくぶっ飛ばせそうだ——」
言ったライトは——笑っていた。
狂気に満ちた表情で笑っていた。
その姿は、悦びに満ちた獣。
戦いに飢えた狂戦士——
「俺のターン、ドロー——そして、《龍秘陣 ジャックポット・エントリー》を使う」
6マナを払い、今引いたカードを使うライト。
その呪文は、マナのドラゴンの数だけ山札を見て、その中からコスト8以下のドラゴンを出せるというものだ。
そしてライトのマナには——
「ドラゴンは7枚中6体!! よって6枚を展開!!」
山札から捲られる6枚のカード。
そして、繰り出されるのは——
「《龍素記号Sr スペルサイクリカ》召喚! その効果で墓地から《ジャックポット・エントリー》を唱えて手札に加える」
「っ!? もう1回ってことですか!?」
「まずいな……流石に嫌な予感がする!!」
展開される山札6枚。
そこから現れたのは——
「2体目の《モルトNEXT》を召喚!!」
——悪夢、再びであった。
同時に、龍の要塞が更に呼び出される。
銀河と羅王。その2つを合わせた最強のドラグハート・フォートレスが——
「出て来い、コスト5以下の火のドラグハート——俺の熱い魂に応えろ!! 《闘将銀河城 ハートバーン》!!」